高校生編 15話 ~大阪合宿2日目~
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大阪合宿2日目。
基礎練習を終えた後、高坂部長から男子全員に声が掛かった。
「男子、ちょっと集まってくれ!」
全員が集まったことを確認した高坂部長は、1枚のプリントを見せながら説明する。
「今日の団体戦だが順番を変更する。突然で悪いがよろしく頼む」
<昨日のメンバー>
先鋒 野村(2年)
次鋒 中村(3年)
五将 竹内(1年)※
中堅 新庄(2年)
三将 井上(3年)
副将 柳田副部長(3年)
大将 高坂部長(3年)
<今日のメンバー>
先鋒 中村(3年)
次鋒 新庄(2年)
五将 井上(3年)
中堅 柳田副部長(3年)
三将 野村(2年)
副将 高坂部長(3年)
大将 竹内(1年)※
「なんで1年が大将なんだよ!おかしいだろ」
野村が声を荒げて叫ぶ。
高坂部長は野村に一旦落ち着けと声を掛けてから理由を説明する。
「昨日の団体戦を見ていて竹内君を他校に知られてしまった。出来ればこれ以上知られたくないというのが1点。そしてもう1点だが、インターハイ本選に勝つため最適な人選を組みたいからだ。野村は強いがスタミナが圧倒的に足りない。それは自分でも分かっているだろう?」
野村は思うところがあったのか、その言葉を聞いて黙り込む。
「悔しかったらこの合宿で少しでもスタミナを上げろ。後、竹内君には済まないと思っている。試合がしたいのは分かっているが我慢してもらえると助かる」
「・・・分かったよ」
「俺は大丈夫です」
野村は渋々だが納得した様だ。
俺も出来れば色々な人と戦いたかったが、強者同士の戦いを見ているだけでも勉強になると考えて納得した。
「それじゃいくぞ!」
『はい!』
団体戦2日目。
相手は大阪の浪花高校だ。
浪花高校は大将以外は2年生で構成されているチームだ。
どうやらインターハイは予選で敗退したため、次の新人戦に向けてのメンバー構成らしい。
試合開始。
双方ともに交互に勝っていき、野村の番となった。
野村は初日の俺に感化されたのか、相手の三将、副将、大将と3連勝で試合を終えた。
試合が終わった時、野村は肩で息をするほど疲労していた。
「・・・くそっ」
野村がボソッと呟く。
勝ったのに悔しそうな表情のまま野村がこちらに戻ってきた。
これで2日目は終了だ。
結局、俺の出番は無かったな。
俺は若干の消化不良を感じながら体育館を後にした。
野村賢治。
こいつは普段の練習を良くサボる。
高校での練習にもほとんど出てこなかった程だ。
こんな不真面目な男がなぜスタメンなのかというと、スタミナを覆すほどの圧倒的な技術と感の良さのためだ。
そんな野村だが、俺が入部したことで焦りが出てきた。
もしかすると高坂部長は俺をダシに使って野村を成長させようとしているのかもしれない。
個人的には野村の様な奴は嫌いじゃない。
こういう人材はチームを強くするためには必要だからだ。
俺も色々と人生経験は豊富だが、こういった人間は挫折すると終わってしまうケースが多々ある。
アースロットでもいたが、あちらでは挫折は死と直結してしまうため、こういう人間から消えていく。
そう思うと、野村にとって今は初めての挫折なのかもしれない。
上手く乗り越えてくれれば良いのだが。
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