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その少女・異世界でも非常識  作者: フラック
1章 勇者召喚の儀式
17/50

16話 なんちゃって冷シャブ

 


 小一時間で

怪我人はだいたい回復した鈴

残ったのは・・・

怪我と呼べない、擦り傷で

鈴を困らせる男性神官達と

鈴の世話(水をあげたり、お菓子をあげたり)する

若い女性神官達であった。


 大きな怪我をしたのは

足の骨を折った、男性神官だけであり

彼は、すでに瓦礫の撤去に励んでいた。


そして、事有る事に

「自分は可愛い勇者様に

 折れた足を治してもらったんだ!」と

自慢げに喋っていた!


 鈴は笑顔を振りまき

集まった神官達に別れをつげた。


 鈴が笑顔な訳は・・・

これから、キュロスの案内で

神殿騎士が集まる宿舎!





【食堂】



に行くからだ。




 そう、鈴の頭の中には


【異世界の料理!】しか


頭になかった。 


 ただ、その鈴の嬉しそうな姿に

クラリスやDの視線が、マフに向くが

マフは(え?僕?い・・・言えないよ・・・)と

D達に向けて、首を振る

その困ったマフに気づく事無く

鈴はキュロスに付いていくのだった。


 大きな食堂

きっと200人は同時に食事が出来るだろう広さで

巨人族のクラリスもゆっくりできる高さの天井だが

時間もさる事ながら

多くの神殿騎士は常駐しては無く

常駐する神殿騎士も

今は、色々な後片付けの為走り回っていた。


 そんな中、机につく

鈴・マフ・キュロス・Dに

机を退かし、床に座るのがクラリス

そして、たまたま暇をしていた

(サボっていた)神殿騎士のガイエンが

鈴達と同じ机に付いた。


 ただ、第4の塔神官長【オーデン】と

第1の塔神官長【カスティーラ】が

「勇者様といっしょの机は、畏れ多いいと」

少し離れた場所に待機した。


 鈴が・・メニューを見ながら

にらめっこをする・・・・・・

キュロスもマフも神天使の加護は有るが

異世界の文字は読めない

そこで活躍したのが

陽気なおっさん、ガイエン

ガイエンがメニューを説明し

マフが、それを鈴に伝える・・・。


 さすがと言ってもいいほど

ほぼ肉料理であった。


 その中から、いくつか注文するのだった

何時しか

神殿騎士団の中でも

栄光の第一騎士団、その副騎士団長である

【鉄槌のガイエン】と2つ名持つ程の

32歳、独身の男は


「ガイエンおじちゃん!」と・・・鈴に呼ばれ


それを気に入ったのか

ガイエンは呼ばれる度に

嬉しそうに笑うのだった。


 ただ味で言えば

いくつか(マフや、キュロス、ガイエンの料理をつまみ食い)

食べた鈴は、期待はずれだった

そして気がついた

Dとクラリスは、そもそも食事を注文していなかった事に

そう、2人だけではない

キュロスやマフも既に知っていた

この世界の・・いや、この神殿の料理は美味しくないと・・。


 そして考え込む、そう

(肉料理がおおいいけど

 その血抜きの処置が甘いのか臭みが抜けてない

 それと圧倒的に調味料の数が足りていない)と・・・。


 そして騎士団・・・肉体労働が多いい?

味が濃いい、とくに手に入りやすい塩がおおいいなぁ~~

だけど、塩もたぶん海水から、それに不純物が多いいし

あと、肉料理にしては、胡椒が効いてない

やっぱり、胡椒は高いのかなぁ~~?とか

色々悩むが

素材自体は(臭みはあるけど)美味しいものがあったな~~~と

マフを通じて、ガイエンおじさんに

その食材を聞きまくるのだった。


そして、何かを決心した鈴

椅子から飛び降りると


「マフ君、みんなに、まだ食べれるか聞いて?」


マ「え?まだ、食べるの?

 僕は・・・ちょっと・・・アレだけど・・・」


マフのちょっとイヤそうな顔を見て

鈴はニヤリと笑い


「やっぱり味、濃いいよね

 だから、私がちょっと作ってくる

 あ、マフ君は一緒に来て通訳してね!」


マ「え?

 そうか、料理出来るって、さっき言ってたね」


 キュロスも、マフの言葉に反応する

いや、Dも、クラリスも

この食堂の味に不満だったらしく

いや、そもそも、この世界の料理は

だいたい味が濃いいらしく

Dなどは、ほぼ、お菓子ですごしていた。


キ「リーンは料理ができるのか?」


マ「う、うん、これから料理作るから

 皆に、ソレを食べるか、聴いてるけど?」


キ「そ・・・そうだね!

 別にここの料理が・・・どうと言う訳ではないけど

 リーンの料理は食べてみたいな。」


D「そ・・・そうね

 リーンの故郷の料理なら、一度食べてみたいわね。」


ク「よし!!!

 肉料理だ! 肉料理をつくってくれ!」と


 食堂の料理に慣れている、ガイエンや

オーデンと、カスティーラも興味津津だった。


 それを伝えると

鈴は無い胸を張って

「まかせなさーーーーい!」と

大見得を切った!


