高校生編 9話 ~夏休みの始まり~
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選抜試験も終わり、後は合宿と大会を待つだけとなった。
「龍之介、夏休みは何処かに行く予定はあるの?」
いつもの様に彩夏が俺の座席まで来て話し掛ける。
俺は少し考えてから、特にないと返事をする。
「もし良かったらみんなでプールに行かない?」
「良いけど部活はどうするんだ?」
「もう!高坂部長の話を聞いていなかったの?選抜メンバーは合宿前の3日間休みだって言っていたでしょ」
そうだった。
合宿と大会で夏休みがほぼ潰れるため、その前に3日間休みを取ると高坂部長が言っていたことを思い出した。
「だが俺は友達がいないぞ。みんなって言うのは誰だ?」
「啓介君がいるでしょ?後は私の親友を連れて行くわ」
「確かに啓介がいたな。でもあいつは部活があるんじゃないのか」
「既に啓介君にはOKをもらっているわよ」
どうやら俺の知らないところで彩夏が啓介に接触していたらしい。
あいつ・・・。
今日も一緒に登校したが、そんな話はしてこなかったぞ。
「どう?」
「折角だから行こうか」
俺が承諾すると彩夏は嬉しそうな顔でやったーと喜ぶ。
「ところで親友ってのは誰なんだ?」
「そういえば紹介していなかったわね。じゃあプールに行った時に紹介するわ」
彩夏との話が終わった後、根に持っていた俺は啓介の元へ行き、頭をポカリと殴った。
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夏休みがやってきた。
今日は4人でプールに行く日だ。
「じゃあ行ってくる」
「いってらっしゃい!」
俺は自宅を出て待ち合わせ場所へ向かった。
そこには既に啓介と彩夏が待っていた。
「すまない。待たせてしまったな」
「遅いっすよアニキ」
調子の良い啓介をポカリと殴る。
啓介はニヤニヤしながら痛そうな振りをした。
「龍之介止めてあげなよ」
その時、こちらに歩いてくる女の子が目に入った。
・・・・・・・まさか。
「ごめん!待った??」
「みんな今きたところよ」
彩夏がその女の子に話しかける。
「遥・・・」
「えっ!なんで私の名前を知っているの?」
一番会いたくなかった奴にこんなところで出会うとは。
「紹介するわ。この子が私の親友の赤城遥ちゃん」
「遥です。よろしくお願いします」
遥が俺と啓介に向かって笑顔で挨拶をする。
赤城遥。
俺が前世で初めて付き合った彼女。
そして付き合って半年で他の男に乗り換えた女。
俺が彼女に振られた後、学校内に俺の変な噂が流れた。
彼女に暴力を振るっていた、盗撮していたといった噂・・・。
そのせいで同級生だけでなく後輩にまで避けられるようになった。
それから女性を信じられなくなった。
アースロットでローザと出会うまでは・・・。
「龍之介どうしたの?」
彩夏が心配そうにこちらを見ている。
どうやら独りの世界に入り込んでいた様だ。
「あぁなんでもない。遥さんよろしく」
「はい!よろしくです」
一生忘れられないトラウマを植え付けられた相手。
これを乗り越えろってことか・・・。
俺は神様のイタズラを恨んだ。
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