15話 ■TVショッピング。
|д゜)お安いです。
鈴とマフ達、勇者が・・・
いや、主に鈴が神官達に囲まれれ
言葉が通じなくても、それが可愛いと
可愛らしく愛嬌を振りまく鈴の姿に
噂が噂を呼び
無駄に人だかりが出来ていた中
鈴達が居る場所から
少し離れた所で騒がしくなる一角があった
人コミに囲まれた鈴だったが
その気配に気がつき、何があったのかと
怪我人を対応しながら
マフに尋ねるのだった。
「マフ君、あっちが騒がしいけど
何かあった?」
マフは、近くにいた神官と話し
「あっちで瓦礫の下敷きになった人がいるって・・・」
いっきに、気が引き締まる鈴
そう、こんな怪我人とも呼べない
おっちゃん達の相手をしている暇ではないと。
鈴「いってくる・・・
あ、クラちゃんも来て!」
マ「クラちゃん?」
鈴「も~~~
クラリスちゃん!」
さすがに、それが日本語で有ろうと
名前の発音は、異世界も同じであり
当然、それを聞いた、クラリスは・・・
「・・・・はぁぁぁぁぁ????」と
巨人族のその大きな目を点にして
大きな口を、さらに大きく開けた!
キュロスは笑う
「さて、クラちゃん、ご指名らしいよ。」と
すでに、鈴に逆らえない雰囲気の中
クラリスは、その巨体を動かし
瓦礫の下敷きになった男性神官を助けるのだった
そして、鈴の指示で
「まだ下敷きになった人が居ないか、塔の周りを見て回って」と言われ
文句を言いたげな、嫌な顔をしたクラリスに
鈴は一言
「適材適所! 困った人を助けるのは当たり前の事!」
マフから、ソレを聞いたクラリスは
「っけ!!」と不満を吐き出しつつも
鈴の指示にしたがうのだった。
下敷きになった、男性神官は
助けられたが、足の骨が複雑に折れていた。
鈴は考える・・・
【私が処置してもいいのか?】 と
怪我や傷などは、簡単な初歩回復魔法で治るのだが
(ある意味神官なら自分で治せと)
骨折ともなれば、話は別である。
それなりに知識を持った回復術師でないと
骨が綺麗に繋がらない可能性があるのだ。
それに、鈴にしてみれば
異世界の人族の体の構造と
自分の世界の人間の体の構造が違えば
下手に手を出さない方が良い可能性も有るからだ
そして何よりも
これは、ただの骨折ではなかったからだ。
鈴「マフ君
骨折の直せる神官さんが居るか聞いてみて」
帰ってきた言葉は、今すぐには居ないとの事
骨折ともなれば、医師の担当となる
それか、それなりに骨折を直した経験を積んだ神官でなければ
後遺症が出るとのこと。
鈴の視線が、Dに向く
それは、エルフが魔法を得意とする種族で
回復魔法を使えるのだと
ゲームや小説の知識
そして、何でも知っている【お兄ちゃん】から聞いて知っていたからだが
Dはそんな視線を感じると
「イヤよ!」と、そっぽを向いた
それは
(下等な生物を治すなんてイヤよ!)
と言わんばかりでもあったが
鈴も強制するつもりはないし
強制出来ない、それなりの理由もあった。
鈴は、ただ自分が好きでやっているだけであり
他人を巻き込みはするが
イヤなら、しなくて良いとも理解している。
Dのとった態度は
回復出来るが、する気はない!と
多少なり周りの人間に嫌悪感を抱かせたかもしれないが
どんな状況でも、周りの目が有ろうと
自分の意見をハッキリと口にしたDの態度は
鈴には、好印象だった。
そして、鈴の視線はキュロスにも向く
それは、キュロスが勇者と聴き
その姿は、まるで、小説やアニメに出てくる勇者そのもの
なら、回復魔法が・・・・と
ただ、キュロスは、鈴の不自然な行動に
キ「リーンが、回復しないってことは理由があるのかい?」
マフの通訳ありではあるが
鈴「私の【お兄ちゃん】が言うには
世界それぞれには
理 (ことわり)と言う仕組みがあるんだって
だから世界によって、いろんな形式の魔法が有るの
それで、一番気をつけなければ成らないのが
人や生物、あらゆる種族の命に関わる【回復魔法】【復元魔法】
それも、属性関係なしにだって・・・。
自分の世界で使うように
同じ強さで回復させても
人体における魔力強度や
魔力に抵抗がなければ
回復魔法の魔力で死ぬ事もありえる
それに【復元、再生魔法】は
肉体の変形や病気の進行・・・
または、種族の違いによる属性抵抗値・・・
不死者に回復魔法はダメだったりね
言いだしたら切りがないけど
異世界で回復魔法を使うときは
それなりに準備と勉強しろって・・・。
それに、お母さんも
新しい【回復系魔法】を使うときは
それなりに、準備と調整
モルモットを使った研究とか
しっかりした練習の上で使えって・・・。
(まぁ、さっき皆を回復したついでに
練習はしたんだけど・・・。)」
マ(モルモット・・・?
鈴のお母さんって・・・?」
キ「リーンの兄さんは・・・何者だい?
