第32話 浮遊城
「お前らよくこんなところで眠れるなぁ」
オレが眠い目をこすりながらその声の主を確認する。
ぼやけた視界がはっきりしてくると…何とそいつはロアードだった!
「お、おまっ!」
オレはロアードを指さし声にならない声を上げた。
するとロアードはニヤリと笑って話しかける。
「ようこそ浮遊城へ。どうやって来たかは知らないが歓迎するぜ?」
「浮遊城?まさか本当に?」
「お前さん、ついに極北支部まで破壊したらしいな…全く、お前ららしいぜ」
ロアードはそう言って笑う。
オレ達のやりとりを聞いてレイもゆっくりと目を覚ます。
「何?あれ?ここは…?ゾッドは…?」
その言葉を聞いてロアードは真相を推測した。
「ゾッド?そうか…あいつか。あいつのやりそうな事だ…」
「ゾッドの事を知っているのか?」
オレはロアードにゾッドの事を質問する。
今思えばゾッドは色々と謎だらけだった…オレ達をこの場所に転送したりもするし…。
「アイツは前から怪しかったのさ…実力だけなら四天王に匹敵したんだがな…」
この話しぶりからオレはゾッドの極北支部長の役職は左遷のようなものだと悟った。
そして彼の正体は…きっと父さんの知り合いなんだ。
そうでなかったらオレ達はここにいるはずがない。
「城に用事があるんだろう?入って来るがいいさ。俺は上に報告するから先に行くぜ」
ロアードはそう言って城の方に向かって歩いて行った。
「何よアイツ。感じ悪いね」
レイがそう言ってオレに話しかける。
「一応敵だからそんなもんだよ。それよりもう動ける?」
「動ける動ける!もうすっかり回復したよ!」
「じゃあ、行こうか!」
オレ達は起き上がって体についた埃を払う。
見上げると巨大な城が目の前にそびえていた。
その城は悪夢の城と言うにはあまりにも美し過ぎた。
ここに敵の最強勢力が揃っている。
そう思うと身体が震えてきた。
一歩歩く度に…一歩城に近づく度に緊張感が高まってくる。
パシン!
その時、レイがオレの背中を叩いた。
「いっちょまえに緊張なんかしてるんじゃないよ!」
この刺激でオレの緊張もどこかに抜けていった。
「レイ、有難う」
「な、何よ改まって…」
オレの言葉にレイはどこか照れているようだった。
気が付くと城の扉の前までオレ達は進んでいた。
オレ達を挑発するように城の扉は開放されている。
ロアードの言っていた事は本当だった。
「歓迎…されているのかな?」
ビビったオレは小声でそうつぶやいていた。
「ここまで来たら行くっきゃないでしょ!」
そんなオレとは対照的にレイは自信満々にそう言うのだった。
こう言うレイの強気なところはすごく心強い。
レイと一緒にいるだけで不思議と根拠のない自信が沸き上がってくるのをオレは感じていた。
辺りを十分に警戒しながらオレは城の門をくぐる。
ついに…ついにここまで来たんだ。
後はこの城の主を倒すだけだ。
…出来るかなぁ?
城内部の庭園はとても美しく整備されていた。




