高校生編 11話 ~仲裁~
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俺と啓介は彩夏たちの元へ向かう。
「どうしたんだ?」
「龍之介。なんかこの人達が・・・」
「なんだお前達は?俺達はこの子達と・・・・・・・」
見るからに柄の悪そうな3人組が彩夏と遥をナンパしていた。
その中でも下っ端そうな男が邪魔をしてきた俺に絡んで来ようとした。
その時、隣にいた体格の良い男が俺を見て慌てて止める。
「おい、ちょっと待て。・・・・・・もしかして龍之介さんですか?」
「そうだが、なぜ俺を知っている?」
俺が龍之介だと分かった途端、3人組の男達は挙動不審になりだした。
さっきまで横暴だった下っ端そうな男は俺の名前を知るとガタガタと歯を鳴らして顔面蒼白になっていた。
「す、す、すいませんでした!龍之介さんの女なんて知らなかったんです!」
「ちょっと待て。お前達は何で俺を知っているんだ」
「不良界隈であなたの事を知らない人はいません。この度は本当に申し訳ございませんでした!」
3人は直角になる程、頭を下げて俺に謝ってきた。
騒ぎを聞きつけてきたのか、周りに人が集まってくる。
俺は早くこの状況を打開させるべく男達に頭を下げるのを止めさせる。
「もういい。俺達に関わるな、早くあっちにいけ」
「すいませんでした!!」
俺が少し怒っている事を察したのだろう。
3人組は急いでその場を立ち去る。
そして俺達も少し遠くにあるベンチまで移動した。
「龍之介ありがとう。助かったわ!」
「俺は何もしていないんだが・・・」
すると彩夏の隣にいた遥がおもむろに立ち上がり俺のすぐ隣に座る。
「龍之介くんカッコいい!!不良達があんなにビビッて」
「あぁ」
俺は素っ気ない返事をしたが、遥は気にせず話し続けている。
遥の大きな胸が俺の腕に当たっている。
こいつ・・・。
ふと彩夏の顔を見ると少し頬を膨らませてジトーっとこちらを睨む。
「モテモテで良かったわね」
「待て待て、何を言っているんだ」
俺は彩夏の言葉を否定するとベンチから立ち上がり彩夏の前まで移動する。
その隙を突いたのか、啓介は俺がいた場所へ移動して遥と話をし始めた。
全く、啓介は・・・。
「それで?あいつらとはどういった知り合いなの?」
「いや、それが分からないんだ」
俺が悩んでいると啓介が話に入ってきた。
「アニキ、あいつらって昔潰した暴走族じゃないっすか?」
その言葉に俺はハッとなる。
確かにあの体格の良かった男は見たことがあった。
あの時のリーダーか。
「そういえば思い出した。あの時のリーダーだった男だ」
「あなた達そんなことやっていたの?本当呆れるわね・・・」
「違うんです彩夏さん!アニキはあいつらに強請られていた子を助けるために・・・」
そうだった。
あいつらは中学生相手にタカリをしていた。
あまりにも被害者が多かったため、仕方なく俺が動くことにしたんだ。
まあ暴力を暴力で解決したので、あまり褒められたものではないが。
しばらく4人で会話を楽しんだ後、俺達はウォータースライダーをすることにした。
ここのスライダーは穴が2つ空いた浮き輪に座って滑っていくタイプの滑り台だ。
2つ穴があるという事は2人で滑るってことだな。
スライダーの入口は階段を登った先にある。
俺達が階段を登っていると啓介から提案があった。
「折角だから男女でペアになりませんか?」
「いいですね!私もそれがいいと思う」
遥が啓介の提案に乗る。
俺と彩夏はそれに渋々だが従うことにした。
「でもどうやってペアを作るんだ?」
「じゃんけんで決めましょう!グーとパーのどちらかを出して、同じものを出した人がペアになるってことで」
啓介の提案に残り3人は頷いて肯定する。
階段を登った後、俺達はじゃんけんでペアを決めることになった。
「恨みっこなしですよ!じゃんけん・・・ぽん!」
啓介の掛け声とともにじゃんけんが始まった。
俺と彩夏がグー、啓介と遥がパーだった。
「え~、龍之介くんとペアが良かったのに~」
「まあいいじゃないっすか遥ちゃん」
遥はガックリしていたが、俺は内心ホッとしていた。
彩夏を見ると耳が赤くなっている。
「じゃあ行こうか彩夏」
「・・・」
「彩夏?」
「はい?!どうしたの龍之介」
どうしたのって聞きたいのはこちらだ。
じゃんけんが終わってからの会話が頭に入っていないのか、彩夏は挙動不審になる。
「早く行こうぜ」
「うん」
順番が来た。
彩夏が前、俺が後ろに座る。
自然と後ろから包み込むような格好になってしまうが不可抗力なので仕方がない。
彩夏は両手で顔を隠している様だ。
取っ手を握らないと危ないため、俺は彩夏に声を掛ける。
「おい、ちゃんと取っ手を握っていないと危ないぞ」
「わ、分かってるわよ!」
なぜか彩夏からは少し怒った声で返事をされた。
危ないから注意しただけなんだが・・・。
俺達が座った浮き輪が動き出す。
結構スピードが出ている。
彩夏がキャーキャーと騒ぎ出す。
「大丈夫か??」
「大丈夫じゃな・・・キャー」
浮き輪は彩夏の悲鳴と共に滑り台を駆け下りていった。
その後、その他のプールを一頻り楽しんだ俺達は着替えを終えて帰路に着いた。
4人で歩いていると、後ろで啓介と遥がコソコソと話をしている。
どうやら連絡先の交換をしている様だ。
啓介のためを思うと止めてあげた方が良いのだろうが、啓介の嬉しそうな顔を見ているとそれも無粋かと思い声を掛けるのを止めた。
そんなことを思っていると、隣で彩夏がモジモジとしているのに気が付いた。
「どうしたんだ?」
「・・・あの・・・」
彩夏にしてははっきりしない返事だ。
一体どうしたのだろう。
「私達も連絡先を交換しない?・・・えっと、部活とかで連絡しないといけない時がくるかもしれないでしょ?」
「確かにそうだな。これから合宿もあることだし連絡先が無いと不便な事もあるか」
俺はそんなことを思い、彩夏と連絡先を交換する事になった。
「・・・・・よし!」
隣で小さな声が聞こえた気がした。
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