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女神と七人の道化師  作者: あすてり(制作協力:えりさ)
第1章 幻想大陸編
2/5

月光都市メイア・ルーア①

ウヌガンスドグォンヌ!!


物凄い轟音が響き渡り、その音で俺は目覚めた。


俺の名はアスド。この大陸群『幻想大陸』を渡り歩く冒険者だ。


今は幻想大陸に存在する二つ首都のうち一つ、

『メトロプラネタリウム』の南方のリブラ街道から、

衛星軌道エレベーターに乗って大気圏よりはるか上空に建造された街

『月光都市メイア・ルーア』に滞在している。


アスド > 何だ何だ!どこか戦争でもおっぱじめたのか!?

アスド > ってテンプレだな俺の第一声!!


アスドは急いで部屋を離れ、広場の展望エリアに駆け付けた。


アスドは魔法を詠唱している…


アスド > Eagle eye


アスドの目の前に地上の様子が映し出される。


アスド > 何だいありゃあ…。


アスドが目にしたものはエレベーター直下近辺の施設

『旅の図書館』よりやや北方、

リブラ街道の中央に出来た直径約100m程度のクレーターと、

そこから噴き上げるこの世のモノとは思えない程のドス黒い煙だった。


後にこれが幻想大陸全土に恐怖を与える

DDS(ドリッピングダークスフィア)現象として知れ渡るのはまだまだ先の話である。


隣の男 > …まーたDDS現象か。

隣の男 > この規模だと世界間の魔力接続に影響が出るんじゃないか?


アスド > 言ってんじゃねえかよ!!


隣の男 > ん?何か言ったか?


アスド > 言ってんじゃねえかよ!!!!


隣に居た男の名はMr.ソバット。

自分の正面に立つ者をソバットで容赦無く外気圏に蹴り落とす行為を続けている。

それ以外は至って普通の男だ。


別に蹴り落とされたからといってその者が大事に至る訳では無い。


この月光都市はシャボン玉のような柔らかい球体の魔力障壁に包まれていて、

その中では地上世界と同様の生活が可能となっている。


そして膜から出た者をも瞬時に包み込み、

外気との摩擦熱や落下時の衝撃を大幅に緩和する仕組みがある。


その為刺激を求めてこの都市からダイビングする者が後を絶たないとか。


…だがそんな事はどうでもいい。

気になるのはあのクレーターから噴き上げる黒い煙…


では無く、何故Mr.ソバットが

片足だけスリッパを履いていてもう片方は裸足なのかという事。


アスドは恐る恐るMr.ソバットにスリッパの秘密について尋ねた。


Mr.ソバット > あぁん?俺のスリッパが何故片方だけかって?

Mr.ソバット > 今この広場のゲートから上空に位置している

Mr.ソバット > ISS(宇宙ステーション)に魔力転送出来るだろ?

Mr.ソバット > 俺はそこの展望バーで酒をかっ喰らっていたんだ。

Mr.ソバット > それでそのまま酔い潰れて寝てしまい、気が付いたらこのザマだ。

Mr.ソバット > 誰かが寝ている隙にスリッパを片方だけ持って行っちまったんだ。

Mr.ソバット > このままじゃソバットもロクに出来ねぇ。

Mr.ソバット > お前、代わりのスリッパを取ってきてくれねぇか?(y or n)


アスド > n


Mr.ソバット > シェギェァァア!!


Mr.ソバットは奇声を上げ、アスドをソバットで月光都市から蹴り落とした。


---------------------------------------------------------------------------


《一方その頃・月光都市直下の地上公園》


3人の男女が公園の広場で戯れている。


ひであき > 来い!キャシー!俺が全て受け止めてやる!!


キャシー > …ヒデアキサン!!


主審 > ………。


ヒュゥゥゥウ!!


上空から落下したアスドはひであきに激突し、弾みでキャシーにも激突。

そのまま公園の小さな泉に突っ込んだ。


ひであき > バヌガッ!


キャシー > ボグエッ!


主審 > GOOOOOOOOOOOOL!!!!!!


---------------------------------------------------------------------------


《数時間後》


アスド > …持って来たぜ。


アスドは道中で入手したスリッパを手渡した。


Mr.ソバット > ご苦労。サイズが違うがまあ良し。

Mr.ソバット > 実はお前がスリッパを手に入れている間、

Mr.ソバット > 酔っていた時の事を少し思い出したんだ。

Mr.ソバット > 確か俺は展望バーでツレと二人で飲んでいたんだ。

Mr.ソバット > そう、ひであきだ!犯人はアイツに違えねぇ!!

Mr.ソバット > ちょっと行って来て問いただしてくれねぇか?(y or n)


アスド > n


Mr.ソバット > ウヌムポイッチュ、シェギェァァア!!


---------------------------------------------------------------------------


《以下略》


アスド > …という訳なんだ。


ひであき > スリッパ…知らないなぁ。

ひであき > ところでここに睡眠薬入りのコーヒーがあるんだが飲んでみないか?


アスド > ああ、随分と動き回って喉が渇いていたんだ。助かるよ。


アスドはコーヒーを飲んだ。


アスド > …しまった!このコーヒー、睡眠薬入りだ!!


ひであき > ほうら、気持ち良くなって来ただろう…?


アスド > なんだか…頭が…フラフラ……


ドサッ…アスドは寝た!


ひであき > クク…我らがスリッパ片方教団に栄光あれ…。


---------------------------------------------------------------------------


なんと卑劣な罠にかかってしまったアスド!!

果たしてアスドの運命は!?

そしてひであきとキャシーの恋の行方は!?


『愛と哀しみの片道スリッパ《中編》』につづく


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