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その少女・異世界でも非常識  作者: フラック
1章 勇者召喚の儀式
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9話 変顔



 Dは第4の塔に行く道すがら

第4の塔の勇者の事を、カスティーラから聞くが

Dの反応は無言であった。


 結界の中で泣き叫ぶ少女

それを頭にいれDは

第4の塔の儀式の間に足を踏み入れ・・・


その手で口を抑え、笑ってしまった。


Dの見た光景とは


数人の神官は無視しても


儀式の間の中心で

結界に守られ泣き叫ぶ少女


ソファーだろう椅子に体を預けた病人


そして


泣き叫ぶ少女を笑わそうと

変顔を連発する

黄金の髪を携え金色の瞳を持つ男

勇者キュロスの姿である。


まぁ、結界の中でキュロスを威嚇する【猫】の形をした【入れ物】も無視ではあるが。


Dは、キュロスの変顔につい笑ってしまったのだった。



 突然の訪問者に気づくキュロス

そして、それがエルフの美女で

自分の変顔を笑われたとなれば

さすがのキュロスも、顔を真っ赤にして照れるのだった。


クスクスと、小さな笑いが止まらないDは


「ごめんなさいね

 勇者の中の勇者キュロスと聞いていたから

 ちょっと、意表をつかれたわ。

 自己紹介しますね

 私は、第1の塔で先ほど召喚された勇者

 名前は【D (ディー)】

 今後共よろしくね

 勇者キュロスさん・・・ぷぷぷ」 と


思い出し笑いだろうか、つい笑ってしまったD


キュロスは、すこし照れて

恥ずかしそうに髪の毛を掻きながら

「そうだな

 知っているみたいだけど

 私が、第5の塔の勇者キュロス

 ただ、勇者の中の勇者ではないけどね

 それと

 こっちに居るのが

 第7の塔の勇者【マフ】君だ」


キュロスに紹介されたのは

ソファーだろう物に体をあずけていた病人

いや、死にかけの少年

先程まで、クスクスと笑っていたDの表情が凍りついた!


(そんな・・・

 勇者マフ・・・・

 ドラゴニーズの次に強いと称された

 最強の人族が・・・この病人?)


数秒間息すら止まったDに

周りは驚くが何もできず

カスティーラが、Dの肩を揺らし

Dは息を吹き返したように

カスティーラの手を払い除け

ゼーハーゼーハーと息をする

そして、冷静さを取り戻したのか


「ご・・・ごめんなさいね

 すこし・・驚いたの

 その・・・なんと言うか・・。」


マフは、Dの顔を見た時から

すでに顔が真っ赤であった。

マフは、日本人であり

本物のエルフを見たのは初めて

その美しさに、心臓は爆発するほど鼓動していたのだ

そして、そんなエルフに見つめられれば

言葉など出てくるはずもなく・・・。


キュロスが、そんな心情を察したのか助け舟をだした


「いや、マフも気にしていないだろう

 これでも、召喚された当初は

 一人で立てないほど衰弱しててね

 今では、第7の塔から、この第4の塔まで

 (支えてもらってだが)

 一人で歩いて来れるまで回復したんだよ!

 一緒に冒険に出れるのも

 もうすぐだ!」


「そ・・・そうなのね・・・。」


少し強ばった表情で返したDだ

その視線は一度、カスティーラに向く

まるで(このカス! まったく使えない・・・。)と

カスティーラは、勇者マフの事を細かく伝えてなかったと

Dに頭を下げるのだった。


 Dは簡単にマフと挨拶を交わすと

問題の第4の勇者に視線を向けた。


「さて・・・

 とりあえず、この結界とあの箱を壊しましょうか」


Dの横に進み出たキュロスは


「ちょっと待ってくれ

 この結界は神天使様が施した可能性もあって

 手が出せないと言う話だったはずだけど?」


D「いったい何を見ているのかしら?

 この結界を発動させているのは

 あの魂の無い猫の入れ物よ」


キ「あの猫が?」


D「たぶん、使い魔でしょうね

 主人を守る為に結界を張ったみたいね

 だから、結界を壊しても大丈夫よ。」


キ「それなら話は早そうだ

 なにせ、あの少女召喚されて10日以上

 ずっと、あの状態のまま、泣いているからね

 いつか倒れないだろうかと心配なんだ。」


D「10日以上あの状態?

 泣いているとは・・・聞いたけど

 ほぼ全力で泣き叫んでるのよ

 どれだけ体力を消耗してるのか・・・

 常識ではありないわ・・・

 普通なら1時間も持たないでしょ?

 それに、ただ単に泣くと言う行動を

 10日も続けられるなんて・・・。」


 全力で泣き叫ぶ

それは全力疾走より体力を使う

なぜなら、泣き叫ぶ事と同時に

息をしなければ成らないからである

声を出し叫びながら走っていると同じ行為を

休みなく10日以上である


Dも数日は寝なくても大丈夫ではあるが

少女の行為を真似ろと言われれば

1日も持たないだろう。


Dの表情が固くなっていく

「まずいわね

 どれだけ体力と魔力を消費しているか想像もできないわ

 結界を壊すわよ。」


キュロスも魔法はエルフの専売特許だろうと

この場をDに任せ

静かに後ろに引いていく。


心配そうに見守る、マフは

「Dさん、お願いします

 あの子を助けてあげてくだい」と・・・。



 Dは両手を結界に向け

魔法を構築していく

そして、それを結界に・・・・


だが、結界は壊れなかった。


Dは違う魔法を試す・・・が

結果は同じ

そんな行為が4度ほど繰り返された。


さすがに心配になったキュロスがDに声を掛ける


「この結界は、特殊なものなのか?」


D「どうも・・・その様ね

 さっき触れて見たけど

 術式すら感じ取れなかったわ。」


キ「そうなると・・・

 正攻法しかないか

 あとは、あの猫の蓄積魔素量が

 どれほどあるか・・・か・・・

 エルフの目で確認出来ないだろうか?」


エルフの目

それは純血種のエルフが持つ、目の事である

生物の持つ、魔力や魔素を見ることができる

そして、血族感で受け継がれる高位のスキルなら

生物の魂すら、その目に映すことができる

これは、あまり知られて居ない事実ではあるが

キュロスは知っていた

そして、Dが純血種のエルフだと言う事も・・。


 そして、Dも

キュロスは知っていても、おかしくないかと・・・

でも・・・


「さっき言ったわよ・・・

 アレは、猫の形をした入れ物

 ようは【箱】なのよ

 私は箱は見えても

 その中身である、魔素は見えないわ

 そう、その箱にどれだの魔素が入っているかなんてね

 それも、あの非常識な少女の使い魔なら

 それに見合った非常識な量でしょうね・・・。」


キ「それでも

 するしか無いだろ

 あの少女も、私達の仲間なんだからさ。」


爽やかな笑顔でDに語りかけるキュロス

そして、Dがうんざりする言葉を

キュロスは笑顔のまま告げた


「それに、正攻法で

 あの結界に魔力をぶつけて

 あの使い魔の魔素を消費させるなんて

 私と【D】しか出来ないんだから

 あの少女を助けるために

 一緒に頑張ろう!」


 Dは理解した

自分とキュロス以外、誰も使い物にならない事を・・・。


そう、Dの想像していた勇者マフの姿はそこに無く

現実は、死ぬ一歩手前の病人だったのだ。


 この日から、Dとキュロスの

地道な作業が行われる事となるのだった。



 

また明日(´Д` )

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