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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第十五章 めでたし、めでたし……?

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第141話

 未曾有の大災害と今後歴史書に刻まれるであろう、例を見ない大雨が過ぎ去った。

 とはいえその傷跡は大きく、王都はようやくまともに(・・・・)機能するようになったそうだけど、周辺都市から随時救援と復興が進められるという話だから地方が落ち着くのにはもう少し時間がかかるかもしれない。


 アエスさんは使節団の一人だけど、今回の件で問題を起こした張本人ってことから使節団とは別に護送してもらうことが決まった。

 これには私としても少し安心だ。

 いやね、プセーマさんたちを信用できないっていうか信用してないんでね!

 まあその辺は陛下もちゃんとわかって対応してくれてると思うよ、うん!!


「それじゃあジャンさん、この報告書よろしくお願いしますね」


「必ずジルツェン隊長に渡します」


 うんうん、あの封印具とアエスさんについての魂の状態を記した大事なレポートなのでね。

 腹黒ヘルマンならきっと上手に活用してくれるだろうと信じているよ!

 いやな信頼だなあ、我ながら!!


「とりあえず、これで平穏無事ってわけにはいかないけど解決……したと思っていいんでしょうか」


「現地待機で好きにしろと報奨金と一緒に休暇の延長が許可されたんだ。宿屋の方で問題がないなら、今度こそルサントラの果物を堪能できるんじゃないか」


「長雨で果物が無事のように思えませんけどね……!」


「森の中にくらいなら、幾分か残っているだろう。……味はわからないが」


「ええー……雨にも負けず風にも負けなかった果物ですからね、きっと美味しいでしょうが……私に採れますかね?」


 正直、目に見えるところに成っている実をもぎ取れる自信はないですけど。

 私ったら最弱な聖女なので、身体能力が一般人並なんですよ!


 悔しくなんて……ないんだからねっ……!


「問題ない。俺が抱えればどうにでもなる。……というか、一人でそんなことをさせるわけがないだろう」


「ひぃぇ……」


「ようやく新婚旅行らしい時間が持てるんだ。片時も離れてくれるなよ」


(甘ぁい……だがそれがいい!)


 アドルフさんの表情は相変わらず落ち着いているけど、その眼差しがとんでもなく甘い!

 砂糖を蜂蜜で煮込んで固めてその上からチョコレートコーティングしたのかなってくらい甘い!!


 いやそんなの食べたことないけどね?

 とにかく甘いんですよわかって。尊い。


 まあアドルフさんが甘ったるいのには理由があってだね。

 先日のあの封印具、あの仕組みのせいで私もダメージ喰らったわけじゃない?

 当然それをアドルフさんから補っている関係性なので、筒抜けなわけよ。


 普通の治癒魔法を使う程度だったらそんなことにはならない。

 ゲームのイメージで言えばターン交代時にアドルフさんから私にこう、ぎゅいーんと魔力が移動した様子になってたんだと思うけど……いやあのゲーム本当にえげつねえな……。


 パートナーがいる聖女が安定して回復に回れる仕組みだからよかったじゃんって思うでしょ?

 私が魔力不足で倒れない自動回復おめでとうってね!

 これが聖女がパートナーとして結婚相手を必要とする理由だって実感するわけだけど、アドルフさんにとっては若干のトラウマである。


 そう、契約結婚って言って事情を明かさなかったせいで私が毒素で死にかけたアレよ……。

 アドルフさんも理屈はわかっているし、もうその心配は一切ないってわかってんだけどね。

 わかってんだけど、今回アエスさんの魅了のせいで率先して動けなかったことやら私があの封印具のせいであの時(・・・)みたいに昏睡状態に陥るんじゃないかって怖くなったみたいでさ。


(ここんとこ連日のマーキングが激しい……嬉しいけど恥ずかしい……!)


 ジャンさん、目え逸らしまくりだったからね!?

 宿屋に来る獣人たちは二度見してくる上に『新婚かあ~いいねえ~』なんて目を向けられちゃうんだからね!?

 

 ええ、ええ、いちゃついてますよすみませんね!!

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