第31話 極北支部長ゾッド 後編(3)
「お互い、出し惜しみはナシにしようぜ?」
オレはゾッドを挑発する。
さて、この誘いに乗ってくるかどうか…。
「面白い…」
ゾッドはそう言って笑うと…オレの前から姿を消した。
物理的に消えたんじゃない…素早過ぎて目で追えないんだ。
予想はしてたけど…こいつは予想以上だ。
目で追えない以上、オレはゆっくりと目を閉じる。
感覚を極限まで研ぎ澄ます…。
感覚を研ぎ澄ますと鋭い気の流れを感じる。
その流れに逆らわないように受け流す。
心を空にして流れに身を任す。
「すごい…ゾッドのあの攻撃を見事に受け流している…」
オレの戦いを見てレイが感心していた。
オレはずっと目を閉じていたからその攻防を自分の目で確認は出来なかったけど。
この感覚に慣れてくると目を閉じていても相手の攻撃の流れが掴めるようになっていた。
ある瞬間、オレは攻撃を繰り出すゾットの腕を掴んでそのまま投げ飛ばした。
ズドォォォン!
攻撃の勢いを利用したその反撃にゾッドも為す術もなかった。
オレは攻撃が成功した後すぐにその場から離れて適度な間合いを保った。
一撃入ったくらいで攻めに転じるとまたどんな攻撃を逆に受けるか分からない。
まだまだここは慎重に行った方がいい。
「なるほど…やりますね」
かなり強烈に打ち下ろしたはずのゾッドはオレが間合いを取った後、すぐに起き上がった。
やはりあの攻撃はゾッドにあまりダメージを与えられてはいないようだ。
一進一退の攻防は続く。
オレが打てばゾッドが返し、ゾッドが打てばオレは返す。
この戦いは永遠に続くもののようにすら思われた。
気を纏わせながらの戦いはかなり消耗するはずなのに何故かオレは疲れを知らなかった。
それはこの戦いの緊張感が精神を異常に高揚させていたからなのかも知れない。
しかし、その戦いの均衡を崩すような出来事が起こる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!
その時、急にこの部屋の床下が崩れ落ちた。
シドウとの戦いでダメージを受けていた建物の壁が崩れたのだ。
その衝撃で極北支部の崩壊が始まる。
この混乱に乗じて復活したレイがエネルギー弾を全方位向けて撃ちまくる。
「倒れろぉーっ!」
ズドドドドドドドド!
建物の崩壊は更に激しくなりやがて極北支部は完全に崩壊した。
あれ?このパターンは前にどっかで体験したような?
ガラッ!
瓦礫の山を吹き飛ばすゾッド。