そう、大見得を切った鈴

ただキュロス達は

(少し早まったかも・・・。)と

その小さな胸を張った鈴の姿を見て

ほんのチョット後悔した。


 目の前に居るのは

幼い少女なのだ、身長で言えば120cmより少し高い程度

人族で普通に考えるなら

10歳にも満たない少女である

そんな少女が、料理なんて出来るはずがない

出来ても、母親の料理の手伝いで芋の皮むき・・・程度・・・


それは、一瞬でも美味しい料理が食べてると思ってしまった

キュロス達の、ガッカリ感は大きかった。


 それでもキュロスは

出てきた料理が、蒸し芋でも

リーンが一生懸命作ってくれたなら

美味しいと・・・言おうと思うのだった。


 この時から・・・

いや、鈴がメニューとニラメッコしている時から

マフの頭の中に、1つの疑問が浮かんでいた・・・が

頭の中が、料理で一杯な今の鈴に聞くのは気が引けると

先送りになっていく。


 そう鈴は臨戦態勢と言ってもいいほど

やる気満々で、調理場に突撃していった!


 ただ、調理場のコックにしてみたら

突然現れた少女が「料理させろ!」と言った所で

「なんだ、こいつは?」である。


だが、鈴は気にしない!


「だって私、言葉わかんないも~~~ん!」と


「どいてどいて!」と


無理やり入っていった。


 怒るコックに

マフが、何度も頭を下げ謝っていると

慌てて飛び込んできたのは

第4の塔神官長のオーデン

その姿を見たコック達は、驚いて頭を下げるのだった

そして、オーデンの説明で

この少女と、少年は

各塔で召喚されし勇者と聞き

今度は、コック達が何度も頭を下げた。


 だが、鈴には関係ない

マフを通して、コック達をコキ使う!

と、言っても食材の準備や

調理器具の準備だけで

その調理は・・・・・

マフも、コック達も、オーデンも

手も口も出せる暇も無いほど

鈴が動き回る!

動き回る!

動き回る!

ただ、その姿より

マフが気になったのは

鈴の鼻歌の元歌・・・ではある。


 鈴が一番苦労したのは

肉の臭み取りだった。


 まず、付け合せやジュースにするために在った

果物に目を付けた

リンゴ似た果実などを潰しジュース状にすると

薄切りにした肉を漬け込んでいく。


 そして、調味料作り・・・と言っても

玉ねぎや、ネギに似た野菜を数種を茹で

その旨みを凝縮した、野菜汁

それをベースに

ジュースに漬け込んだ肉を

茹でた野菜汁に、一枚一枚浸していく

簡単ではあるが、シャブシャブである

そして、お皿に茹でたキャベツ似た野菜を水気を切って乗せ

その上に、シャブシャブした肉を乗せた

冷えても美味しい


【なんちゃって冷シャブ】。


そして、クラリスの為に

ステーキ!

既にジュースに漬け置きしていた物で

厚みは2.3cm・・・美味しい肉だけど

焼き上がりを考えると、この厚みが最適だと思う

焼き加減はミディアム!

コンロと私の魔力操作で焼き上げる

究極の逸品(嘘ですよ~~)!

そして、肉を焼いた後に残った肉汁を

少し焦がし気味に炙ってから

取っておいた、シャブシャブでも使った野菜汁を少量投入!

そして魔法の粉(塩と胡椒)をふりかけて味を調整して

特性ソースの出来上がり!


それを熱々の【ステーキ】に掛けて完成!


「できたぁーーーー

 マフ君持っていくのてつだってーーー」と


マフと、オーデン

そして、鈴の料理に興味津津のコック達の手伝い

料理が運ばれてくる。


いや、その料理の匂いにつられ

待ちきれなかった、クラリスが

調理場のそばまで来ていたのだった。


 料理を作ったのは鈴である

当然オーデン達や

コック達の分も用意されていた

そう【なんちゃって冷シャブ】は手間が掛からないので

全員分が有って当然である

そして、オーデン、カスティーラや、コック達を

無理やり同じテーブルに付かせ

一緒に食べるのだった。


 一緒のテーブルで食事する事に

嫌な顔をしていたDですら

野菜の優しい味がする、シャブシャブに

その顔が綻んでいくのだった。


 色んな意味で

大いにキュロス達の期待を裏切った

とても美味しい料理に


「おいしい」と言う

鈴からしてみれば異世界の言葉が飛び交い


鈴はドヤ顔で

クラリスの「おかわり!」に応え

2枚目のステーキを焼きに行くのだった。


 ソレに付いていく、コック

そして、コックに、お願いされ

鈴にレシピを聞きに行く、マフの姿がそこにあった。


 後に鈴の全く知らない所で

【なんちゃって冷しゃぶ】は

さっぱりとして、野菜の美味しさを感じられる

美味しい肉料理としても

その上、何よりも

【世界一かわいい少女の勇者が考案した料理】として

この食堂で一番人気をほこり

いつしか街でも【なんちゃって】専門店が出来るほどの人気を誇るのだった。

ただ、この世界では「なんちゃって」と同意語の言葉は存在せず

「なんちゃって」は「なんちゃって」のまま使われた

その意味を知る者は・・・日本人のみ

【通訳勇者マフ】も・・・

なんちゃって、は、なんちゃって、、、だし、と・・・

うまく説明できなかったのだから仕方の無いことだった。


ただ


そんな


美味しい、楽しい、時間は


アノ・・・


勇者達全員に忘れられ


放置された男によって壊される。



でも、鈴には関係ない!



 

奴が!!・・・・

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