第32話 浮遊城(2)
ここが悪夢の王が住む城とはとても思えなかった。
悪夢で想像すると悪趣味なものが並んでいそうなものなのに。
「結局アサウェルと合流出来なかったなぁ…待っていた方が良かったのかも?」
「きっとここで合流出来るって!」
オレの弱気発言にレイが持論を展開する。
しかしレイのこのポジティブ思考は一体どこから来るんだろう?
でもそのあまりの自信たっぷりの発言にオレも何だかそうなるんだろうなって思ってしまえるから不思議だ。
言霊ってきっとこう言うのを言うんだろう。
オレ達はすんなりと城の内部に入る事が出来た。
城の内部もまた想像していたものと全然違っていた。
白を基調としたあまりにも豪華な内装。
それはここが天界の城だと説明されても納得してしまいそうな出来栄えだった。
「来たな」
城で待ち構えていたのはロアードだった。
「来てやったぞ」
オレは何となく対抗心でそう答えていた。
しかしこの城には他に人材はいないのか?
ロアード以外に人の気配が全くないんだけど…。
もしかした実はこの城は今無人なんじゃ?
オレはちょっと疑問に感じて質問してみた。
「本当にここに四天王とか幹部がいるのか?静か過ぎるけど…」
「ああ、勿論だとも…ここには幹部以外には親衛隊しかいない…選ばれし者しか入れない特別な城だよ」
「その割に城門が完全開放されてたけどな」
ロアードの説明にオレはちょっと皮肉を込めてそう言った。
「当然さ、この浮島に入る事すら幹部以外には不可能だからな…セキュリティの必要すらない」
オレの質問にロアードはドヤ顔でそう答えた。
ああ、早く戦ってその顔に一撃ぶち当てたい…。
「じゃあ早速始めようか…」
「せっかちだね君は…まず四天王と戦う前に我が可愛い部下達と戯れていてくれたまえ」
ロアードはそう言うと姿を消した。
奴と話している間にいつの間にかオレ達は大勢の親衛隊に取り囲まれていた。
こいつら…さっきまで気配すらなかったぞ…。
「あのロアードってヤツが何かしたんだよ、これ」
レイがオレに耳打ちをする。
「ああ、間違いない…」
オレもすぐに感覚を戦闘モードに切り替える。
「さあ、遊びたい奴は遠慮なく始めてくれ!こっちはいつでも構わないぞ!」
オレのその挑発を合図に一斉に親衛隊がオレ達に向かって襲い掛かる!
早速ここでオレの技がどこまで通じるか試してやる!
「ふふ…我が親衛隊に自分の実力がどこまで通じるか試してみるといいよ、ヒロト君…」
その様子を別の場所から観察するロアード。
彼の顔からはゲスな笑みがこぼれていた。
「連続エネルギー波状攻撃!」
ドドドドドドッ!
戦いを経てさらに威力の上がったレイの攻撃が親衛隊員を丸焦げにする!
今のレイにとっては精鋭である親衛隊員ですら赤子の手をひねるほどの存在だった。
「うひょー!流石レイ!オレも負けてはいられない!」
楽勝で勝ち進むレイを横目にオレも必殺の構えで親衛隊員達相手に攻撃を開始する!




