第25話 悪夢への一本道(3)
そして大きく振りかぶって周りの霧をなぎ払うように振り下ろす!
「そぉれーっ!」
ブアアアッ!
レイのエネルギー弾がオレ達の周りに立ち込めた霧をなぎ払う。
しかし霧は一瞬晴れたもののすぐに新しい霧がその隙間を埋め尽くしていく。
「ちょっとこれは…」
「うん、不自然っぽいね」
この現象を見てオレ達は敵の存在を予感した。
「どこからか誰かが見てるのかな?」
「ちょっと撃ってみようか?」
レイが手を頭上に掲げる。
これは彼女が全方位にエネルギー弾を打ち出す時の動作だ。
「うん、やってみて」
オレの言葉を受けてレイが一気に頭上にエネルギー弾を打ち出す。
エネルギー弾は上空で四方八方に拡散して辺りを無差別に攻撃する。
さて、これで何か反応があればめっけもんなんだけど…。
ズズゥゥゥ…ン!
エネルギー弾の着弾で若干地面が揺れる。
しかし…だからと言ってこの霧は晴れそうになかった。
そしていつの間にか少し冷たい風が吹き始めていた。
「この霧ってもしかして魔法か何かじゃあ…?」
「魔法…魔法の対処方法なんて分からないよ!」
レイはプチ混乱した。
この足止め、本来の目的は何なんだろう?
だって今のところ敵が襲ってくる気配がないんだから。
まさか周りを霧で包んでオレ達を消耗させようとしている?
「前にゾンビもいたんだし魔法もあるかもよ?」
「や!今ゾンビの話はやめて!」
オレの軽口にレイは本格的に混乱状態に。
ヤバイ、ちょっと言い過ぎたかも。
でもこれ以上それ系の話題を口にしなければいいかな?
そしてまた無駄に時間が過ぎていく。
しかしここでこうしてじっとしているのも…何て言うか…暇だ。
どうせ暇なんだったら技の鍛錬でもしようか。
そう思ったオレは思いつく限りの技の鍛錬をその場で始める事にした。
はっ!
「狼の型!」
ぶわっ!
演舞で体を動かす度に霧が吹き飛ばされていく。
「龍の型!」
ぶわっ!
「虎の型!」
ぶわっ!
「鷹の型!からの~」
次の瞬間オレはその場でジャンプする。
アサウェルとの修行で鍛えた俺の脚力は本気を出せば地上100mにも達する。
さすがに上空100mまではこの霧も届いていなかった。
すぽっ!
ジャンプによって霧の塊から抜け出すと眼下に霧に包まれた景色が見える。
「あっ」
上空から見下ろしたその景色に霧の発生源が見て取れた。
今オレ達がいる場所から大分離れたその場所に見慣れない機械があってその機械がこの霧を発生させていた。
つまりあの機械を破壊すればこの霧も消えてなくなる…はず。
ああ、最初からこうしたら良かったんだ。




