小学校編 25話 ~台風直撃~
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夜間から降り続いた雨は夜明けになるにつれて、風を伴い暴風雨となった。
窓を叩く雨音が強くなっていき、いつもより早く起きた俺はカーテンを開けて外を眺める。
予想通り台風が近づいている様だ。
月曜日の今日、本来ならば小学校へ行く日なのだが暴風警報が出ているため休みとなった。
早くローザと会って話をしたかったが明日まで待つしかないか。
朝食を食べ終わった父はこれからザッシュの部屋に向かう様だ。
俺も付いていきたかったが、母から外に出るのは危ないと反対されたため、自室でテレビを観ることにした。
テレビはよくあるワイドショーが流れていた。
9月にシドニー五輪があるということで、ニュースキャスターはメダルが期待される選手を紹介している。
テレビを流し見しつつ俺は二度寝をすることにした。
母の声で目を覚ます。
昼食の準備が出来た様だ。
俺はリビングへ向かうと、父と一緒にザッシュとロイドがテーブルを囲んで食事をしていた。
ロイドは俺を見つけると声を掛けてきた。
「勇者様、お先に頂いています!」
「勇者様は止めて! 龍之介って呼んでよ」
「分かりました。では龍之介様とお呼びします」
俺が何度も断った結果、龍之介さんという呼び名で落ち着いた。
自分自身が勇者の自覚が無いため、突然勇者と呼ばれても困るのだ。
「そういえば2人は魔法を使えるの?」
「我々帝国民で魔法を使える者は数える程しかいません。私達も騎士職を鍛えておりましたので使うことができないのです」
「魔法無しで魔族とやり合うのは相当大変だったんじゃない?」
「その通りです。魔法を防御する術が無い我々では、正直なところ魔族に手も足も出ませんでした」
ザッシュは悔しそうに拳を強く握っている。
魔法職が少ないアーク帝国が魔族によって滅亡する・・・世の常とはいえど口惜しいだろうな。
魔法は化学兵器と違って魔法使いが1人いれば行使できる。
わざわざ重い兵器を引いてくる必要が無く、玉切れも無い。
まぁ魔法も使う時に精神力を持っていかれるため玉切れの様な状況にはなるが、時間が経てば復活する。
それに魔法は大量殺戮兵器だ。
高度な魔法になれば半径数キロに渡って効果を及ぼす。
剣や銃器でいくら対抗したところで、相手に辿り着く前に勝負が決してしまう。
物量より質が勝る世界、それがアースロットだった。
俺とローザ達がたった4人で魔王城へ侵入し、多くの魔族を始末したうえで魔王を倒した事を考えても質が重要だってことは分かるだろう。
アーク帝国には悪いが時世を見て魔法職を増員せず、昔からの体制を変えられなかったことが滅亡に至る大きな原因だったのだろう。
昼食を食べ終わると父とザッシュ達は出掛けて行った。
外を見ると台風が過ぎたのだろうか、風はまだあるものの雨は止んでいた。
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@iseyari0408




