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6話 パンダ野郎

俺はまず俺が人間だった時にミケちゃんを目撃した行きつけの居酒屋翁に行くことにした。ミケちゃんを目撃してから時間が経っているのでそのままずっとそこにいるとは限らないがまかないをもらっていたならそこに住み着いた可能性もある。


行く道中もミケちゃんがいないか目を光らせてはいたが見つからなかった。ミケちゃんどころか他の野良猫も目撃することさえなかった。


居酒屋につくと俺はミケちゃんがいた付近に立ってあたりを見渡してみたがどこにもいない。すき間などに隠れていないか探して見たが見当たらなかった。まかないを入れていたお皿も置いていなかったのでいなくなってからもう時間がだいぶ経っている可能性がある。


空の皿が置いてあれば食べ終わって間もないことが分かり、まだ居酒屋の付近にいる可能性が高い考えることができたが、皿ごとないとなるともう居酒屋からだいぶ離れたところに行った可能性がある。今は食べ終わってだいぶ時間が経ち、散歩にでも出かけていて、また、まかないをもらえに帰ってくる可能性も捨てきれない。


俺はこの後の行動をどうするか考えた。このまま居酒屋に張り込んでミケちゃんが帰って来るのを待つか。居酒屋から離れたところを探すかだ。正直俺は居酒屋しか心当たりがないので居酒屋から離れたところを探すにしても範囲が広すぎて探すのが大変な気がしたので、ひとまずここで何時間かミケちゃんが来るまで張り込むことにした。


その間におやじさんが店から出てきたらミケちゃんがどこに行ったかききたいと思ったが俺が話すことができるのは自称神様と美雪さんのみであろう。それだとおやじさんを頼ることもできないらしい。ここで張り込んでもしミケちゃんが来なかったらと考えると俺は不安でしかたなかった。


俺は辛抱強く待つことにした。ミケちゃん来てくれ。頼む。俺は心にそう願いながら3時間ほど待った。ミケちゃんは現れない。いたずらに時間だけが過ぎていった。俺はもうじっと我慢しておくのができなくなり、意味もなくあたりを歩き回った。その時だった。白猫ではないが野良猫が歩いてきたのだ。


見た目はパンダみたい感じなとろそうなその猫は俺に興味なさそうに近くを通り過ぎようとしたとき、俺はふとあることを思いついた。あいつにきいてみよう。美雪さんや自称神様としか会話できないと思っていたが、もしかしたら猫同士なら会話できるかもしれないという考えが頭をよぎったからだ。


「ちょっと待ってください。」


「なんなんだ?。」

とそのパンダみたいな猫は振り返った。


やはり猫同士なら会話できるらしい。これはチャンスだ。俺は鞄からミケちゃんの写真を取りだしてパンダ野郎にみせた。


「この白猫見かけませんでしたか。」


「あーそいつ知ってる。探してるんか。」

といかにもめんどくさそうにパンダ野郎は俺に言った。


やったー。こいつミケちゃんを知っている。案外早く見つけられるかもしれない。


「はい。この白猫は飼い猫なんですけど家から出て行ってしまったらしく、飼い主の代わりに俺が探してるんですよ。ご存知なら詳しく話しをきかせてもらえませんか。」


「なるほどね。そういう事情で。俺は知ってはいるけどそいつが今どこにいるかは知りませんぜ。そいつからこの近くにうまい魚のまかないが食える居酒屋があるってきいたからこのあたりをうろうろしていただけで。その件をきいてからそいつとは別れたんでそれ以降は知らないぜ。」

とパンダ野郎は言った。


「その居酒屋ならここですよ。」

と言って俺は尻尾で居酒屋翁を指した。


「あーいけねえ。危うく通り過ぎようとするとこだったぜ。サンキュー。」


「あのその白猫と話したのはどこの場所かわかりますか。」


「えーっとだな。ここからだいぶ離れたゴミ置き場のとこだよ。て言ってもアバウト過ぎて分からないよな。」


あまりにも適当すぎる。まあ、おそらくこのパンダ野郎の性格の問題なんだろうけど。捜索の協力をしてくれているだけありがたいが。

ということはだいぶ移動していることになる。この居酒屋付近にいても意味がないな。


「あのその白猫とあった場所に俺を連れて行ってくれませんか。」


「いいけどさ。もうそこにはいないと思うぜ。家に帰るんだって言ってたしな。でも道が分からんらしいから帰れるかは微妙だけどな。」


家から遠くへ行きすぎて道が分からなくって帰れなくなったってことだな。

ミケちゃんは家に帰りたくないわけではないんだ。あんなに美雪さんが心配していたってことは可愛がられていたんだと思うし帰りたくなって当然か。

ならなぜ、そもそも家から出ようと思ったのだろうか。その理由は今の段階でははっきりしない。


「家を出た理由を何か話していましたか。」


「あー。なんか言ってたなあ。外の世界を見てみたいってさ。ずっと家にいるだけで窓から外の景色を見るだけだったから、外の世界のこと知らないんだって。自分の目で確かめてみたいって言ってったっけな。」


なるほど。ミケちゃんは元野良猫とかではないってことだな。ならなおさら、外の道なんか知らないだろうし家に帰りたくても迷って帰れなくなったってわけか。

案外よい情報をくれたな、パンダ野郎。


「ありがとうございます。」


「俺以外にきく当てがあるんか。あんたは。」


「ないにはないんですけど。頑張って探してみせます。」


「そうかい。まー頑張れよ。」

と言ってパンダ野郎は居酒屋翁の近くに座ってまかないの魚待ちモードに入った。


俺はいったん居酒屋翁から歩き出した。さて、当てがないのにどうするか。俺は考えを巡らせた。猫と会話できることが分かったわけだし、猫から情報を収集すればいいのだが、なかなか野良猫とも遭遇しないし、どうしよう。ならば猫を集まればいいのでは?


思いついた!アレを使えば猫を集められる!

俺はある作戦を実行することにした。

そのためには美雪さんの協力が必要だ。俺はいったん美雪さんの家に帰ることにした。

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