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希望通り婚約破棄したのになぜか元婚約者が言い寄って来ます  作者: Karamimi


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第20話:色々とうまく行きません

 エヴァン様に見送られ、屋敷に帰って来た。今日は無性に疲れたわ。そのまま自室に向かい、お茶を飲んで休憩しようとしたのだが、すぐに晩御飯の時間になってしまったため、食堂へと向かった。


「ルーナ、今日は随分と疲れた顔をしているわね。大丈夫?」


 心配そうにお母様が話しかけてきた。


「ええ、大丈夫ですわ。ただ…今日急にエヴァン様に話し掛けられて、それで謝罪を受けたの。どうやらエヴァン様はナタリー様の嘘を鵜呑みにして、私に冷たくしていたみたいで…」


「そう、実はね。ここ1ヶ月、ずっと我が家にエヴァン様が訪ねていらして…ただね、私たちはルーナの気持ちを何よりも大切にしたいと思っているの。だから、エヴァン様の事が嫌ならそう伝えてもらっても構わないわ。あなたはこの1年、本当に傷ついたのだから。家の事は気にせずに、自分が後悔しない様に行動しなさい」


 お母様が優しい眼差しで私を見つめてくれている。お父様も大きく頷いている。


「ありがとうございます。私、今日エヴァン様の話を聞いて、私には一切事実確認をせず、ナタリー様のいう事を鵜呑みにしていたことがショックでした。私はエヴァン様に全く信用されていなかったのだと…だからこそ、エヴァン様とまた婚約を結び直すという事が考えられなくて…」


 私の事を嫌っているナタリー様の言葉を鵜呑みにしたエヴァン様が、どうしても信じられない。彼とだけは、もう未来が見えないのだ。


「ルーナ、可哀そうに。あなたの言う通りよ。結婚とは、相手との信頼関係のもと、成り立っているものなの。だからあなたがエヴァン様を信用できないのであれば、もう結婚は無理よね。幸いあなた達は既に向こうの強い希望により婚約破棄しているのだから、あなたは大きな顔をして新しい婚約者を選べばいいわ。そうね、身分的にはアイザック殿下なんてどうかしら?あっ、でもアイザック殿下は少し自分に甘いところがあるからね」


 あそこの令息はちょっと頼りないし、あそこの令息は女好きだし…と、真剣な顔をしてお母様が呟いている。


「もう、お母様ったら。でも、ありがとうございます。とにかく今は、少しゆっくりしたいですわ。この1年、本当に振り回されましたので…」


「そうね。それがいいわ。もしまた少し休息が必要になったら、ミシェルちゃんと一緒に、領地に行きましょう」


「そうできると嬉しいですわ。でも今度はお兄様が許してくれないのではなくって?あの人、お義姉様がいないと生きていけない人ですもの」


「…そうね…本当に誰に似たのだか」


 チラリとお母様がお父様の方を見ている。お父様とお母様、お兄様とお義姉様、私は夫婦仲が良く、お互い信頼し合っている夫婦に囲まれて生きて来た。その為私も、2組の夫婦の様な夫婦生活を送りたい。その為にも、婚約者は慎重に選びたいのだ。幸い両親は、自分で婚約者を選んでもいいと言ってくれている。それが私にとってありがたい。


 私も今のうちに真剣に殿方と交流を持たないとダメよね。ただ…殿方がグイグイ来るから、どうしても引いてしまうのだ。でも逃げていてはダメよ。私も頑張らないと!


 翌日、いつもの様に制服に着替えて馬車に乗り込んだ。今日はしっかりと対応をしないと…そう思って馬車から降りたのだが、たくさんの令息が待ち構えていた。そこには、エヴァン様の姿も。やっぱり、無理だわ!


 そう思い、いつものスマイルで令息たちが油断した隙に、エマと一緒に急いで教室に向かう。今日も無事逃げきれた様ねって、それじゃあダメなのよ!私はもう、エヴァン様と婚約を結び直すつもりはないのだから、殿方たちと交流を持たないといけないのに!


 ついため息が出てしまう。


「ルーナ、大丈夫?今日から令息集団の中に、エヴァン様も加わったものね。さらに厄介だわ…」


 エマがポツリと呟いた。


「エマ、いつもありがとう。エヴァン様と話をしていたみたいだけれど、大丈夫だった?」


「ええ、私は大丈夫よ。ただあの男、やっぱりあなたの事、諦めていない様ね。とにかく私も協力するから」


「ありがとう、いつもごめんね」


「いいのよ、私達、親友でしょう」


 いつも私はエマに助けられてばかりだ。私もいつかエマを助けられる様になりたい。


「今日も令息たちに色気を振りまいて、本当に嫌な女ね。もしかしてエヴァン様と婚約破棄をしたのも、もっと魅力的な殿方と婚約を結び直すつもりではなくって!例えば、ハドソン様とか」


 私達の話に入って来たのは、ナタリー様だ。相変わらず私を親の仇の様に、睨みつけている。


「ナタリー様、どうしてそんな酷い事をおっしゃるのですか?そもそもあなた様がエヴァン様をそそのかして、エヴァン様がルーナと婚約破棄する様仕向けたのですよね?」


 すかさずエマが反論する。


「何を言っているの?適当な言いがかりは止めて頂戴!私は次期王妃になるのよ。それなのにこの女!」


 怒りに身を任せて扇子をエマに向かって振り上げた。


 危ない!

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