8話 ダーティーアイ
2匹目に俺が出会ったのは俺と同じ様な見た目をした黒猫だった。そいつは俺の持っているまたたびをじっと見つめて俺に話しかけてきた。
「あのそのまたたび、もし良かったら俺にくれませんか。」
「いいけど、その前に俺の質問に答えてくれますか。」
「はい。答えるのでお願いします。」
黒猫は是が非でもまたたびが欲しいという様子だった。
「あの質問って何ですか。」
「この白猫を見ませんでしたか?。」
俺はミケちゃんの写真を見せた。
「見たことないですね。」
「何か噂とかもきいてないですか。この辺では見かけない猫を見かけたことある猫がいるとか。些細な情報でもいいので。」
「特にそんな話はきいたことないんですけど。最近ある猫の集団が縄張りを作って、そいつらが雌猫をさらっていったりするっていう話はきいたことありますけど。その話とこの白猫がつながるかは分からないですね。」
意外な情報が入ってきた。もしかしたらそいつらにミケちゃんはさらわれたせいで帰ることができなくなった可能性がある。
「あのその縄張りを作っている猫について詳しく知っている猫を俺に紹介してくれませんか。」
「はい。1匹心当たりがありますけど。そいつよく昼寝してるんで行っても起きてるかはわかんないですよ。」
「それでもかまわないので俺をその猫のところまで案内してください。案内してくださればまたたびちゃんと渡しますから。」
俺のその一言に黒猫は目を輝かせて軽い足取りで俺をその猫がいる場所まで案内してくれた。
その猫は公園の草むらの中にいた。寝ている可能性があることを黒猫に言われていたが起きていて別の猫と一緒にじゃれあって遊んでいるところだった。2匹ともグレーの猫で似たもの同士だった。
黒猫はグレーの少しだけ体が大きい方に話しかけ事情を説明してくれた。
その後に俺は黒猫にお礼にまたたびを渡した。
グレーのデカスケは俺の方を向き
「写真を見せてくれよ。」
と言った。
俺はミケちゃんの写真を見せた。
グレーのデカスケは写真を見ると
「うわーめっちゃ美人じゃん。俺この子見たことないけど。なんて名前なの?」
「ミケちゃんです。」
「へーミケちゃんなんだ。この子見つかったらさ。俺に紹介してくれないかい。めっちゃ好みだわ。」
グレーのデカスケがそういうと隣で話をきいていたデカスケの連れのグレーのチビちゃんにデカスケは尻尾を噛みつかれた。
「あんた私がいるのに浮気するつもり?」
と言いチビちゃんはデカスケを睨みつけた。
「ごめんよ。冗談だってば。」
デカスケは必死でチビちゃんに謝罪した。チビちゃんは謝罪されてもなんだか納得いってない表情を浮かべていた。
「えーと。話を戻そう。あんたはミケちゃんが最近縄張りを作っている猫の集団に連れ去られたのでは?って推測してるんだよな?その可能性はあるぜ。」
デカスケはチビちゃんの怒りの矛先がずっと自分に向いているのが耐えられなくなり話を戻したようだった。馬鹿な奴だな。
「えー。そうです。何かその猫の集団について詳しく知っていることはありませんか。」
「んー。俺は直接そいつらを見たことはないんだけど、俺の知り合いがガールフレンドをその集団に連れ去られたことがあってな。割と身近に事件が起きているんだよ。確かそいつらの名前はダーティーアイ。」
「ダーティーアイを直接見たことがある猫を私に紹介してくれませんか。」
「いいぜ。その代わりに俺と彼女にまたたびをくれよな。」
「もちろんです。」
俺はデカスケの紹介でそのダーティーアイを直接見たことがある猫に会うために公園から歩き出した。




