第26話 忘れ去られた研究所(4)
「そもそも、変異体って何なんです?」
「ふん…何も知らんようじゃから教えてやるが…変異体とはそもそもここで生まれたものじゃ!」
「えっ?」
何と、ここが変異体が初めて生まれた場所らしい。
道理で建物に歴史を感じると思った。
その話にオレが感心しているとじいちゃん人形は更に話を続ける。
「変異体はそもそもこの世界で人々の暮らしをサポートする目的で生まれたものじゃ」
「ふむふむ」
「それがある実験でとんでもない化け物を生み出してしまって慌てて封印した。それで場所も移ったのじゃ」
なるほど…化け物を生み出してこの建物を廃棄したのか。
それほどまでの化け物を生み出すなんて…科学?の発展はいつも犠牲と隣り合わせなんだなぁ。
それでその後今は破壊されてしまったあの街に研究所を移転したのか。
そしてその後、時を経てアサウェルが生まれた…夢の世界に歴史ありだなぁ。
あれ?でもそれじゃあその怪物って今もこの建物に封印されているって事?
だとすればその封印されている場所って…オレは確認の為にじいちゃん人形に質問する。
「もしかして…それがあの鍵のかかった…」
「そうじゃ…それでこの建物は存在を抹消した。化け物を悪用される事がないようにな」
なるほど…大体話が繋がって来たぞ。
この元研究所を霧で隠していたのはそう言う理由だったんだ。
だとするとこのおじいちゃん人形がここにいる理由も想像がついて来たぞ。
「で、おじいさんがこの建物を管理していたと?」
「おじいさんではない!ロロスじゃ!…じゃが、つまりそう言う事じゃ」
オレの予想はやっぱり当たっていた。
おじいちゃん人形、ロロスは廃棄されたこの元研究所の管理者だったんだ。
しかしそうなってくるとその化け物についても気になってしまうな。
今も危険なのか…それとも…。その事についても聞いてみよう。
「その化け物はそれから?」
「もう封印すら60年も前の話じゃ…化け物も10年も前に寿命が尽きたわ…じゃが研究されればまた復活もしよう…」
「え…変異体も寿命があるんだ」
オレはその事実にちょっとショックを受けてしまった。
じゃあ、アサウェルもいつかは寿命で…。
そしてオレその言葉を聞いてロロスは激怒した!
「当たり前じゃ!変異体が不老不死だとでも思っとったんかい!」
「全然知らなかった…」
オレはその時傷ついたアサウェルの事を思い出していた。
確かにあの時、ひどい傷を負って彼は死にかけていたんだ。
このロロスの話にオレは厳しい現実を見た気がした。…って、ここは夢の世界なんだけど。
ガサガサ…。
オレ達がロロスと話をしていると玄関で物音がした。
その物音に対してロロスが大声を上げる。




