小学校編 23話 ~隊長の説得~
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なんとかロイドへの説得は成功した。
次は隊長と呼ばれている長身の男だ。
「ロイド、もう1人の方も協力してくれると思うか?」
「隊長ですか? 隊長でしたら協力してくれると思います」
父が質問するとロイドは即答で返す。
「でも隊長はまだあなた達の事を敵として認識しています。ですので私が説得します」
「分かった。また明日くるからよろしく頼む」
父はロイドを縛っていたロープを解く。
神社内へ戻っていくロイドに母が声を掛ける。
「ロイドさん、これ良かったら2人で食べて」
「良いんですか?ありがとうございます!」
母が弁当をロイドに渡す。
ロイド達はしばらく何も食べていなかった様だ、ロイドが満面の笑みを浮かべてお礼を言っている。
俺達はロイドに後を任せて帰宅することにした。
時間はあっという間に過ぎ、空は薄暗くなってきていた。
俺達は急いで帰路に就くのであった。
翌日、昨日の疲れで筋肉痛となった俺は父におんぶされながら再び神社へ向かった。
母は用事があるようで同行しなかった。
今日は生憎の雨だ。風も強いため傘ではなくレインウェアを着込んでいる。
神社に着き、扉を開けると奥の方にロイドとロープが解かれている長身の男が座っていた。
ロイドはこちらを見ると合図をするかのように頷く。どうやら説得は成功したようだ。
「隊長も協力してくれるそうです」
「そうか。ありがとう」
すると隊長と呼ばれている男が父を見て話し始める。
「俺はザッシュ、第二中隊長をしている。君に質問したいのだが良いか?」
「あぁ何でも聞いてくれ」
「話はロイドから聞いた。俄かに信じがたい話だったが女神が言うのであれば真実なのだろう。それで聞きたいことがある。一体君達は何者なんだ」
ザッシュが不思議に思うのも無理は無い。
こんな小さな子供がなぜ女神に狙われているのか不思議なのだろう。
そしてローザが放った魔法。
誰が見ても普通ではない。
返答は父に代わって俺が話すことにした。
俺が勇者の末裔であることや将来魔王を倒すこと、魔王を倒した特典で生まれ変わったことなどを説明した。
黙って聞いていたザッシュとロイドが驚いた顔で俺を見つめる。
「勇者の末裔だと?」
「そうです。それが僕の狙われた理由です」
「そうでしたか。帝国でも勇者の伝説は残っておりました。まさかお会いできるとは」
2人は立ち上がり帝国式の最敬礼をする。
「数々のご無礼、申し訳ございませんでした。魔族に誑かされていたとはいえ、勇者様に害を為そうとしていたとは・・・」
「止めてください!僕もこの間知ったばかりで自分自身でも信じられないんですから」
「勇者様に協力するのは当然の義務。どんなことも協力しましょう」
ザッシュは固まったまま動かないロイドの頭をバシッと叩き、しっかりしろと声を掛けた。
「それでまだ質問はあるか?」
父が促すとザッシュは座り直してから話し出す。
「これは質問では無くお願いになりますが、我々を騙したフードの男を見つけた時は私に相手をさせていただきたい。古臭いですが仇討ちがしたいのです」
「分かった。見つけた時はザッシュに知らせる」
「忝いがよろしく頼む」
一度休憩を取ろうと考えた父は、持ってきたバッグから弁当を取り出した。
バッグには4つの弁当が入っていた。
「ちょっと休憩しよう。良かったらこれを食べてくれ」
「やった!お腹が減っていたんですよ」
ロイドが喜んで弁当を受け取る。
ザッシュはロイドの行動に嫌な顔をしたが、父が笑いながら宥める。
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