表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/52

【魔法少女#49】ウルなりの信念

全助と魔女の一族、ノクスレインとの闘いはついにここまで来た。


「おじさん、まだいける?」


「俺はもう誰も失わねーって決めてんだわ」


そうだ、俺が望む幸せは全助のメンバーと楽しく暮らすこと。


柊も宗次郎もミリアも俺の大切な家族のような仲間だ。


「ウル、やっぱりお前は悪魔だ、最低なお前にふさわしい最後をくれてやる」


「裏切る人がわるいんじゃな~い?」


「それが俺の大切な人を殺す理由になるかよ」


瓦礫の裏側でウルは銃を構えながらこちらを睨む。


その横で膝を立てて今にも倒れそうなのが、魔人ミラ。


ミラはそもそもこの日本に来てから連戦でダメージを蓄積しており、万全じゃない。


そして先ほどの爆破、間違いなく命に係わる甚大な被害。


至って俺もなかなかのダメージだ、氷の魔法騎士ロウとの戦いで追った刀傷とウルとのダメージ、きついな。



いくらミリアが万全とは言え、相手は異界を震撼させる異形の悪魔。


おそらく相手もこの状況を整理しているはずだ。


「まぁおじさんから先に死ねばいいよ」


陰からいきなりの速射を放つのはウル、狙いは俺。


(死にかけの俺を狙う…戦場に慣れてんな)


けどそんなもんは俺でも読んでいる。


「悪魔、それはありきたりじゃねーか」


いくらいウルの速射が速くても読めれば速度は死ぬ。ほぼ同時に俺のカウンターの銃撃。


「おっと!!」


瓦礫に身を隠し弾丸から逃れる。


「悪魔、私の事を舐めないでね」


ミリアがゆっくりと歩み出す。


その顔に張り付くのは狂気的な笑み、相変わらず目だけが笑っていない。


「私はあんたを倒して幸せにする、その為なら私はあんたを殺せる」


「ロウもモアも死んじゃったけどな!!」


ウルが影の触手で瓦礫を浮かし、散弾銃のように質量を飛ばす。


「こんな影の使い方もあるのかよ」


凄まじい瓦礫の数、一瞬視界が消える。粉塵も相まって前が見えない。


(集中しろ…こんなもん訓練しまくっただろうよ)


俺はヤマ勘で発砲、瓦礫の裏を駆け抜ける影を撃ち抜く。


「これは経験値があるベテランほどかかる罠」


直後ウルがすでに真横に現れナイフを一閃。


「おじさんをやらせるわけないよね」


移動魔法の陣が壁となり俺とウルを隔てる。


「ミリアちゃん、これって意味ないよね!!」


制服のブレザーを揺らしながら急激にスライディング!なんと魔法陣を下から抜けた。


「さよなら、ミリアのボス」


「いてぇえええ」


紫の一閃が俺をまともに切り裂いた。でも浅いぜ。


俺はすぐざまカウンターの鉄棒を振りかぶる。


「よけちゃうね!!」


ウルは逆側から魔法陣に入り込み強引に距離を取る。



ミリアと俺の二人がかりでもまともに捉えることができない。


(おそらく飛び散った瓦礫の向こうにいたのはウルの作り出した影そのもの)


奴の魔法は影の操作。ウルの純粋な戦闘能力と合わせるともはや誰も止められない。


「おじさんって言うのかな?さっきの警棒止まって見えちゃった、もう死ぬか消えるかしたほうがいいよ」


「アホがよ、俺達昭和の人間は血なんざ無限に生成されんだよ」


この化け物を相手取るのは今の俺じゃ…いやそもそも万全ですら勝てやしない。


そんなことを考えていた時だった。突如としてウルが前に飛び出す。


「もうこそこそして搦め手出すのはいいや、いったんミリアちゃんの顔見るかな」


「ウル、どうせ関係なしに卑怯なんだからいい人ぶるな」


俺は近づいてくる悪魔に標準を向けて離さない。油断するかよ。


「ミリアのボス、意味ないよ、人間の武器なんて」


やはりただの人間と悪魔では素のスペックから違うのか?



そしてウルがナイフと銃を下げ語りだす。


「ミリアちゃん、ミリアちゃんはノクスレインの血に誇りとかって持ってる?」


「大勢を不幸にする一族の誇りなんか知らないね」


「そうだよね、最初からノクスレインの本家の人間じゃわからないのかな?いや、それこそ一族の事知っておくべきだよね?」


「はっきり言ってよ、ウルらしくないね」


ウルの顔が珍しく真剣な眼差しを宿した。


「あんたの憎む親族がいなけりゃ、大勢死んだ異界の子供だって沢山いたんだよ、そんなかで私やミラは救われて力をもらった」


前に聞いたことがある。ノクスレインの一族には二つの部門があると。



一つは純粋にノクスレインの血筋やその技術を継承した魔女を育てる部門。


そしてもう一つが異界の他種族にノクスレインの魔学を授け強力な戦闘者にする部門。


「私達はノクスレインがいなけりゃ戦争に巻き込まれて野垂れ死んでた、そこを助けられた、まぁ実験対象かもしれないけどさぁ」


ノクスレインが悪…それは被害にあった俺達側からの視点。


「ノクスレインの恩恵を受けるだけ受けて、不要になったら組織抜けて思想が間違ってるって?舐めるのもいい加減にしてよ」


ウルが発したのはここまでとは違う、焼き尽くすような強い殺気。


氷刃のような彼女の闘気は完全に怒りに変わっていた。


「ウルも相変わらず理解しないな、それで犠牲が出たら意味ないんだって」


ミリアは魔法陣を一瞬にして展開し、目の前にウルに向けて最速の刺突を繰り出す。


「陣が出た瞬間で読めちゃうよ」


ウルは自身の前に出た槍と魔法陣をサイドステップで回避。


しかもすでに引き金を引いている。しかも狙いは俺!


「悪魔この野郎!」


俺はギリで横に飛ぶが肩を抉る、狡猾さが群を抜いている。


ミリアと組んでなお、攻略の糸口が見えてこない。


「ミリア、これはなかなかハードな依頼だな」


「ウルは私が必ず殺す」


この悪魔をここで必ず仕留めて見せる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