言われてみれば、納得がいくが
そんなこと
いくつかの異世界を渡ってきた私でも知らなかったよ・・・。
その理屈で考えるなら
たぶん私の回復魔法も
まだ、この世界で使った事がないから
なんとも言えないな。」
鈴「【お兄ちゃん】は・・・凄いの
なんでも知ってるの・・」
そして鈴は、覚悟を決める
骨折した神官に向かって
「これから、折れた骨を治すね
もし、後遺症がでたら、ごめんなさい
でも、このまま放置すると
足が動かなくなる可能性も有るの・・・。
だから、私に治させて!」
マフの通訳で聞く言葉だが
骨折の痛みで顔を歪める神官は
神官だからこそ
自分の足がただの骨折ではない事を理解していた
普通の骨折なら、当木をしてから
専門の神官か医師に任せれば
怪我をしてから多少時間が経っても治る事は承知している
ただ、この足は瓦礫に潰されたのだ
複雑に壊れた足の骨は
本来治る事はない。
ただ直せる魔法は存在する
その高位の回復魔法を掛けてもらうのに支払う金額は
この神官が一生働いても支払えない額なのだ。
だからこそ、神官は痛みを堪えて
可愛い少女に笑いかける
「やっちゃってくれ!
多少の後遺症なんて関係ないさ
可愛い女の子に回復されたとなれば
それだけで、一生自慢できるしな!」
マフからそれを聞いた鈴は
可愛らしく微笑みかえすのだった。
鈴「ちょっと痛いけど我慢してね!」と
神官の倍は膨れ上がった足に視線をむけた
そこには
足の内部で骨が砕け
その砕けた骨が
血管を断絶する
皮膚の下に溜まった
行き場を失った血液が
足を、その潰された場所を
倍以上に膨れ上がらせていた。
鈴は小さな手を
患部を包み込む様に持っていくと
その魔力を展開させた!
鈴は、骨折した神官を安心させる為か
まるで「絶対治るから!」と安心させるかのように
ニッコリと笑いかける。
鈴(お兄ちゃん・・・
この世界なら魔法を使ってもいいよね?
カメラや、動画も、ネットもない世界だし
拡散されることも、世間に晒され
【お母さん】に迷惑かからないよね?
だいたい、普通に魔法がある世界なら
魔法を使っても、非常識ではないはず!
ふふ、笑いながら
「きにするな、好きにしろ!」って言われそう
だから、責任とってよね!
お兄ちゃん!!!)
同時に、その意識を加速させていき
かるく、1000倍に近い【意思加速】を使い
鈴の、もっとも得意とする【魔力操作】を使う
そして・・・
『この【熱源感知 (サーモセンサー)】は
最大で0.1ミリ間隔、0.1度単位で感知できるのだ!』
『にゃぁ』
と・・・大げさに【念話】で叫んだ鈴だが
それが聞こえる存在は、こはくだけしか居ない上に
それは、ただ料理をする時
油の温度を測る為に
鈴が編み出した魔力の使い方である!
言い換えれば、ただの【温度計】である。
『フフーーン
だけど、それを肉体に使えば
0.1ミリ間隔、0.1度単位で
その肉体の構造が把握できる高性能!!!』
『にゃぁ!』
観客は、こはくのみ
勇者と呼ばれる存在すら
鈴の【意思加速】の速度に
誰も反応できない・・・。
だが、今までは、缶詰の中身や
スイカや果物の、果実の詰まり具合を見るだけの
【オマケ機能】。
『そして侮るなかれ!
1ミリ間隔、1度単位で温度を操作できる
【温度調節 (サーモコントロール)】も
兼ね備えたすぐれもの!
それが、たったの10000円
今から30分だけの
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『なぁ~』
『よし、売った!』
『にゃ!』
『ふふふ』
『にゃにゃにゃぁ~~。』
誰も知らない、楽しそうな会話が行われていたが
それは、肉を焼くのに改良した
【温度調節】と言う
料理好な鈴にとって嬉しい
【お茶目機能】も兼ね備えた魔力操作だった。
【魔力操作】それは魔法を使う上で
当たり前に覚える基礎中の基礎
魔法を扱う誰もが出来る簡単な事でもある。
ただ、これ程に【温度】に特化し
その上、ソレを、これ程に【精密】な操作が出来るのは
【鈴】以外に居ない事は
当然、鈴も解っていた
そう、大好きな【お兄ちゃん】に
「魔力を
そんな面白い使い方をするのは
鈴だけだからな!(笑)」と
大笑いされたからだ。
だが、鈴も負けずに言い返した事を思い出す・・・
「【魔力】が (小)スプーン1杯も【無い】
お兄ちゃんに言われたくないんだけど!!!」と
その後、逆ギレした、お兄ちゃんを思い出した
今では、懐かしい記憶ではあったが・・・
鈴は、ソレを使い
患者の足の内部構造を理解していく
そして、魔力で1ミリ単位で肉体を操作し
元に位置に戻していく・・・
これは、ただの補助作業
ただ、それだけで
回復魔法を超える速度で
神官の足は回復していく・・・・。
鈴の持つ魔力は回復魔法と相性がよく
多少の怪我や傷などでは分かりづらいが
この神官の様な、複雑骨折ともなれば
その回復力は目に見えて
【非常識な】速度で回復していった。
これには
さすがのキュロス、クラリス、D
そして、勇者達を見守っていた
第4と、第7の塔神官長も驚いた。
だが、これこそ、第4の塔【アールマティー】様の
【献身】の加護だと・・・。
だが、Dは
鈴の魔力操作や回復魔法よりも
その・・・
思考の速度に・・・
(リーン・・・
一体、アレは何者?
アレはどう見ても、意識の加速
それも
私の最大加速の150倍でも追いつかない・・・
神の領域とでも言うの?
嘘・・・
そんな物
常識では有り得ない
【非常識】にも・・・
限度ってものが・・・。)と
驚くのだった。




