小学校編 26話 ~学校にて昔を思い出す~
誤字脱字等ありましたらご連絡いただけると嬉しいです。
翌日、昨日までの天気が嘘のような晴天だ。
遠く山の方を見てみれば大きい雲が悠々と浮かんでいる、あれは入道雲だろうか。
昨夜まで続いた雨の影響だろう、道路は所々濡れている。
そのせいだろうか、学校へ向かって歩いていると心地良い風が吹き抜けてくる。
「もうすぐ夏休みね!良太は何処か行くの?」
「俺は家族と海に行く予定があるぞ」
一緒に登下校している梨花と良太が楽しそうに会話をしている。
夏休みか・・・。
前世では両親が亡くなった後、身寄りのない俺を大家さんが引き取ってくれた。
大家さんはとても良くしてくれた。
若くに亡くした息子さんには孫がいなかった事も関係しているとは思うが、俺を本当の孫として大事にしてくれたのだ。
まぁそれを実感したのは大家さんが亡くなった後なのだが・・・。
あの頃の俺は人生に絶望していた。
目に見える全員が敵に思えて、常に反抗的な態度で接していた。
それもあり友達はいなかった、いや作らなかったというべきか。
みんな心配してくれていたが俺がそれを拒絶した。
そしてしばらく経つと誰も俺を相手にしなくなった。
結局、前世で死ぬまで友達が出来なかったのだから、ずっと引きずっていたのだろう。
そういえば友達は1人だけいたのだったな。
あいつは今何をしているのだろうか。
たしか名前は・・・・・・。
「龍之介、教室に行きましょう!」
ローザからの言葉で我に返った俺は教室へ向かう。
小学1年生の授業というのは退屈だが、見方を変えると楽しい面がある。
授業というよりは遊びの延長線上にあるといった内容が大半で、みんな楽しそうに先生の話を聞いている。
このクラスで友達が出来たのかって?
元々大人だった俺と小学1年生だぜ、合うはずがない。
専らローザと行動を共にしていることが多くなっている。
今も教室内はガヤガヤと騒がしい。
粘土を使って好きなものを作って良いと先生から指示があり、黙々と作っている子や隣の席の友達と喋りながら同じものを作っている子達など様々だ。
俺は隣の席で黙々と作業しているローザを見る。
ローザは昔から真面目な性格だ。
どうやらエルフという種族は真面目な性格のやつが多いらしい。
それに勤勉、魔法使いが多いのもその性格が関連しているのだろう。
ローザは粘土で杖を作っていた。
アースロットで愛用していた杖だ、見てすぐに気が付くくらい完成度が高い。
ローザの杖は2つの枝が絡まり合って1つの杖になっており、杖の上部には野球のボールサイズの赤い魔法石が埋め込まれていた。
「龍之介どうしたの?」
「懐かしいなと思ってね。あの頃は何もかも新鮮だった」
突然異世界に転移した俺は全てが未知の体験だった。
モンスターや魔法、柵で守られた村から城壁で囲まれた都市など。
中世のヨーロッパにタイムスリップしたのかと思う街並み、そこに暮らす様々な種族・・・。
アースロットは弱肉強食の世界だった。
強い者が全て正しく、弱い者は全てを奪われる。
実際にその現場を目撃したのも数えきれない程ある。
俺の場合は偶々良い仲間に巡り合えたため強者側で要られたが・・・。
そういえばエリスとナイトは今どうしているのだろうか。
騒がしいまま時間が過ぎていった。
お読みいただいた方は出来れば評価をお願いします。
X始めました。良ければフォローお願いします。
@iseyari0408




