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【魔法少女#26】不幸せになれ

「悲しいね、もうミリアちゃんに会えないなんてさ」


「今戻ればミラが可愛がってあげる」


私__ミリア・ノクスレインは窮地に追い込まれていた。


二人と共に訪れた人通りがそれなりにある広場。


そしていきなり現れた、”最悪”の敵。


(影が今もない…これはウルの能力か)


不適な笑みを見せながら、ウルが話し始める。



「ミリアちゃんにはわかっちゃった?」


「影牢獄、ある一定の範囲の影をその範囲から出れなくする…意味がないように感じるけど?」



その問いを待ってましたという笑いがウルに浮かぶ。


「そう、弱い私達がまともにミリアちゃんと戦うとさ、悲しいことに負けちゃうじゃん、だから…」


そういいながらウルが拳銃を胸から取り出した。



「ミリアちゃん以外を狙えばいいよね!!」


その照準は…後ろの柊と瀬奈ちゃん!!まずい!



「私がやらせるわけなよね」


魔法陣で二人を…いや!まさか!



「無駄だよ、ミリア、大人しく私の女になって」


同時、ミラが紫の帯をなびかせながら飛び出してきた!その圧力は尋常じゃない。


(影牢獄…ウルの能力でこの空間から”移動”させれない…やられたね)



私の魔法陣は二人を少し遠くのトイレの影に移動させる。


「ミリア!!」


「ミリアちゃん!!」


二人の安全確保さえ…けど、こいつらは甘くない。



「誰かを守るなんて、悪魔的にかっこいいね」


ウルの速射が私の腹を掠める…相変わらず基礎のスペックが高い。



「私を忘れるな!!」


「忘れたいよ、今すぐに」


移動魔法のトラップ、こういう使い方もある。


一瞬にして私とミラの前に白い魔法陣が壁を作る。



「これはやられたな!」


ミラを強制的に”移動”させた、しかもその先は___



「お前が吹き飛べ、ウル!」


もう一つの魔法陣はウルの前、捉えたよ。


けど、ウルの表情はまるで退屈と言わんばかりに凍っている。



「止まってね、暴力女」


「やばやば!!」


ウルが棍棒よりも早くにミラの影を踏んでいた、ミラが急停止。反射神経がずば抜けている。



「襲ってくるのは知ってたけど…ほかの人…ましてや友達を狙うのは許さない」


先ほどまで満たされていた、青くて、切なくて、どこか不完全な青春の気持ち。


それが今まで私自身が封をしてきた”ドス黒い”何かに覆われていく。



「お前ら二人だけは…不幸せになればいい、もう救う気はない」


目の前が真っ赤に染まっていく、今まで沢山の幸せで蓋をしてきた殺意が私の何かを塗りつぶしていく。



「全てを奪って不幸にする…悲しいことにこれが穿界の魔女の本来」


「ミラ的にこっちの方がそそるかも」



やはりノクスレインが育成してきた戦闘者はまさに異質。


超一流以上の戦闘能力に加えて魔改造された魔法学の力。強敵だ。


(影牢獄の効力は約100mほどだったはず、ならば範囲の対象は限定される)


陰に隠した二人以外はとりあえず問題なさそうだ。



「大丈夫だよミリアちゃん、この能力は周りから私たちをみれなくもできるから、邪魔は入らないよ」


「見ず知らずの通行人を人質にし放題ってことでしょ」


事情を知らずに広場にいる人に照準が向けば。”気づかない”。特に範囲外の人間は…



「私は幸せになるんだよ」


今回ばかりは許さない、まずはウルから抑えに行くしかない。


そして移動魔法と混ぜた変幻自在の連撃をウルに叩き込む。


「複数の魔法陣の方向を読めばいけるかな」


ウルの体の周辺を覆う小型の魔法陣、その角度を読みウルが回避する。


私の槍術と移動魔法を合わせた連撃、一歩的に終わらせる。


「やっぱミリアちゃんヤバいね!!」


一つの魔法陣から繰り出した槍を戻し、再び突けば別の魔法陣から槍が出現する。


渾身の力を込めた槍がウルを捉える。


「捕まえちゃんた…ミリアちゃんのステッキ」


影がウルの制服の裏で、触手のように槍を掴んで離さない。



その刹那、まるで体が固まったかのように動かなくなった。


「影踏み!!」


「苦手なんでしょ、近距離戦」


だが…今回の相手はウルだけじゃない。


「両方とも制服姿なのは好みだ!」


ミラが棍棒を振り上げ高く飛び上っていた。



「私は食らわないよ」


私の影を踏むウルの足を移動魔法陣で1m横にずらす、動ける!



「おっとこれは流石!」


ウルはもはや目で追えないほどの速度で魔法陣から足を抜く、さらに照準はもう合っている。



その直後、爆弾のような威力の棍棒が天から落ちる。


「潰れて私の枕になれ!!」


「はぁああ」


「私も巻き込むなよ」


際で私は危険領域から抜け出した、まさに薄皮一枚__ではなかった。



肩に走るのは灼熱に溶かされたかのような激痛。


(避け切れなかった…かすっただけこのパワー?)


「避けて満足しちゃだめだよ、ミリアちゃん」


回避しながらもウルは狙っていた。



乾いた音と共に凶弾が私に頭目掛けて飛んでくる、速射の技術が高すぎる。


「痛いよ…本当に」


避け切れずに頬に赤が走っている、もうボロボロだよ。



「私を狙ったことを絶対に後悔させてやる…」


私の幸せを壊す奴に、幸せを願う必要ないよね?


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