高校生編 5話 ~1年夏合宿に向けて~
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高校に入学してからあっという間に3ヶ月が経ち6月になった。
そういえば先週は期末試験があった。
俺は中間からやや上の順位だったが、彩夏はなんと1位だった。
まるで才色兼備を絵に書いた様な奴だった。
しかもクラスの人気者で、彩夏に告白した男子も数え切れない程だ。
彩夏は俺によく話しかけてくるため、クラス中の視線が毎回怖い。
それに比べて俺に友達はいない。
なぜか俺の噂が広まってしまった結果、怖がられるようになってしまったからだ。
どんな噂かって?
それは暴走族をひとりで潰しただの不良グループの頭をやっているだの、終いには人を殺したことがあるなんて噂もあった。
まぁ殆どが事実なため、この状況は仕方がないのだが・・・。
決定的に怖がられるようになったのは、先輩に校舎の屋上へ呼び出された日からだろうか。
あれは俺が入学して1ヶ月が経った頃の事だ。
高校の不良グループが俺の噂を聞いたのか屋上へ呼び出してきた。
呼び出しに応じた俺はひとりで校舎の屋上へ向かう。
屋上に着いた俺は8人の先輩に囲まれた。
俺は身構えたところ、先輩方は慌ててそうじゃないと頭を下げてきた。
どうやら俺にこの高校のアタマになって欲しいというお願いをしたかったようだ。
俺はそのつもりが無かったので、丁重に断りを入れた。
そして俺の周りに危害を加えたらただじゃおかないぞと少しだけ威嚇しておいた。
それからだ、俺が登校する度に挨拶をしてくる様になったのは。
8人のイカつい男が毎日俺を見たら挨拶をしてくる。
その状況を見た同級生がどう思うのかなんて誰でもわかるだろう?
それから俺はクラスの中で浮いた存在となった。
「聞いてるの?龍之介」
「あぁごめん。聞いてなかった」
「もう!ちゃんと聞いてよ。夏の合宿は大阪になったらしいわ」
今日も彩夏から話しかけられた俺は、周りの目を気にしつつ話をする。
彩夏の顔を見つめる。
可愛いというより綺麗というのがピッタリくるかもしれない。
肩まである黒髪はサラサラとしていて、二重で目が大きいのに顔が小さい。
これで男子にも優しいときたら好きにならない男なんていないだろう。
まあ俺が好きになることは無いだろうが。
「なんで大阪なんだ?」
「大阪で合宿して、そのまま大会に参加するらしいわ」
剣道の大会が大阪で8月に開催されるらしい。
その前に合宿か・・・。
「そもそも剣道の大会ってどんな感じなんだ?」
「まったく。そんなんで良く剣道部でやっていけるわね」
「剣道部があること自体、この高校に来て初めて知ったからな」
彩夏は呆れた顔で俺を見た後、大会について説明してくれる。
どうやら団体戦と個人戦があるそうだ。
うちは人数が多いから、何処かのタイミングで選抜試験の様なものがあるみたいだ。
「高坂部長が言っていたでしょ?選抜試験をするって」
「あー。あれはそう意味だったのか。てっきり期末試験の事かと思っていた」
「ほんとアンタは・・・」
こいつ、本当に親切だな。
同じ部活の仲間って言うことで親身になってくれているんだろう。
俺は彩夏としばらく話をした後、2人で剣道場へ向かった。
そうそう、啓介の事を伝えないといけない。
あいつはボクシング部に入っている。
どうやら剣道は自分に合っていないと感じたそうだ。
まあドワーフ族というのは斧か素手での戦いに秀でているから、必然的にそうなったというところか。
たまに啓介と話をするが、なかなかボクシング部は面白いらしい。
まあ信介がいるし、何とかやるだろう。
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俺と彩夏が剣道場に着くと、見たことがない男が着替えをしていた。
「よう!お前が龍之介ってやつか」
「そうだがあんたは?」
「お前生意気だな。俺は2年の野村賢治だ」
こいつがずっと来ていなかった2年か。
何だか生意気そうな顔をしているな。
「おい龍之介、俺と勝負しろ」
俺は突然現れた男にいきなり勝負を持ち掛けられたのだった。
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@iseyari0408




