第21話 久々の平穏
昨日300pvを越えて嬉しかったので頑張って書き上げました。
§ 第21話 久々の平穏 §
あの事件以降生徒が消息を絶つという事件は起こらなくなったけど犯人はまだ捕まってないから油断だけはしないようにしないと。
「これで一段落着いたからしばらくは安心だな」
「そうだね。で、それはいいとして……近くね?」
そう言ってるユムの視線の先にはナズナがナギの隣に座っている光景。それだけならいいのだが、近い、あまりに近い。少し体を傾ければ触れてしまうほど近い。
「だよね? やっぱ俺間違ってないよね?」
「そ、そんなことないわよ!」
「全くナズナったら素直に言いなさいよ〜、私は〜、ナギくんのことがすk……」
「異能解放!! 【氷獄】!!」
「ごめんなさいごめんなさい!! 許してください!」
ナズナの異能である【氷獄王】でルナの下半身を一瞬で凍らせる。
「誰が誰のことをなんだってルナ? ん?」
「なんでもないです……ごめんなさい」
「分かればよろしい」
(こええええええ!! ナズナだけは絶対怒らせないようにしよう……)
「それよりなんでここに呼んだの?」
ここというのも、ここはヴァーミリの中庭にある5人がけのテーブル。中央には花が置いてあり、夕日が差す時間なのもありとても綺麗に映えている。
「そうそう、ガウェインも呼べって話だったけどあいつはあいつで用事があるみたいだし」
「あ、そうだった……近々対校戦があるでしょ? それに出たいから実力を示しときたいなーって思って」
「対校戦! 確か各学園の数名のチームで行うトーナメントだったよね。確か優勝校のメンバーにはできる範囲で全ての願いが叶えられるっていう」
全ての願いだと? ……ガンドルフさん、いい返事が出せそうです。
「なるほどね、それで何をして実力を示すつもりなの?」
「そろそろマザーで武闘大会があるから一緒に出てみない?」
「武闘大会か……俺らみたいな学生でも出れるのか?」
「もちろんよ、ただルール無しだから出てみたいって学生はあまりいないけどね。毎年生死を彷徨ってる人がいるみたい」
なんでもアリ!? 仮にも催し物なんだからなんかルールつけとけよ……
「その大会聞いたことある……なんでも毎年同じ人が優勝してるらしいぜ。ナズナちゃんには悪いけど俺はパスかな」
「毎年優勝してる人が……へぇ」
「ナギ?」
「ユム……出よっか」
「は!?」
「どんなやつか気になるじゃん?」
「そんなん1人で行けば──」
「ボソッ………………」
ユムに耳打ちで何かを伝える。
「……なに!? ナズナちゃん俺、出ることにした」
「え、えぇ、どうしたの急に?」
「い、いやなんでもないよ? なぁナギ?」
「なんでもないよ〜」
「そう? まぁ2人も出てくれるなら心強いし嬉しいわ。また追って連絡するわね」
「おっけー、じゃあ俺らは戻るけどどうする?」
「ナズナとこれから出かけるから私たちのことは気にしないでいいよ」
「そういうことなら先に失礼するよ、楽しんできて」
「そんじゃ俺も帰るとするか、一緒に帰ろうぜー」
「家正反対だろ……」
と、ふざけながら校舎の中へ消えていく2人。
「……いい子じゃんナギくん」
「ばっ! いい子ってどういう事よ!」
「いやぁ? 彼ならナズナを任せれるなあって思っただけだよ、盗ったりしないから安心しな」
「だからそんなんじゃ……もういい!」
「なに? 怒った? 怒った顔も可愛いねえ〜」
「異能解放!」
「わあああ! 待って! ごめん、謝るから! うあああああああ」
その後中庭に響く悲鳴はしばらく止まなかった。
◇
「くそー、いい所で邪魔されちゃったなぁ」
ヴァーミリのとある一室で黒ローブを来た男が呟く。
「声とか身長弄ったからバレてはいないんだけど……あーやらかした」
黒ローブを脱いで、喉に付けた変声キューブを外し、身長を誤魔化してたキューブも崩すと、そこには入学したばかりの学生スリィが立っていた。
「ナギ・ロード、確か試験でError出してた気が……ははっ、面白くなってきた」
何事も無かったかのようにスリィが教室から出るとちょうど教師と鉢合わせる。
「おい、スリィなんだその仮面は」
「あぁこれですか。今日家で仮装パーティがあってですね、待ちきれなくて」
「楽しみなのはいいことだが、学園内に無駄な物持ってくるんじゃないぞ」
「はーい」
「お、スリィ探したぞ! どこ行ったんだよ!」
「ごめんごめん、ちょっと忘れ物取りに行ってて」
「しっかりしてくれよな〜? ほら早く行こうぜ、あそこの店人気だからさ」
「ちょっと、速いってばー」
学園に潜む影には誰も気づかない。
★5評価、感想、ブクマでモチベ上がるので良ければお願いします。




