【魔法少女#43】タフVSタフ
「うちの魔女たちの攻撃、食らってタダはないよね」
「舐めんなよ…がぁは!」
俺の目から見ても宗次郎のダメージは深すぎる、もう全身血に塗れていない部分はないぐらいだ。
それでも一切歩みを止めない、金色のバットが唸りを上げる。
紫のローブをなびかせ、棍棒を掲げる魔人は不適に笑う。
「ミラはこの戦いでさらにモテる」
「知るかよ!!来い!」
刹那、俺の肩に手を置いた宗次郎が叫び、飛び出していく。
「その気持ちだけは認めるけど、無駄死にだね」
飛び出した瞬間にウルが速射、その弾丸は宗次郎の腹を撃ち抜く。
だがそれでも奴は止まらない、魔人と悪魔に向かって凄まじい踏み込みを見せる。
「宗次郎!!」
俺は背後から援護射撃!複数の弾丸がノクスレインの戦闘者に向かっていく。
「ウル!!顔がいいから守る」
「そんな理由かよ」
魔人ミラの巨大な棍棒により俺の弾丸は全弾防がれてしまう。
けどな…この一瞬で十分なんだよ。
宗次郎は強引に距離を詰め切っていた。
金の一閃が空を切ってその瞬間、鈍い金切り音が木霊。
「ミラは世界一!!!」
「関係な…い」
両者凄まじいパワー!!比喩ではなく稲妻のような火花が散る。
宗次郎が鍔迫り合いの態勢のまま腹を蹴り上げる。
「ミラはモテる…がぁあああああ」
奴の腹はミリアに穿たれて重症、蹴りの衝撃でミラの口から血が漏れる。
「魔人も鬼人もタフなんだよね」
ウルが放ったのは二人を目掛けた乱射!その弾丸は容赦なく両者の体を貫く。
(仲間ごと??)
見るにミラは先のミリアとの戦闘ですでに限界、いくら魔人でも耐えきれない。
宗次郎とミラの背や腹、その弾が通った部分からは滝のように血が流れ続けている。
「俺は…特別な日常を守んだよ!!」
拮抗している鍔迫り合い、宗次郎がやや押し始めた、ここしかない。
「オラよ!!宗次郎逃げろ!!」
俺は着火した炸裂弾をミラの足元に完璧に転がす、その同時にウルに牽制の弾丸を放つ。
「おじさん、悲しいくらいに優秀だね」
ウルを射線に入れない、こいつさえ退かせればそれでいい。
スカートを揺らしながら壁に滑り込む、影の能力も近距離では無ければ脅威ではない。
火のついた炸裂弾を前に、魔人ミラはいたって冷静だった。
「こんなもの子供騙しに過ぎない」
力の押し合いの中で足で炸裂弾を蹴り飛ばしに行くその瞬間だった。
「これを待ってたんだわ」
宗次郎が急激にバットを手放しミラの体に強引に抱き着く。
「なに!!!」
強力な力比べの中で力を抜かれた…ミラの態勢も悪い。
その最中、地に落ちたさらなる金属音。
「ここでお前を道ずれにする」
それは…宗次郎のジャケットから落ちたもう一つの手榴弾。
「宗次郎!!逃げろ!!!」
一つ目がもう起爆する!ヤバい!
その瞬間。
「がぁああ離せ!!」
魔人ミラが鬼の形相で宗次郎の拘束を抜けようと腕を掴む。
両者刻まれたダメージは深い、人間では間違いないく死んでいるダメージ。
「結局は気合なんだよ!!」
ミラの腕と角を強引に掴みこんでいる宗次郎は岩のように動かない。
「悪魔的だな!」
一瞬顔をのぞかせたウルに向けて俺は発砲、ここは宗次郎を信じるしか…ないのか?
「私を待つ女が沢山いるのだ!!」
掴み合う異界の男女の下で二つの爆弾が金色の光を帯びた。
「鬼人…お前の事は忘れないぞ!!」
魔人が乾いた笑いを漏らした直後。身体を押し付ける途轍もない衝撃が中路地に響き渡る。
俺はその衝撃で瓦礫の山に突っ込んだ。二人は…どうなったんだ!?




