異世界編 2話 ~真っ白な部屋~
処女作です。
皆さま大らかな気持ちでお読みいただければ幸いです。
誤字脱字等ありましたらご連絡いただけると嬉しいです。
後ろから気配を感じ、振り返ると同時に聖剣を構えようとしたが、いつも聖剣を納めている鞘には聖剣が無かった。
「聖剣が無い?!」
「ここには剣が持ち込めないの、待たせてしまってごめんなさい」
振り返った先にいたのは、申し訳なさそうな表情で佇む女性だった。
「こんな所に閉じ込めやがって、魔王の手先が!」
「ちが、違うの!」
アワアワと両手を上下させながら目の前の女性が説明を続ける。
「まずは落ち着いて。私は魔王の関係者では無いわ。これからあなたをここに呼んだ理由を説明するから、そんなに警戒しないで」
目の前の女性は何もない空間に手をかざす。すると何も無かった空間に突然テーブルと椅子が現われた。
異世界であるアースロットに5年いたが、この様な魔法は見たこともない。
「一旦座って落ち着いてちょうだい」
座らないと先に進まないと感じた俺は警戒しながら椅子に腰を掛ける。
少し落ち着いた俺は目の前の女性に、この場所について質問する。
「ここはどこなんだ! そしてお前は一体誰だ」
「ここは精神世界、そして私はアフロディーテよ。あなた達には女神という呼び方の方が親近感があるかしら」
自らをアフロディーテと名乗る女性はニコニコと笑顔を見せている。
白いドレスに青いロングの髪型。目はレッドアイで若干輝いているように感じる。身体中を白いオーラで包まれている姿は確かに女神と言われても納得してしまうだろう。
「まずは魔王討伐おめでとう」
アフロディーテは嬉しそうに微笑みながら感謝を述べた。
「魔王を倒してくれたお陰で、ここにあなたを呼ぶことが出来ました。あなたにはどうしても一度お会いして話をしたかったので、突然で驚かれたとは思いますが魔王を倒したタイミングでこちらに転移させていただきました」
アースロットに来たタイミングでは無く、なぜ魔王を倒したタイミングで呼び出したのか。
女神の意図が理解できなかった俺はアフロディーテに質問する。
「あなたが女神というのは納得した。それで俺をここに呼び出した理由を教えて欲しい。普通はアースロットに飛ばされるタイミングで呼ばれるものだと思うのだが」
「それは本当にごめんなさい。私の力不足です・・・。まずはあなたがこちらの世界に来ることになった5年前・・・・・・」
アフロディーテが語った内容はこうだった。
俺がトラックに轢かれ、魂が消えかかっていた。
アフロディーテとしては白い部屋に転移させて新しい体と異能を授ける予定だったが、魔王に妨害されてしまい出来なかった。
最後の手段として、事故に遭う直前の状態を構築し直してアースロットに転移させた。
「あなたのことは日本にいた時からずっと見ていました。直接本人に言うのは恥ずかしいけれど・・・」
アフロディーテは頬を赤らめながら照れている。
「あなたが産まれてからずっと、ずっと見てました」
レッドアイの瞳がより一層輝き出した。俺を凝視するアフロディーテに狂気を感じた俺はつい目線を逸らした。
再びアフロディーテは話を始める。
「あなたが前世で受けていた様々な不幸な出来事について、私が知っていることを伝えます」
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