表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その少女・異世界でも非常識  作者: フラック
2章 脱・勇者
45/50

21話 人類の希望それは勇者キュロス。

 



 謁見の間・・・

いや、断罪の間とも言える場所から

鈴とマフは、その裁決を待つまでもなく出て行った。


 その姿を見下ろしていた皇帝ザラスシュトラは

静かに皇帝に相応しい椅子にすわると

おもむろにその肘掛に拳を叩き落とした

その肘掛を破壊した衝撃と轟音が謁見の間に響き渡った!


 それは、皇帝ザラスシュトラの怒り

残された5人の勇者達と、1人の皇女を抜く多くの人間が

その肝を冷やし

皇帝の次なる言葉を震えながら待つ

その静寂は

3人の皇帝直属の親衛隊の苦しむ声が聞こえるほどに・・・。


 そして、機嫌の悪い皇帝より先に口を開いた男がいた。




 男の名前は【キュロス】

誰しもが認める色男(イケメン)であり

真の【勇者】であった。


 キュロスは

マフに倒された3人に近寄り

背中を床に打ち付け

息も出来ず苦しそうな、ウルフガングに回復魔法ヒールを飛ばし


頭蓋骨の頬骨を割られ

顔を押さえ床に倒れこむ、スティングレイに上位回復魔法、ハイヒールを飛ばす。


 ウルフガングも、スティングレイも

回復魔法は使えるが、痛みで苦しみ、息さえままならない状況では

魔法を使えるだけの集中力など維持はできず

他者からの回復を待つこととなっていた。


 そして、キュロスは

床に腰を落とし

みぞおちを両手で押さえ

息をするだけで苦痛に顔を歪める

コルベットの元に近寄り

軽く片膝を付き

胸近くを抑える

コルベットの両手にそっと手を沿え

「セカンドクロスマジック・ハイヒール」と・・・

コルベットの美しい顔から苦痛が取り除かれる

安心した、コルベットの目の前には

心惹かれるほどの、魔性と言えるほどのイケメンの顔が

キュロスは、まるで自身の魅力をしっているかのように

最大の笑顔でコルベットに微笑むのだった。


 一瞬にして、キュロスの虜にまるコルベット

だが、それは体に刻まれた楔に触れ

コルベットの精神を何かが苦しめた・・・。


 すぐに正気にも戻されたコルベットは

後ろに飛び退くように、すの姿すら消すのだった。


 キュロスは

そんな、コルベットに(かわいいやつ・・・。)などと

消えたはずの、コルベットの所在を知っているかのように

その真っ赤になった顔に向けて

小さく笑みを含んだキメ顔を見せると

気持ちを入れ替え

静かに立ち上がり

この世界の住人に向けて大きく声を上げた。



「まったく、マフは酷いことをする

 美しい女性に向かって、容赦ない攻撃なんて!

 まぁ、皇帝直属の親衛隊だったかな

 彼等は油断もあっただろうが

 弱すぎとしか言い様がないな

 おっと、誤解が無い様に言っておくが

 私とマフの間には、大人と子供ほどの力の差があると言ってもいい

 当然、私のほうが強いと言う意味だけどね。」


それは、朝に行われた、キュロスとマフの一騎打ちは

騎士団の陽気な【ガイエン】が言いふらし

すでに大神殿に伝わり

謁見の間にいる貴族や神官達には知れ渡っていた

それを知るキュロスは、それを利用する。


「そして、皇帝・・・

 いや、唯一神だったかな

 アフラ・マズダーの力に抗えたのは

 勇者として召喚された、私たちが持つ【特異点】

 そう、世界の理を改変できる【力】

 それに他ならないのだろ?

