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第16話 破壊された街 前編(2)

 生き物がひとつもない景色はそれが夢の世界だとしてもやっぱり不気味だった。

 たまに悪夢でそう言う夢を見る事があるけど…悪夢の支配した街を具現化したらこうなるのかな。


「何か近代兵器みたいなもので破壊されたのかな?」


 オレはこの惨状を見てつい口走ってしまった。


「飛行機もミサイルも飛んでないのに?」


 オレの言葉にレイが反応する。


「これからそう言うのが飛んでくるかもしれないじゃないか」


「だとしたらあなたお手上げね…あなた接近戦しか出来ないし」


 う…このレイの返しにオレはぐうの音も出なかった。

 ここは夢の世界だけれどネットもスマホもある世界だ…この間は銃も出てきた…近代兵器だって出てきておかしくない。

 けれどそんなのが出てきたら格闘戦なんてどれだけの意味があるだろうか…まだ銃の腕を磨いた方が役に立つくらいだ。


「安心してください、この破壊はそんな武器によるものじゃありません」


 オレとレイの会話にアサウェルが割って入ってきた。

 彼の話によるとどうやらこの破壊は近代兵器のよるものではないらしい。

 だとしたらこの破壊は一体何が原因で?


「それは数人の精鋭の力です」


「たった数人がこのレベルの破壊を?」


「ええ…四天王です」


「やっぱりそんな存在がいるんだ…」


 アサウェルは過去にオレの父さんと一緒にその四天王と対峙し、見事彼らを退けたらしい。

 街を破壊し尽くすその四天王もすごいけどそれより強い父さんとアサウェルって一体…(汗)。


「つまりその時の腹いせって部分もあったのでしょう」


「近代兵器レベルの破壊力を持つ四天王なんて太刀打ち出来そうにないよ…」


「大丈夫、君は父親の力を受け継いでいます」


 アサウェルはそう言ってオレの方を見た。

 オレはこれまで以上の修行メニューの強化を想像して顔が青くなっていった。


「良かったね!期待されてるじゃん」


 その様子を見てレイが茶々を入れる。

 こいつ…人事だと思って…。


「それでアサウェルはどこに向かっているの?思い出の小学校とか?」


「きっとここにはまだヤツラが潜んでいます…それを確認しているんです」


「えっ?」


 アサウェルの言葉を聞いてオレは急に不安になって周りを見渡した。

 しかし周りを注意深く見渡してもそこには破壊された瓦礫の街並みしか確認出来なかった。

 人気がない事を確認してオレはほっと胸をなでおろした。


「あらぁ?敵がいないのを確認して安心した?」


「そ、そんな事は…っ?」


 その様子を見てレイが茶々を入れる。

 いちいちオレの行動を突っ込まないでくれよ…。

 …図星だけどさ。


 アサウェルは放棄された敵北部支部に向かっていた。

 そこにもしかしたら父の手がかりがあるかも知れない。

 オレ達もその行動に異存はなかった。


「でも、思い出の場所とか見ておかなくていいの?」


「それはこの世界に平和が戻ってからで構いません」


「そっか」


 そんなアサウェルとオレの会話を聞いていたレイがふと恐ろしい事を口走った。

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