ルーライオ
「着いたぞ……アレがルーライオだ」
森を抜けた……というよりは森の中にある集落的存在な村、ザ田舎を匂わせる雰囲気は幼い頃に親に連れられた田舎を思い出させた。
虫が大量にいて少しばかり苦手だったな。
そんな事を考えながらも俺と魔王は村へと入っていく。
そんな時何人かの村人らしき人達が外で話し合ってるのが見えて魔王の足取りはそちらへと向かう。
「初めまして旅の者ですが……
大変急な事で申し訳ないのですが、数日こちらに泊めてもらうことは出来ませんか?」
と魔王は礼儀正しい態度で村の人達に尋ねる。
意外だ……魔王という存在が一般的な人達に対して下手に出るような態度を取るなんて……
もっとこう……『どうした我魔王ぞ、貴様らの村ごと我が手中に収めてくれる!!』みたいな感じのなのが魔王だと思っていた。
まぁ彼と共に行動していればそんな奴じゃない事くらいわかる。
「おぉ、旅の方ですか。泊まることに関しては大丈夫なのですが……」
集団のうちの1人……見た目的には1番歳上そうで他の人達が少し下がったところを見るにこの人が村で偉い人物なのだろうか?と思わせる。
「この村の付近には魔狼が多くて……夜になると村に来て田畑を荒らしてしまうんですよ」
魔狼……さっき俺達が出くわしたあの獣の事か、ここら辺は魔狼の住処になっていたのかどおりでさっき出くわしたわけだ。
「あぁ、申し遅れました私はこの村の村長をつとめさせてもらってるオキヤという者です」
村長である老人は自分の名を名乗った。
「ありがとうございます、私はマーオという者です。そしてこっちがセッカ……ん?どうした?」
魔王が頭を下げた後自分の名を名乗ったがあまりにも適当な名前だったのでその場で吹き出して笑うのを我慢していた。
魔王……マーオが俺の方に振ってきたので少し慌てるように息を整え。
「は、初めましてセッカです。あ、ありがとうございます……」
と少し緊張しながらも村の人達に感謝を告げた。
人前で何かを話すとなると緊張で何を言ったらいいのかがわからなくなる、今日はまぁマシな方だ。
「……?ひとまず家の方にご案内させていただきます。マークこの人達を案内してあげなさい」
そんな村長の声を聞いて出てきたのは20後半から30代前半くらいの全体的に少し細い体付きの男だった。
「わかりました村長、ではこっちです、着いて
きてください」
気が弱いのか少し小さめの声で話すマークという男……
俺達はマークに着いていった。
少し静かだが周りを木々で囲われているからか空気が心地いい感じがする。
普段はインドアで家からは出ることがなかったから新鮮って感じだ。
「それにしても魔狼だなんて大変ですね、私達も先程襲われたのですがなんとか追い払えまして……」
と平気で嘘をつきながら会話を始める魔王。
「……そうでしたか、それは大変だったね
彼らはここ最近になって数が増大していってるから……無事でよかった
……着きましたこちらです」
魔王の言葉に少し間を置きながらマークは話してどうやらその間に俺達が泊まることになるところに来たようだ。
見た感じなんの変哲もない一軒家のように見えるが村の外れなのか周りに家は一軒ほどしかないようだ。
「何かあるならウチへ来てください、ちょうどそこの家なので」
マークは俺達が泊まる家の付近にある唯一の家を指差しながら話した。
「何か困り事があったら来てください、私と妻で話を聞きますので」
マークは頭を下げて俺達にそう告げるとそのまま自分の家へと入っていった。
それにしても奥さんとかいたのか。
「お邪魔しまーす……」
そんなこんなで俺と魔王は用意された家へと入っていく。
扉を開けてまず入ってくるのはなんの変哲もない玄関、俺達は靴を脱いで玄関に整えて上がる。
定期的に清掃されているのだろうか?生活する分には困るどころか普通に綺麗な感じだ。
俺はひとまず家の中を少し歩いた、玄関から右側には寝室、左側にはリビングやらキッチンなどが備わっている。
俺がいた現代社会とは違い、電化製品などは見当たらず、よく日本の歴史等の教科書に載っている江戸時代?だったかの設備があった。
その後も家の中を一通り見回った俺は寝室のベッドで座っている魔王に少し聞きたいことがあり寝室へと向かった。
「どうだ?」
部屋に入ってくるなり尋ねてくる魔王。
「いい感じの部屋……ですね」
「そうか」
俺の語彙力が低いせいで会話が途切れそうになっている……完全に会話が途切れる前に聞きたいことを聞かなくては。
「あの……ここには数日泊まるって言ってたけどいつまで?」
そう、魔王はここに来た時に村長に数日泊まらせてもらうと言っていた、別に先に進むための休憩所としてなら1日だけでも充分だ。
けれどもそうすることなく、そもそも最初からここを目的地として決めてたってことはこの村に何か用事でもあるのだろうか?
「そのことについて……お前に頼みたいことがある」
俺がその話題を出した時魔王は俺の目をまっすぐ見つめて話す。
立場やしてもらった事を考えると俺がこの人の頼みを断る事なんて出来ないだろう。
「な、なんです?」
俺がそう聞くと魔王は少し息を吸って吐いて。
「この村にいる人狼を見つけてもらおう」




