第25話 悪夢への一本道(2)
「手製の地図だし縮尺が正確どうかは分からないや…うーん」
「ま、道がまっすぐならいっか。歩いていればいずれ着くでしょ」
「だね」
オレ達はそう言って脳天気に進んでいった。
疲れたら適当に休憩して…それにしても長閑だなぁここ。
極北エリアって事になっていたけど敵の気配すらない。
こんなに楽な旅でいいんだろうか?
この道中は楽勝かもなんて安心していたらそうは問屋が卸さないのがこの家業の定石で。
のんびり進んでいたオレ達についに試練がやって来た。
「道が…分かれてる」
「えーっ!」
これは困った。
どうやらこの地図が書かれた以降にこの場所に何かがあったらしい。
多分この分かれ道のどちらかは罠。
もしかしたらそのどっちもが罠かも…。
ずっと一本道だなんてこんな分かりやすいルートもないからね。
「どうしよう?」
「って聞かれても…」
どっちの道を選ぶにもその根拠はないに等しかった。
だとしたら逆にどっちを選んだって問題ないとも言える。
「じゃあ折角だからオレはこの道を選ぶけど?」
「ヒロトがそう言うなら行ってもいいけど…」
レイのその言葉はその責任を全部オレに押し付ける気満々だった。
いいよ、そのくらいのリスク背負ってやんよ!
「じゃあ決まりだ」
オレ達はオレの決めたそのルートを進む事にした。
道を歩いていくと急に霧が濃くなってきた。
「ねぇ、この霧ってヤバくない?」
レイがそう言って辺りを見渡し始めた。
正直、オレも心の中では焦っていた。
「これは下手に動くと危ないかも…」
「ねぇ、どうするの?」
「えっと…」
オレがこの先の行動に判断を迷っていると霧はついにオレ達の周りを取り囲むようになった。
もう至近距離ですらハッキリ見えなくなってしまった。
「これ、道間違ったかもね…」
オレは情けない声でつぶやく。
「馬鹿ーっ!」
そのつぶやきにレイはオレの背中をぽかぽかと叩いた。
その抗議が本気じゃなかったのはオレを気遣ってくれているのかなぁ?
「しかし、うーん、困ったなぁ…」
「しばらくは動かない方がいいよね」
オレとレイは辺りを警戒した。
こんな時こそ精神集中だ。
きっと視界を塞がれても気配で敵を察知出来る…はず…。
しーん…。
こんな時、アサウェルがいたらどうするんだろうな。
アサウェルの事だから多分敵の気配なんてすぐに察知しちゃうんだろうな。
「エネルギー弾で霧を吹き飛ばしちゃおうか?」
その時、レイが画期的な手段を提案する。
その提案はまさに渡りに船だった。
オレにその提案を否定する理由はない。
「そんな事が出来るんだ?やってみて!」
オレの了承を得たレイは手に力を込める。




