表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/127

第15話 断絶の港

「此処から先は…もう後戻り出来ませんよ…」


 アサウェルがいつにもなく真面目な顔でそう言った。

 目の前にはいかにも不穏な海が広がっている…ボスの住むエリアが近付いている感じがズンズンと伝わって来た。

 そう、この夢世界にも海があったんだ。

 北部エリアを少し進んだこの場所から先は船で次の陸地に進む必要がある。

 情報によれば海を渡った先はすでに敵に占拠されているらしい…今までとは危険度が段違いだ。

 けれど…その分今までに入らなかった情報が入手出来る可能性も高まってくる。

 物語的に言えばクライマックスに入る序章と言ったところだろうか…。


「ビビリ君はもうちょっと修業が必要なんじゃない?」


 レイがオレに向かって軽口をたたく。

 前の戦闘で苦戦したオレは何も言い返せなかった。

 しかし…彼女も一体何なんだよ…。



「私はタダシ様に救われたの!」


「え…」


 ドン引きするオレ…。

 いきなり自分の親を様で呼ばれたら誰だって引くよね…。


 オレ達はネットの国の悪の事務所を壊滅させた後、次の目的地へと向かっていた。

 そこで話は当然のようにレイの事になっていく。


 レイは幼い頃にこの世界に迷い込んで悪い奴に捕まりそうになったらしい。

 人間でこの世界に迷い込めるのはとんでもない能力を秘めているとかで

 夢世界の悪党からはかなり注目されてしまうらしい。


「私ってその頃はまだ幼稚園児で何にも出来なかったの」


「そこを父さんが助けてくれたんだ…」


「そう!あの人こそ本物のヒーローよ!」


 レイの父さんへの心酔ぶりはちょっと痛いくらいだった。

 確か今から10年位前は父さん格闘家を引退して冒険家になった頃かな。

 あの頃は父さんのファンが沢山家にやってきて対応が大変だったなぁ…(遠い目)。


「タダシ様に助けてもらった私は一生懸命腕を磨いたの!いつかお役に立てる日が来ると信じてね」


「で、父さんが倒された前の戦いには修行に夢中になっていて間に合わなかったと」


「だから悔しいんじゃない!私はタダシ様がそんな戦いをまた挑んでいる事すら知らなくて…」


 レイが気迫のこもった顔で力説する。

 本当に父さんの事を尊敬しているんだなぁ。


「アサウェルはレイの事知ってたの?」


「いえ、初耳です。タダシはこの世界に迷い込んだ人間を日課のように助けていましたから」


「だってさ」


「さすがタダシ様!当たり前のようの人助けをするなんて素晴らしい!」


 まぁ父さんにとって体を動かすのが趣味みたいだったし人助けはついでみたいなものじゃないのかなぁ?

 でもこの事はレイには言わないでおこう。

 折角の彼女の幼い頃の美しい思い出を壊してもいけないしね。


「でもあなた!タダシ様の遺伝子を引き継いでいるのにあの体たらく!失望よ!」


(失望…確かアサウェルに初めて会った時もそう言われたっけ…何でオレにそう勝手に期待するんだよ…)


「大器晩成型なんだよ…多分」


「本当、そうあってくれないと困るんだから」


 何がどう困るのかよく分からなかったけど彼女の実力は本物だ。

 ここはうまく機嫌をとって…その必要はないか、彼女は進んで仲間になってくれたんだし。


「でも本当にすごいね…エネルギー弾が撃てるんだから」


「でしょ?これで絶対タダシ様を助け出すんだ」


 話を詳しく聞くとレイのこの技は独学らしい。

 某漫画に影響されて真似をしていたら出るようになったんだって。

 流石夢の世界!イマジネーションは力になるね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