 私は、私の持つ【ソレ】を理解できていない

 いや、理解できていても

 私の持つ力は、貴方達が想像するより

 多く、そして巨大

 そして、そのどれが【ソレ】なのかが

 理解できていない、と、ここでは言っておくとしよう。

 そして、コレは

 私以外

 D・ドラゴニーズ・クラリス

 そして、あちらの6の党の勇者にも言える

 とくに、ドラゴニーズ

 彼は私を凌ぐ力を持つだろう

 その巨大な力の為【ソレ】を今まで必要としなかった

 ただ、それだけ・・・

 皇帝ザラスシュトラ

 すでに理解していると思うが

 今はまだ、無理であろうと

 ひと月・・・いや数日で

 私達は、その神の力に対抗できる【力】を理解する

 神の力、そんなもので私達を

 意のままに動かせると思わないでくれ!」


 この宣言には

Dや、クラリスは元より

ドラゴニーズも、クククと笑いを零す。


 そして、ザラスシュトラは

キュロスに言われる前から理解している

ドラゴニーズの動きを止めた【唯一神の威圧】や

ドラゴニーズの心の蔵を潰した【契約の楔】すら

力に目覚めただろう、マフに効かなかったのだ

ここに残った5人の勇者が、力に目覚めたなら

まだ猫の皮を被った、世界の理すら破壊する猛獣に

その手綱(たずな)は食いちぎられると・・・。


 だが、これはキュロスのハッタリであった

キュロスの持つ力の中に、この2つを、無力化できる【力】は無い

多少は対抗できる物もあるが、それは切り札となると理解した

だが、マフは、ザラスシュトラの持つ力を無力化した

ならばと、それを使い

自分達は、ザラスシュトラの奴隷に成らないと

いつしか、牙を向く存在だと、その意識にすり込んだのだ!


 また

ザラスシュトラも、キュロスも、理解していない事もある

マフが無力化したと思われた【契約の楔】それは

確実にマフの心の臓を潰していた

ただ、その事で、マフは苦しまず死ななかっただけである

そして【唯一神の威圧】

それは、確実にマフの動きを止めた

ただ、とある少女の妨害により

その威力は半分以下となっていただけである

【ゲーム脳】に目覚めた【マフ】と

【圧倒的存在】である【ドラゴニーズ】

その2人を支配下に置いた、唯一神の【力】は

この世界に置いて絶大ともいえる

だが、その真実を知る者は

幼き少女だけである・・・が

少女にとって【ソレ】は

夕食の献立より

ヨード卵の赤ちゃんの寝顔より

遥か格下

考えるだけ無駄な

どうでもいい事だった。


 そして、キュロスの宣言は

この世界に牙を向くとも言える発言

これには、この場にいた貴族も神官も驚くこととなる。


 だからこそ、キュロスは、話を続ける。

 

 「だが、私は皆と同じく

 世界最高の種族である【人間】であり

 誇り高き【勇者】だ!

 私は、ソレを誇りに世界を救ってきた!

 そして、これからも

 いくつもの世界を救うために戦い続ける事を

 この胸に誓っている!」


 その言葉は

不安に駆られる、この世界の住人を安心させるに相応しい言葉となる。


 そして、キュロスは

皇帝サラスシュトラに視線を向けるように体と視線を動かす

だが、キュロスの視線の先には

長く綺麗な薄い桃色のの髪の

美しく温かみのある表情を携える

皇女【アーシュマ・アーリマン】に向けらた

キュロスは、軽く一礼し

アーシュマの瞳を直視し宣言する。


「アーシュマ・マーリン様

 この勇者【キュロス・ティスペス】

 この身をかけて、魔族を討ち滅ぼし

 この世界に輝ける人類の未来を約束します。

 そして人類の平和を取り戻した

 その暁に、その報酬をもらえるなら

 アーシュマ様の、心からの笑顔を

 私達に・・・

 いえ、世界を救うために共に戦かっただろう

 かけがえのない、多くの友に

 見せて頂ければ幸せです。」


 アーシュマは

その白き頬を、髪と同じように

桃色に染め、照れ隠しに左手で口元を隠し

誰もが見惚れるほどの優しい眼差しで


「その夢の様な時代が来る事を願っています

 そして、その時には

 勇者キュロス様の

 願いは・・・きっと叶うでしょう・・・

 そして、その祝賀会で

 どうか、私と踊っていただけますか?」

 

「はい!

 私の様な田舎者でよければ。」


キュロスは深々とその頭(こうべ)を垂れるのだった。


 だが、誰しもがキュロスを

異世界の存在を信じている訳ではない

少し前にこの世界に召喚された勇者

その人間性も、過去の事も

その本当の事を誰も知らないのだ

それは、キュロスを召喚した神天使【クシャラス】もだった。



 キュロスは貴族や神官達に向き直り

大きく声を届かせる


「さぁ、私【勇者・キュロス】

 その物語を、その歩んだ軌跡を

 今語ろう!

 ・・・・。

 あ、軽くだから

 もっと聞きたい人は

 後日場所をかえて話すよ。」


そこには

先程までの完璧な勇者キュロスではない

人懐っこい、ちょっとだけ自分を自慢したい子供の様な表情の

男の子が存在した。


 そして語りだす

キュロスが勇者となった理由を

そして7つの世界を渡った経歴を・・・。



 

次は、キュロスの自慢話!

なぜか【☆】付きの題名

そして、無駄な自慢話で【脱・勇者】編終わり?

もしかしたら【それからシリーズ】を1話入れるかも?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