高校生編 37話 ~遥の告白~
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俺が学校の中庭にあるベンチで待っていると、遥を連れて啓介が戻ってきた。
「アニキお待たせしました」
「・・・」
遥は何となく事態を察したのだろう。
それまで楽しく啓介と話しながら歩いていた表情が一変して黙り込む。
俺は2人にベンチへ座る様に促す。
少し落ち着いたのを見計らって俺から話を始める。
「赤城さん、話は全て野村から聞いた。どうしても気になる事があったから啓介に頼んできてもらったんだ」
「・・・ごめんなさい」
「君がしてきた事は確かに悪いことだ。だが君だけを責めるのは間違っていると俺は考えている。もし反省の気持ちがあるのなら、俺の質問に答えてくれないか?」
「はい・・・」
俺は遥にいくつか気になっていた質問をする。
「まず初めに聞きたいんだが、なぜ啓介と付き合う事にした?」
「それは・・・」
「野村からの指示では無い事は知っている。であればなぜ啓介を狙った?」
「狙った訳じゃない! ・・・そうじゃ・・・無いの」
遥は今にも泣きそうな表情で俺の言葉を否定する。
俺は質問を続ける。
「じゃあなんで啓介と付き合う事にしたんだ?」
「遥さん、正直に話してほしい!」
啓介の言葉にハッとした表情を浮かべた遥は、ゆっくりと話し始めた。
「私を守ってくれる人を探していたの。啓介君はボクシング部のエースで強いから、もしかしたら賢治から私を守ってくれるかもしれないって思ったの」
「強い奴を探していたってことか?」
「そうよ。賢治から守ってくれる人がいれば、この地獄の様な日々から抜け出せると思ったの」
「じゃあ啓介の事は好きでは無く、利用するために付き合ったってことだな」
「・・・ごめんなさい」
遥はバツの悪さもあり、俯いて話さなくなった。
そういう事だったのか。
じゃあ前世で俺と付き合ったのも同じ理由なのか。
半年で振られた理由も、俺より強い奴を見つけて乗り換えたと考えれば納得できる。
「じゃあ啓介より強い奴がいたら乗り換える可能性もあったのか?」
「その可能性も無いとは言えない・・・」
遥は当初、俺をターゲットにしたらしい。
だが当時、俺の近くには常に彩夏がいたためアプローチ出来なかったそうだ。
親友の彩夏を悲しませたくないという気持ちもあったらしい。
だから1年の時、一緒に行ったプールで俺に迫ってきたんだな。
俺が無理だと考えた遥は次のターゲットを啓介に変えた。
それにコロリと騙された啓介が引っ掛かったって訳か。
「赤城さん、野村は昨日絞めておいた。もう野村の言う事を聞く必要は無い」
「そんな・・・本当なの?」
「あぁ。もし今後野村が接触してきたら俺か啓介に連絡してくれ。こっちで何とかするから」
その言葉を聞いた遥は、堪え切れなかったのか泣き出した。
啓介は遥の肩を抱き、持っていたハンカチで遥の涙を拭いている。
「本当に・・・もうあんなことをしなくてもいいの?」
「あぁそうだ。お礼は啓介にでも言えばいいさ」
「ありがとう・・・」
俺の出番はここまでだな。
俺は啓介と遥を置いてベンチから立ち上がり教室へ戻っていった。
~後日談~
あれから、啓介と遥は正式に付き合う事になった。
初めはその気が無かった遥も、啓介の熱意に負けたらしい。
俺の前でもイチャイチャしている2人を見ると無性に腹が立ってくるが、心の広い俺は我慢してやっている。
啓介から惚気を言われた場合は別だがな。
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