第28話 極北支部の用心棒 前編
ガサ…。
オレは地図を広げる。
この断崖を抜けた先は極北エリアの本拠地。
そのまま行けば極北支部の本部が見えてくる。
そして…そこを抜ければ浮遊城。
浮遊城に行くには…。
ぬっ。
またオレが地図を眺めているところにレイが覗きこんで来る。
だから顔が近いって、顔がっ!
「ねぇ」
「うん?」
「極北ってさ、要するに北極って事でしょ」
「多分…」
「でも全然寒くないね」
「それは多分…ここが夢の世界だからじゃね?」
ハァ…。
オレは何だか気が削がれてしまった。
今の実力から言ってこのまま浮遊城に乗り込んだって返り討ちに合うだけだ。
アサウェルからの吉報を待ちたいけど…それよりもまず自分を鍛えないと。
洗脳された父さんがいつまたオレ達の目の前に現れるか分からないし…。
オレが悩んでいるとレイがオレの顔を至近距離で見つめている。
(…え?ちょ?何?)
オレはこのレイの突然の行為に動揺してしまった。
「地図見せてよ!」
「あっ!」
ひょいっ。
オレが動揺していたところでレイに持っていた地図を取られる。
まぁ、別に地図は勝手に読まれても構わないんだけど。
オレから地図をかっさらったレイは楽しそうにくるくる回りながら地図を眺めている。
何で彼女はただの地図にそこまでテンション高くなれるんだろう?
「タダシ様の字、かわいい~♪」
(本当、よく分からんわ…)
オレはため息をついた。
しばらく歩いていると次第に辺りの雰囲気に緊張感が漂ってくる。
どうやら極北支部の警戒エリアに突入したらしい。
「さて、いっちょやりますか」
「腕が鳴るね!」
オレ達は合図をして敵陣へと殴り込みをかける。
戦いの基本は相手が動く前に動く!
勿論相手に気付かれないように動く方法もありだけど今は数多くの実践を経験して少しでも多く腕を磨く事だけを考えていた。
「エネルギー弾乱れ打ちィィィーッ!」
ズドドドドドドド!
まずレイが無差別にエネルギー弾をぶちかます!
彼女の手から放たれたエネルギー弾が雑魚メアシアンをことごとく殲滅する!
それは見ているこっちが哀れに思うほどの圧倒的な戦力差だった。
そしてその様子を見て極北支部からどんどん増援が到着する。
敵の数が増えてさすがのレイの攻撃にも撃ち漏らしが出てくるようになる。
オレはその撃ち漏らした敵担当だ。
中には運良くレイの攻撃に当たらなかった敵もいるが多くはその実力であの攻撃を回避した強者ばかり。
そう言う相手ならオレにとって相手に全く不足はない!
「ろうがー…っ!」
オレは走りながら構える。




