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助かった

崩れかけた出口から飛び出す。




背後では、 まだ瓦礫の崩れる音が響いていた。




子ども

「う、うぅ……」


ユズハラ

「もう大丈夫やで〜」




その時。




遠くから、 慌てた声が聞こえた。




母親

「——いた!!」


父親

「無事か!?」




子どもの両親が、 駆け寄ってくる。




子ども

「うわぁぁん!!」




母親

「よかった……! 本当によかった……!」




母親は泣きながら、 子どもを抱きしめた。




父親

「ありがとうございます……! 本当に……!」




ユズハラ

「気ぃつけや〜♪ 立ち入り禁止には理由あるんやで?」




父親

「はい……本当に……」




何度も頭を下げながら、 親子は街道の方へ帰っていった。




静かになる。




その横で。




ジンヤは壁にもたれ、 面倒くさそうに肩を押さえていた。




革ジャンは破れ、 血が滲んでいる。




ユズハラ

「……あんた、 怪我大丈夫かいな」


ジンヤ

「これくらい、 どうってことねーよ」


ユズハラ

「いや普通に痛そうやけど」


ジンヤ

「それより」




ジンヤは手を差し出す。




ジンヤ

「水晶貸せ」


ユズハラ

「嫌や」



即答。



ジンヤ

「お前なぁ……」




ユズハラは、 更待月の水晶をぎゅっと抱え込む。




ユズハラ

「……けど」


ジンヤ

「?」


ユズハラ

「あんたには、 助けられた借りがあるなぁ」


ジンヤ

「……」


ユズハラ

「わかった。 しゃーない」




ユズハラは渋々、 更待月の水晶を差し出した。




ジンヤ

「最初からそうしろ」




ユズハラ

「そのかわり♪」




ジンヤ

「あ?」




ユズハラは、 にやりと笑う。




ユズハラ

「ジンヤはんには、 これから色々情報もらいたいわ♪」




ジンヤ

「は?」




ユズハラ

「未来見えるんやろ? そんなもん、 商売に使わんとか宝の持ち腐れや♪」




ジンヤ

「使わねぇって言っただろ」




ユズハラ

「ほな、うちが使ったる♪」




ジンヤ

「勝手に決めんな」




ユズハラ

「いつでも連絡取れるようにしてや♪」




ジンヤ

「……は?」




ユズハラ

「逃がさへんで〜♪」




ジンヤは深くため息をつく。




ジンヤ

「……やっぱ最悪だ」




その横で。





モフリオン

「もふ〜♪」





ジンヤ

「なんで嬉しそうなんだよ、 モフリオン……」





夕暮れの街道に、 呆れたような声が溶けていく。





——またひとつ、 不思議な縁ができたようだ。

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