小学校編 31話 ~啓介との対話~
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俺と啓介の話し合いが始まった。
ローザは隣で静かに話を聞いている。
「啓介、君が僕を尾行していたのは知っている」
「おいおい何を言っているんだ。言っている意味が分からないな」
啓介は挙動不審に目を彷徨わせる。
俺は話を続ける。
「君が僕を調べていた理由・・・それはアースロットに関連しているのではないか?」
「・・・・・・」
啓介は返答しなかった。
この場合の無言は肯定ととらえても良いだろう。
「悪いがローザには君の話を聞かせてもらった」
「ローザ・・・」
「ごめんなさい啓介君」
ローザは申し訳なさそうな表情で啓介に謝る。
「それで俺をどうする気だ」
「啓介、まずは話を聞かせてくれないか。なぜ僕を調べていたのか、そして俺をどうしたいのか」
「・・・ローザから聞いたんだろう?家族、いや一族を守るためだ」
啓介が事情を話し始めた。
予想通り啓介はアースロットから来た刺客だった。
そして人族ではなくドワーフ族だったという事。
ドワーフ族は一族で集落を作る習性があり、啓介の集落は人族と魔族領の中間地帯にあった。
啓介達は洞窟を掘って、誰にも見つからない様に暮らしていたそうだ。
ある日、集落に魔族が攻めてきた。
ドワーフの戦士は勇敢に戦い、多くの犠牲者が出たものの何とか追い払うことが出来た。
一旦の休息とはなったが、また攻めてくるのは間違いない。
そう思った啓介達は拠点を移すことを検討し始める。
その時、洞窟に入ってくる男がいた。
敵かと思いドワーフ族は一斉に武器を構えたが、男は両手を挙げて降参の意思表示をした。
「待ってくれ、お前達に良い提案があるんだ」
その男から、ここから少し行ったダンジョンの深層に行けば転移盤があり、そこから転移すると楽園に飛べると言われたそうだ。
啓介達はその男を信用しなかったが、拠点を移動しないといけない状況だったこともあり、話を聞くことにした。
「但し条件がある・・・」
その男から、その場所を教える条件として・・・
1.まずは1人が代表で転移すること
2.転移したら竹内龍之介という男を探すこと
3.そいつに仲間がいるか調べること
4.半年後に転移盤まで戻ってくること
転移盤のある神社にいる男の仲間に報告すれば、一族全員をこちらの世界に転移してくれると言われたそうだ。
「その男ってフードを被っていなかったか?」
「あぁ良く知っているな。フード上部が不規則に盛り上がっていたから耳か角がある種族だろうな」
フードの男はやはり魔族・・・いや、まだ特定するには情報が足りないか。
それに男の仲間が転移盤にいるだと?
まさかザッシュとロイドのどちらかが?
父を含めて3人交代で転移盤を見張っているはずだが、啓介はどうやって転移してこれたんだ?
疑問が渦巻く。
だが一つ分かったことがある。
「啓介、君がフードの男の仲間に報告しにいけば殺される」
「は?何を言っているんだ。そんな訳ないだろう」
俺は話すか躊躇ったが、啓介に前世での事を伝えることにした。
啓介と俺が親友だったこと、転校から半年後に事故で亡くなること。
俺が話し終えると啓介は信じられないとばかりに首を振る。
「啓介、今すぐ信じてもらおうとは思わない。だけど僕は君を助けたいと思っている」
「俺を助けたって君には何の得にもならないじゃないか」
「前世では返しきれない程の借りがある。君には生きていてほしいんだ」
「わかったわかった。少しだけど信じてやるよ」
ここでようやく啓介に笑顔が見えた。
それにしてもフードの男の仲間か・・・。
ザッシュかロイド、それとも別の人物なのか。
神社には今週の日曜日に行くことになった。
もちろん啓介とともに。
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