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第23話 操られた父(3)

「さあどうするよっ!」


 父さんの手から桁違いのエネルギー波が放たれる。

 それはレイが放つそれよりも数倍威力の高いものだった。

 もしこんなのが直撃したら…!


 カッ!


 ズドォォォン!


「う…」


 オレ達は無傷だった。

 強烈なエネルギー波は辺りを黒焦げにしたがその破壊はオレ達を襲わなかった。


「な、何故だ…何故お前がこんな事を…」


 攻撃を放った父さんが動揺している。

 オレ達をかばって父さんの攻撃を一気に受けたのはアサウェルだった。


「何故って…彼らは最後の希望で彼を守る事は君の望みでもある…」


「な、何を言って…」


 父さんの一撃をまともに受けたアサウェルはその場で倒れてしまった。

 さすがのアサウェルも父さんのあの一撃をまともに食らっては無事では済まされない…。


「アサウェルッ!」


「ヒロト…このくらいは平気です…どうか心配なさらぬよう…」


「何が大丈夫だよっ!ボロボロじゃないかっ!」


 倒れるアサウェルを抱きとめながらオレは叫んだ。


「父さん!父さんはアサウェルが本当に分からないの!父さんの親友なんだよ!」


「う…さっきからお前は…お前は何を言っている?俺に親友など…うああああっ!」


 オレの言葉に反応したのか父さんは急に頭を抱えて苦しみだした。

 もしかして…父さんにかかった洗脳が解けかけている?

 もしかしたらチャンスかも知れない…オレは父さんに呼びかけを続ける事にした。


「父さん!オレ、息子のヒロトだよ!父さんに頼まれてここまで来たんだ!」


「ううううう…やめろ!頭に…響く!」


「父さん!正気に戻ってよ!いつもの父さんに戻ってよ!」


「や、やめろおおおっ!」


 ついにオレの言葉に父さんは反応して頭を抱えて苦しみだした。

 間違いない!これは効いている!効果は抜群だ!

 よし、もう一声っ!


「とうさっ…」


「そこまでにしてもらおうか!」


 オレの説得を中断させたのはロアードだった。

 こいつ!いつからここにっ!


「ふん、いつからいたんだって顔だな…俺はずっといたさ。番長を洞窟の送り届けたのもこの俺だ」


「何っ!」


 どうやらロアードはオレ達と父さんの戦いを最初からずっと何処かから眺めていたらしい。

 な、何て悪趣味なやつなんだ。


「おかげでいいものが見れたよ、君達に感謝しよう。だがこれ以上はいけないな」


 ロアードは全て分かっていたんだ。

 それでいて自分は加勢せずにこの戦いを見物していた。

 つまりそれはオレ達の戦力が敵にとって脅威ではないと判断されているって事。

 な、なめやがって…っ!否定は出来ないけど…(汗)。


「父さんをどうする気だっ!」


「番長は魔法が解けかけているからね…もう一度ちゃんと魔法を掛け直さないと」


「そ、そんな事はさせないっ!」


「また会おう、ヘタレ息子君」


 そう言うとロアードはニヤリと笑って父さんを抱えたまま姿を消してしまった。

 ここまで来て…やっと父さんと会えたって言うのに…。

 もうちょっとで手の届く所まで来ていたのに…。


 後少しのところで敵に父さんを奪い返され、オレ達に残されたのは大きな敗北感と無力感だった。

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