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その少女・異世界でも非常識  作者: フラック
2章 脱・勇者
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2話 なんちゃってハンバーガー



 鈴は、ある程度、料理の準備を終わらせると

食堂に隣接する中庭に出ていくのだった


 鈴の向かった先に居たのは

小さな使い魔である【琥珀】が静かに佇む場所。


鈴「こはくく~~ん

 もういいよ~~

 おつかれさま~~~」


こ「にゃぁ~~」


 琥珀は、嬉しそうに鳴くと

その場から、飛び退くのだった。


 今の今まで琥珀の下に存在していた人物

それは【ドラゴニーズ】

琥珀が飛び退いた事で

拘束が解けたのだった

すでに【獣化】だろう鱗は無く人の姿だったが

すぐさま立ち上がり

右の拳を固く握り鈴に向け

鈴を睨みつけ


「お前達、今度こそ、ひねり潰してやる!」


鈴は、ドラゴニーズが、左腕を失っても未だに元気な姿に喜び


「わかってるって、お腹減ってんでしょ?

 簡単に食べれる物を、これから作るんだけど

 異世界の食材なんて今日が初めてだし

 みんなの好みもまばらだし

 よくわからないから毒見して!」と


 鈴に向かって差し出された拳に手を持っていき

その親指を掴むと、引っ張り出した。


 ただ、その力の篭った拳は

非力な鈴の力では動かない。


ただ、ドラゴニーズは

小指を掴まれ力負けした記憶が蘇り


ド「何を!

 何をする気だ!!」と


嫌そうな顔をしながら

鈴の屈託のない視線から顔をとおざける。


鈴「も~~

 こっち来てって

 ご飯あるよ~

 食べ物あるよ~~

 お肉だよ~~~」と


グ! グ! グ!と

ドラゴニーズの親指を握った手に何度も力を入れるが

力が篭ったその手は動く事はない。


 ドラゴニースは、常に恐れられる存在だった

だからこそ、自身に対して

ニコニコと笑いかける鈴の姿は

ドラゴニーズにとって、未知の生き物


 それは、地球人が宇宙人と出会ったが如く

外人が、空を泳ぐ鯉のぼりを見たかの如く

鈴の双子の兄が、鈴の母親と顔を合わせたかの如く

自身の常識が通じない存在

その絶大な力が無意味だと知らしめられた存在に


 ドラゴニーズは、その拳から力を抜き


「クソ!!

 お前達が、何をしたいのか知らんが

 今は、おとなしく付いて行ってやる」と


 腕を失って怒りはするが

ドラゴニーズは自身の魔力で再生する事は出来るので

さほど、気にする事はないが

腕を失った事より

琥珀に負け、そのうえ

無様にも地面に押さえつけられた事に怒りを燃やしていた

そして、力に蓋をされた様な感覚に

その腕を再生させれていなかった

ドラゴニーズにとって、鈴と琥珀は未知の存在であり

その非常識とも言える鈴に

為されるがままに、引っ張られていくのだった。


鈴「ふふ~~ん

 やっぱり、お腹へってたんだ~~

 でもね、素材が悪くて

 そんなに美味しくないかもしれないの~~

 【お兄ちゃん】だったら

 「はぁ?

  こりゃぁ残飯か何かか?

  不味すぎる

  50点もない食事を人様に食いわせるな!

  一生懸命作ったし

  世界一可愛いらしく

  「美味しいでしょ!」聞かれて

  不味くても「美味しい」と言ってもらえると思ったか!!

  勘違いするな

  不味い物は、不味いんだ!

  自分のエゴを押し付けんな!

  もう料理なんてヤメちまえ!」って

 言いそう!

 だから、ドラちゃんも

 美味しくなかったら

 美味しくないって言って

 残してくれていいよ~

 でも、お兄ちゃんは

 文句言いながら全部食べてくれるんだけどね~~~」


 鈴は、嬉しそうに話しながら

ドラゴニーズの親指を引っ張っていき

広い食堂の中で、調理場に近い机に行くと

椅子を引き、ドラゴニーズに座るように

手で指示するのだった。


 ドラゴニーズも、その意味は理解でき

親指に絡まっていた、鈴の手を振り払い

椅子に座ると、偉そうに足を組み

腕を組もうとしたが

その左腕は無く

行き場をうしなった右手は

左腕を探し胸の前で行ったり来たりし

腰に一旦落ち着くが

普段腰に腕を持っていかないドラゴニーズは

その場所に落ち着かず

その後も数秒の間、奇妙な動きをし

最後には、なぜかアゴに落ち着き

最後まで、面白そうにドラゴニーズを見ていた

鈴を睨みつける。


 だが、そんな物、鈴は怖くない!

