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第32話 浮遊城(3)

 レイばかりにいい顔なんてさせていられないっ!


「狼牙虚空拳!」


 衝撃波を込めたオレの拳が敵を穿つぜっ!


 …スッ!


「あれっ?」


 おかしい…。修行で培って新たな能力まで身につけたオレの技が親衛隊員に避けられた…。

 な、何で?一人だけ桁違いに強かった…とか?


「虚空拳!」

「虚空拳!」

「虚空拳!」

「虚空ケェーン!」


 ゼェゼェ…ハァハァ…。


 オレの繰り出す技はみんな親衛隊員達に避けられてしまった。

 一体…一体どう言う事なんだ?


「その技は既に見切っている…今度は俺達の番だ…」


 親衛隊の一人がオレに向かってそう言い放った。

 その次の瞬間、親衛隊の攻撃がオレを襲う!

 その攻撃にオレは耳を疑った…。


「狼牙虚空拳!」


 ものすごく馴染みのある技名を親衛隊員が叫ぶ!

 そして馴染みのある技で放たれたその拳がオレを狙う!


 ドゴオオオ!


「う…うぐっ!」


 嘘…だろ?全く同じ技?

 オレは馴染みのある技で吹き飛ばされていた。

 とっさに腕でガードしたから大したダメージではないけど…これは一体…。


「びっくりしただろ?からくりが知りたいかい?」


 オレが疑問を抱いていると待ってましたって言うタイミングでロアードが高い場所から姿を現す。

 こいつ…どこかでこの戦いを見ていやがったのか…悪趣味な奴…。


「ああ、良かったら説明を頼む…」


「我ら親衛隊は全員タダシの指導を受けている。君の技はみんな使えるんだよ!だから簡単に避けられる!」


「な、何だってーっ!」


 わ、我ながらベタ過ぎる驚き方をしてしまった(汗)。

 つまり洗脳された父さんが彼らを鍛えたって事なんだろう。

 前戦った時にロアードに全く技が届かなかったのも本当はそう言う理由だったのか…。

 同じ技を使えるならその技の返し方を知っていても当然…。

 オレも流石に同じ流派同士の戦いは想定してなかった。


「この圧倒的に不利な状況で君はどう戦うんだい?」


「はっ!技は同じでも早さと威力が違うさ!」


 オレは精一杯の強がりを言った。


「言うねぇ…それじゃあコチラは物量作戦だよ?同じ技を持つ多数の相手を前に君が早さと力でどこまで対処出来るか…これは興味深い…」


 ロアードはそう言って笑う。

 自分はあくまでも高みの見物という訳か。

 いいだろう…これだっていい修行になるさ…。


「そこから見てろよ!このオレの凄さをな!」


 オレは強がりを言う事で自分自身にも暗示をかけていた。

 この戦い、思ったより楽ではなさそうだ…。


「狼牙…」

「狼牙…」

「狼牙…」


「虚空拳!」

「虚空拳!」

「虚空拳!」


 ドガドガドガッ!


 周りの親衛隊員からの一斉攻撃!

 だが!同じ技が来ると分かっていて避けられないはずがないっ!

 オレは奴らの攻撃を紙一重で避けていた。

 この程度なら…行ける!


「残念だったな!ここから反撃だ!」


「ほう?流石に来る技が分かっていれば避けられますか…」


 その様子を見てロアードが笑う。

 その不敵な笑みにはまだ何か奥の手がありそうな含みを感じた。

 だけど、何が来てもオレの本気で全部返り討ちにしてやるっ!

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