小学校編 16話 ~侵入者との対話~
初投稿です。
皆さま大らかな気持ちでお読みいただければ幸いです。
誤字脱字等ありましたらご連絡いただけると嬉しいです。
長身の男はこちらを睨むように見つめている。
動かない身体から現状を理解したようだ。
「ようやく目を覚ましたか。お前達は一体何者なんだ」
父が質問をすると長身の男はしばらく考えた後、静かに語りだす。
「失敗したか・・・だが我が帝国の騎士がこれから続々とやってくることになっている。我々はあくまでも先兵だからな」
「帝国だと?!もしかしてアーク帝国のことか」
父はアーク帝国を知っているのだろう。
だが俺はアーク帝国を噂でしか聞いたことが無かった。なぜなら俺が転移した時には既に滅亡しており、アーク帝国の領地は魔王領になっていたからだ。
長身の男はアーク帝国が現在おかれている状況を語りだす。
どうやら魔王軍の勢いに押されて防戦一方となっている様だ。
それを打破すべく、魔王領に向けて進軍していたところ両親が潜ったダンジョンを発見。
ダンジョン探索をしていたところ、最下層の奥にある転移門を見つけたらしい。
「お前達はこちらの世界をどうする気だ」
「こちらの人間には悪いが帝国が支配させてもらう」
こちらの世界に侵略するだと?!
だが前世では28歳までいたが帝国に侵略されていなかったはずだ。
俺がこちらに転生したことで歴史が変わったのだろうか。
それとも前世では俺の知らない誰かが帝国の侵略を防いでいたのだろうか。
とにかくこちらの世界を守るために何か手を考えないといけない。そのためにもこいつには知っていることを全て話してもらわないと。
そういえばこいつは最初の会話でリーファの指示で俺を探していると言っていなかっただろうか。
俺は長身の男に質問を投げる。
「おい、リーファというやつが何か関係しているのか。一体誰なんだ」
長身の男はニヤリと笑みを浮かべ俺に話しかける。
「お前達は会っていないのか? こちらの世界に転移する際、真っ白な部屋にいたあの女神に」
白い部屋? アフロディーテではなくリーファ?
意味が分からない、女神は1人だけじゃないのか。
「龍之介、お前から聞いた女神の名前と違うな」
「そうだね、僕の知っている女神ではないみたいだ」
長身の男はリーファという女神については話をする気が無い様だ。
話をさせるためには何かをする必要があるな。
俺は対象を長身の男から小柄な男に移した。
こいつは目を覚ましてからずっと下を向いて震えている。
脅しが効く可能性があると予想した俺は、ローザに魔法の行使を頼む。
「ローザ、この小柄な男の顔にアクアを掛けてくれ」
ローザは頷くと小柄な男に向かってアクアを詠唱する。
すると球体の水がフヨフヨと男に向かっていき、顔に付着すると動きを止める。
「おい、このままだと窒息して死ぬぞ。リーファについて話してくれたら止めてやるがどうする?」
小柄な男は息が出来ず藻掻き苦しんでいたが、思いのほか早くギブアップした。
顔を水浸しにした男はゼエゼエと空気を吸い込むと、諦めた顔でゆっくりと話しだした。
「助かった・・・リーファ様のことは何でも話す。命だけは助けてくれ」
「おい!喋るな」
「隊長、もう私は無理です。申し訳ございません」
長身の男は隊長だったようだ。そうなると小柄な男は部下ということだろう。
父は長身の男の口にタオルを突っ込んで声が出ない様にした後、小柄な男に続きを話すよう促す。
男は怯えながらリーファについて話し始める。
「白い空間でリーファ様という女神に会いました。彼女から転移盤を使わせる条件として竹内龍之介という男を殺してほしいと言われました。もし条件を達成出来たらご褒美にこちらの世界を帝国が支配してもいいとも言われました」
リーファという女神が裏で糸を引いている可能性が高いな。
しかし俺を殺そうとする理由が分からない。
小柄な男にいくら質問しても、リーファが俺を殺したい理由は知らないということだった。
良ければブックマーク、評価して頂けると嬉しいです。
出来るだけ早めの投稿を目指しますが、止まったら書き溜めしてるんだと思ってください。




