橋完成後
――橋、完成後。
ディジル
「……終わったな……」
その場に、どさっと座り込む。
イネリア
「腰が砕けるべ……」
フワン
「手が……震えてます……」
アマリュウ
「……悪くない出来だ」
みちる
「つ、疲れたぁ……!」
その場にぺたんと座る。
モフリオンたち
「もふ〜……」
全員、ぐったり。
ユズハラ
「いや〜、ええ橋できたやん♪」
ケロッとしている。
ディジル
「お前だけ元気なのなんなんだよ……」
タツゾウ
「……」
橋を、じっと見ている。
弟子たち
「棟梁……!」
おそるおそる近づく。
弟子たち
「すみませんでした!!」
全員、頭を下げる。
タツゾウ
「……」
しばらく沈黙。
タツゾウ
「……おめぇら、体調は大丈夫なのか」
弟子たち
「はい!!」
タツゾウ
「一体何でまた一斉に腹壊したんだ……
どうせ、みんなでその辺に生えてるもん、つまみ食いでもしたんだろ。まったく……」
弟子のひとり
「……棟梁が珍しく作ってくれた鍋を、みんなで食べた夜から急に腹壊しちまって……」
無事だった弟子
「……あ、自分だけ無事だったのは、その日休んでたから…?」
一瞬、間。
ディジル
「タツのせいじゃねーか!!何入れたんだよ!!」
タツゾウ
「……!!やっぱりあの熟成粘着キノコはだめだったのか……?隠し味だったんだが……」
弟子たち
「……!!」
イネリア
「だめに決まってるべ!!」
タツゾウ
「……わりぃ……似合わねぇマネはするもんじゃねぇな……」
タツゾウは、バツが悪そうに頭をかく。
弟子のひとり
「棟梁ぉぉぉ!!」
泣きながら飛びつこうとする。
タツゾウ
「うおっ!?やめろ!!」
ドンッ――
そのまま全員巻き込んで転ぶ。
ディジル
「うわっ!?巻き込むな!!」
イネリア
「ちょ、押すなべ!!」
フワン
「わわっ……!」
みちる
「わぁっ!?」
モフリオンたち
「もふーーー!!」
上からぽふぽふ降ってくる。
ユズハラ
「なんやこれ、えらいことになっとるなぁ」
笑って見ている。
アマリュウ
「……平和だな」
ぽつり。
全員、ぐちゃぐちゃのまま止まる。
ディジル
「……なぁ」
みちる
「うん?」
ディジル
「これ、俺らいなかったら無理だったよな」
イネリア
「間違いないだべ!」
フワン
「はい……!」
みちる
「……うん」
ちょっと嬉しそうに笑う。
タツゾウ
「……当たり前だ」
全員が見る。
タツゾウ
「一人じゃ橋はできねぇ」
少しだけ、間。
タツゾウ
「だから、仲間がいる……ありがとうよ……」
静かに言う。
ユズハラ
「ええこと言うやないの〜♪」
ディジル
「誰だよ最初“気ぃ抜いたら落ちる”とか言ってたの」
タツゾウ
「気ぃ抜いたら落ちるのは本当だ」
真顔。
全員
「こわっ!!」
モフリオンたち
「もふ〜♪」
夕日が橋を照らす。
完成した橋の上を、風が通り抜けた。




