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第14話 ネットの国 後編(3)

 シュッ!

 シュッ!シュシュッ!


 バンッ!

 バンッ!


 オレは何とか事務所ボスの銃撃を避けていた。

 感覚に任せて何も考えずにただ素早く移動していた。

 きっともっとスマートな避け方もあるんだろうけどそんなの全く閃かなかった。

 そしてこの方法はむっちゃ体力を消耗している。

 事務所ボスももうオレが疲れて動きが鈍くなるのを待っている状態だ。

 ヤバイ…持久戦になったら確実に撃たれてしまう…でもどうしたらいいんだよおおおう!(涙)


 ガクッ!


(ああっ!)


 余りに不規則な動きで高速移動していたからかつい足が絡まってしまったっ!不覚ッ!


「終わりだ…馬鹿め!」


 事務所ボスの構えた銃の銃口がオレを見定めて引き金が引かれる…。

 敵にとっての絶好のチャンスをそりゃあ見逃す訳はないよね…(汗)。

 ああ…死を覚悟した瞬間ってどうしてこんなに時間をゆっくりと感じるんだろう…。

 この感覚のまま身体も素早く動いたらいいのに…。


 カチリ…


 うああああああ…っ


 バァン!


 オレはその瞬間身を縮めて防御の姿勢を取っていた。

 そう、誰だって危険を感じたらするあのポーズだ。

 こんな事をしても大して意味は無いと分かってはいたけど…気が付くとそうしていたんだ。


 ああ…さよなら夢の世界

 ああ…さよならもしかしたらオレの人生そのもの


 しかし…オレが死を覚悟したその瞬間、その銃弾がオレを貫く事はなかった。

 銃弾は明後日の方向に発射されて壁に穴を開けていた。


「うがあああああ!」


 ドサッ!


 一瞬何が起こったか分からなかった。

 一つだけ分かったのはオレがまだ無傷だと言う事。

 い、一体何が起こったって言うんだ?


 叫んでいたのはオレじゃなくて事務所ボスの方だ。

 断末魔の叫びを上げた事務所ボスはその場に倒れ込んでいた。

 致命傷かどうかは分からなかったけどしばらく戦闘不能になったのは間違いなかった。

 それは…つまり誰かが事務所ボスに攻撃したって事。

 けれどアサウェルはホルルってヤツと未だに激戦中でそんな余裕はない。

 この場所にいない誰かがオレを助けてくれた?

 まさか、敵の中に裏切り者が?


 オレは周りを見渡した…雑魚メアシアンは全員オレが倒している。

 そしてそいつらはずっと倒れたままだった。

 と言う事は…まさか…窓の外から?

 オレはオレと事務所ボスを結んだ線上を延長する方角を確認する。


(誰かいる!)


 オレは目視出来るギリギリの距離の場所に誰かがいるのを確認した。

 アレは敵なのか…味方なのか?

 巨大な悪の組織が一枚岩じゃないのはよくある設定ではあるけれど…オレは出来れば味方であって欲しいと願っていた。

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