クスクスと、ドラゴニーズの仕草を楽しみ

自身を睨みつける姿に

「腹が減った!

 早く食い物をよこせ!」と

まるで、どこにでも居そうな

悪質クレーマー見たいな事言ってるよ!と


「ちょっと待っててね~

 すぐ焼くからね~

 やっぱ、焼きたてが一番美味しいしね~~」と


 嬉しそうに、体を左右に揺らしながら調理場に入っていった

そしてすぐに、パンが焼ける香ばしい匂いと

肉が焼ける美味しそうな匂いが立ち込める。


 鈴の狂気に驚き距離を開け

ドラゴニーズが怖くて近寄れなかった

コックの弟子や、お手伝いさんも

徐々に、厨房の奥が気になり

覗き込んでいくのだった


そこには・・・・


丸くとも楕円形とも言える、焼きたてのパンを

真横に「シュパパッパッパ、シュパ!」と口ずさみ楽しそうに

切り飛ばす少女の姿が!


と、思えば、火に掛けた鉄板の上で

肉を丸く焼き上げ、鉄のヘラで

「とりゃぁぁーーー」と放り上げ

鉄板にペタリと落ちた肉を見て

「10、0!」と楽しむ少女が・・・。


そして、焼きたてのパンに

レタスに近い葉野菜を敷

ミンチにした肉を焼いた物を置き

すでに作ってた

卵とレモンに近い果物と植物性の油を使った

【出来損ないマヨネーズ】を投下して

またパンで挟んだ


【なんちゃってハンバーガー】の完成である。


そして、当然

コックの弟子や、片付けを手伝っていた、お手伝いさん全員分が作られたていた。


 鈴は、コックの弟子達に手伝ってもらい

ドラゴニーズのいる机に

なんちゃってハンバーガーを並べる

勇者であるが、第2の塔の悪魔と呼ばれる

ドラゴニーズには誰も近寄れないが

鈴は、近づけない周りの人間達を

無理やり同じ机に座らせるのだった!



この場にいた全員を椅子に座らせ

鈴は立ったまま


「食べて食べて~~~」と

ディスチャー付きで促すのだった。


 一番初めに

なんちゃってハンバーガーに

手を伸ばし口に運んだのはドラゴニーズだった。


 ドラゴニーズは食事も睡眠も

その魔力で補う事で必要としない

だからこそ、この10と数日間

食事も睡眠も取っていない

だが、別に食べれない訳ではない

【娯楽】や【欲求】という意味で食事をする事もあるのだ

そして、目の前に出された食べ物の匂いは

ドラゴニーズの食欲という欲望を駆り立ててしまったのだった。


 右手一本で

なんちゃってハンバーガーを鷲掴みし

その口に放り込み半分近くを噛みちぎった。


 ソレはまだ、多少獣臭さが残るが

ドラゴニーズが普段食べている肉からすれば

その生臭さは半分以下

そして、ミンチにしたことで

溢れ出てくる肉汁と呼べる物が

口の中ではじめ飛ぶ!


「ぐ・・・!」


ドラゴニーズは、一瞬でかかった言葉を

固く歯を食いしばる事で、言葉を止めた

だが、その顔の表情や

その手に半分以上のこった、ソレを

勢い良く口に頬張り

次の、なちゃってハンバーガーに手を伸ばした事から

何を言おうとしたかは、丸分かりであった。


 そして、美味 (うま)そうに食べる、その姿に

コックの弟子や、お手伝いの人間達は

我先にと、なんちゃってハンバーガーに手を伸ばしていくのだった。



 鈴は、物言わぬが

美味しそうに食べるドラゴニーズに

嬉しそうに、ニヤニヤ笑いながら


「ドラちゃん、おいしい?」と聞くのだった。



 

そろそろ食べ物の話はやめたい。(´▽`;)

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