高校生編 17話 ~大阪合宿最終日 その2~
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俺と前田の試合が始まった。
双方が中段で構えて相手の出方を伺う。
先に動いたのは前田。
小手から面の連続技を繰り出してくる。
「速い・・・」
初速が途轍もなく速い。
俺は感で避ける。
「フフッ」
前田が面の隙間から笑顔を覗かせる。
今度は俺の番だ!
俺は自分が出せる限界の速さで前田にされた事をそのまま真似る。
小手から面への攻撃、さらにそこから胴を打つ。
前田は避けずに全てを受けきるが、反動で少しよろけた。
その隙を逃さず、俺は再び面を打つ。
俺の竹刀が前田の面に当たり、パーンという音が響く。
もう一度だ。
一度開始線まで戻り再試合が始まる。
前田は中段で構えて俺の出方を伺っている。
俺は前田の間合いに入り、小手から突きを繰り出す。
突きを躱した前田は尚も動かない。
・・・・・・一瞬だった。
目に留まらぬ速さで前田から繰り出された面に、俺は合わせる事も出来なかった。
これで1対1。
次に取った方が勝つ。
3本目が始まる。
最後はカウンターで決める!
お互いに何度か面を打ち合い、その時が来るのを待つ。
相手と何度か打ち合っていると、前田が少しずつだが疲れてきている様に感じた。
相手は2戦目。
しかも野村と戦ったのだ、疲れていないわけがない。
よし!
ここからは力押しだ。
俺は前田に猛攻を仕掛ける。
前田はひたすら守っていたが、堪え切れなかったのか俺の小手打ちが決まった。
双方ともに一礼をして試合が終わった。
帰り際、前田から声が掛かる。
「竹内くん楽しかった!またやろう」
「あぁ」
その後、俺は五将の中村にあっさりと負けた。
前田との戦いで俺のスタミナが残っていなかったためだ。
その後、どちらも一進一退の後、僅差で鹿児島高校が勝った。
大阪合宿で初めての敗北。
試合が終わってから口惜しさが込み上げてくる。
そんな俺達に高坂部長が声を掛ける。
「今日は負けたが良い試合だった。本番は3日後のインターハイ本選だ。それまでに自分を改めて見つめ直すように」
これで7日間の大阪合宿が終わった。
帰り際、鹿児島高校の前田がこちらに近付いてくる。
「ちょっと待って竹内くん」
「どうしたんだ?」
「良ければ僕と友達になってくれない?」
前田はそういうと携帯番号が書かれた紙を俺に手渡してきた。
俺も自分の携帯電話の番号を前田に教える。
「またね!」
前田は嬉しそうに立ち去って行った。
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