12話 孤高の帝王
本日2話目
今日中にもう1話あるよ
スライムに近い姿となった、使い魔は
【主の双子の妹】を守る為
目の前の【敵】に、力の限り体当たりをかました!
使い魔も理解はしていた
この攻撃が意味を成さない事を
だが、主から「妹を頼む」と言われた
なら、その言葉通り命・・いや
自身の存在を無に返そうとも
守り通すのが
【孤高の帝王】と
形作られた我が努めと・・・。
だが、いとも簡単に振り払われる様に
床に叩きつけられた。
すでに、蓄積した魔素を失い
戦う力すら失った使い魔が受けた攻撃は
D曰く、この世界最強だろう力を持つ
ドラゴニートの振り払った魔力が篭る手・・・
その威力は、使い魔が消滅しても
不思議ではなかっただろう・・・
だが、【孤高の帝王】たる使い魔は
どんな事があっても、倒れることを許されない
そう
生態系の頂点に立つ肉食系動物として
その、頂点に立つために生まれた王たる資格と力を持つ男として
時には、その体より大きな動物を殺し喰らう、比類なき力の絶対者として
単独で行動し、他に媚びる事はない
その瞳は鋭く、立つ姿は気品が溢れ
何者も寄せ付けない気高さを兼ね備える
そんな、生態系の全ての頂点に立つ
【孤高の帝王】をイメージして
世界最強すら、足元にも及ばない
あらゆる世界、あらゆる次元に
並ぶ存在すら居ない、唯一無二の存在である
世界最高の【主】に創造された
使い魔だからこそ
倒れる事は許されはしない。
使い魔だろう、ソレは
体の半分ほどを吹き飛ばされながら
床にぶつかり転がり泣き叫ぶ少女の足に当たり
一度止まると
半分砕け散った体のまま
少女に被害が及ばないように
少女から離れる様に
床を這いずるよに、ドラゴニーズに向かっていく。
そして、精一杯の声を出し
「に ぁ ぁ ~ ~ ~・・・・・」と
ドラゴニーズを威嚇する・・・。
そんな、弱者の遠吠え・・・
そんな姿に、ドラゴニーズは盛大にわらった!
「その粋はよし!
我の配下に相応しき存在!」と
笑うドラゴニーズの前で
今にも消えそうな使い魔を
優しく抱き上げた少女が居た
立った姿も幼く
身長120cmより少し高い程度
長く碧い髪の毛は腰より長く
頭の後ろには、大きな青色のリボンがあり
前髪は少女の可愛らしい左目を隠した
とても笑顔の可愛らしい
【幼い少女】だった。
******
使い魔が
ドラゴニーズに突き飛ばされた!
その威力は、力を失った使い魔を吹き飛ばす
体を半壊させながら、床で一度跳ね
そのまま、床を蛇行するように転がり
第4の塔の幼き少女の足に当たった。
少女は初めて外部からの接触を受ける事となる
そう、少女の意識は、泣きながらも
足に当たった存在に傾き
それを必然的に目で追ったのだ
その目に焼き付けられたのは
大切な【家族】の姿
それも、体の半分は崩壊し
存在自体も危うい姿だった。
何よりも、家族を愛する少女にとって
これほど悲しい事はなかった。
その悲しさに
少女は全力で泣き涙が流れるが
その涙の量は
先ほどと変わりはしない
ただ、叫んでいた声が止まった
それだけであった。
少女は立ち上がり
流れる涙を拭う
涙をどれだけ流そうと
【こはくくん】は助からない!
使い魔である【琥珀】の崩壊した姿が
少女を現実に取り戻したのだった。
少女は、優しく包むように
こはくを抱き上げ
その小さな胸に包み込んだ
それは、とても優しそうな顔で
見る者に安らぎを与える母親の温もりともいえよう・・・。
そして、顔を上げると同時に
怒りを表した
「だれが、こはくくんを
こんな目に合わしたの!
絶対ゆるさないからね!!
こはくくんは・・・
こはくくんは大事な家族なんだから!」
それは、怒りの叫びと共に
家族を思い出した少女の涙混じりの嘆きだった!
ただ、その言葉は、日本人であるマフにしか通じなかった。
そんな異世界の言葉を聞く気もないドラゴニーズ
「この五月蝿いのなんだ!
ソレは我の物だ、さっさとこっちに渡せ!」
そんな態度に少女は
自身の倍近い大きさのドラゴニーズを睨む
「まってください!!!!」と
キュロス達ですら、蹴落とされる威圧の中で
声を上げたのは、マフだった
マ「その使い魔は彼女の家族だと言ってます!
だから、どうか連れて行かないでください!」
マフの言葉が日本語だと分かり少女は
ぱぁーーーと
一気に表情が明るくなり
ドラゴニーズなど無視し
「あーーーー
日本語だ!
えっとね、私は【鈴】
君の名前は?」
マ「え?・・・
僕は・・・【マフ】だけど・・・」
鈴「マフ?
日本人にしては変わった名前だよね?」
マ「あ・・・
異世界だからちょっと・・
ゲームのね・・キャラのね・・・」
鈴「ぁ、はーーい!
わかった、マフ君ね
私の【お兄ちゃん】がゲーム好きだから
その気持ちを、優しい私は何も言わず理解してあげよう!!
フッフ フーーーン!!」
ちょっと得意げに鼻をならす鈴
マ「えっと・・・ありがとう。
で、、、あの
今の状況わかってる?」
鈴「わかってる!
それで、こはくくんをこんな目に合わせたのは誰!
絶対許さないんだから!」
完全無視された、ドラゴニーズ
その怒りは、言葉が理解できる、マフに向く
「小僧、この五月蝿いのは何を言ってるんだ?」
*****
鈴と名乗る少女と、マフは日本語で会話しているのだが
鈴の言葉は、ドラゴニーズには届かない。
本来、勇者召喚で召喚される勇者には
神天使の加護が授かり
人族の共通語が、魔法にて翻訳される事となる。
マフの日本語が、共通語として翻訳され
その共通語を聞いた、ドラゴニーズが自身の言語に翻訳し
言葉が通じる仕組みではある。
ただ、この少女【鈴】は、神天使の加護を
とある事情から授かっていないのだ。
だから、少女の話す日本語は翻訳されず
日本人である、マフにしか通じない
ただ、日本語で鈴と会話する、マフの言葉だけが
周りのドラゴニーズや、キュロスに伝わり
鈴の耳には、翻訳されてない
異世界の言葉が聞こえてくる
それも、この世界の事や
ドラゴニーズが居た世界の言葉と言う
何種類もの世界の
何種類もの言語と言う、まったく違う言葉で・・・。
*****
マ「この使い魔を・・・
痛めつけたのは・・・誰かって」
マフも、この返答に困っていた
使い魔の【こはくくん】を消耗させたのは
自分達(とくにキュロスとD)だけど
最後の一撃を与えたのは、ドラゴニーズであるのだ。
マ「あ・・あの
説明に少し時間をもらってもいいですか?」
だが、そんなものドラゴニーズには関係ない
【ソレ】が欲しいから、来ただけで
【ソレ】が誰の物かなんて
ドラゴニーズには関係無いのだ
ド「我には、関係ない!
ソレを差し出せ!」
まるで、少女から玩具を取り上げるように
ドラゴニーズの手が
少女が胸に抱えた、使い魔へと伸びていくのだった。




