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【魔法少女#23】友達が欲しい?

俺の名前は柊透。


「ミリア、透、聞いたか?あの金花探偵事務所が何者かによって壊滅させられたそうだぜ」


「は?」


「それは不幸せなニュースだね」


便利屋全助で床を磨いている、新人従業員。とんでもない知らせで手が止まる。



金花探偵事務所は隣町、瀬礼市で勢力を拡大してる、新進気鋭の探偵事務所。


メンバーは全員が超個性的な精鋭、瀬礼市の中ではアンタッチャブルの領域。



「ほかの探偵や烏天狗の取材屋にも聞いたが、間違いないらしいぜ」


「これは正直聞きたくない話だね」


ミリアは丁寧に磨かれた床に雑巾を落とした。



「こんなことができるのなんて、絶対ノクスレインの仕業以外ないよね」


「ウルか、または別の戦闘者が人間世界にやってきた可能性もあるのか」


二人は事態の重さを感じ取る、俺でもわかる、これはヤバい。



その時、事務所の扉が開く、相も変わらず建付けが悪い。



「す、すみません…」


「どうぞ、便利屋全助に」


「こんにち__って柊君!」


「え!」



ドアを開けた先にいたのは、俺と同じ学校の制服に身を包む、同級生のクラスメイト。



「紫崎さん、だよね…?」


「柊君、話すのは2回目だね」


彼女の名前は紫崎瀬奈、教室ではそれなりに話す程度の距離感、中は良くもなければ悪くもない、文字通りクラスメイトだ。



「柊の友達?」


「そう、そう俺と同じクラスなんだ」


掃除に空き始めたミリアがここぞとばかりにやってくる。



「紫崎瀬奈です」


「私はミリア、全助のエースで魔法少女です」


「魔法少女…?」


まずい、紫崎さんが混乱している…


当たり前だが、いきなり自分の事を魔法少女という奴が現れたら、皆こんな反応になるだろう。



「まぁ、とにかく、座って話そう」



_______________




「私、学校に友達が欲しいんです」


制服のスカートを強く握りしめる彼女、どうやらその思いは本物のようだ。



「友達?」


ミリアは興味ありげに問い返す。



「はい、私はクラスでは、いい意味で中間層、悪い意味で誰とも仲良くないんです」


紫崎さんの誤魔化すような笑い、そりゃ一見すればどうでもいい依頼かもしれない。


でも__その思いは、俺の悩みと似ていた。


紫崎さんは誤魔化すような笑いを続けながら答える。



「そしたら、近くに便利屋さんがあるって聞いて、悩み相談してみようかなと、こんな依頼にもなってない話、おかしいですよね」



可笑しくないなんかない、俺と同じ”特別”を求める彼女がおかしいわけがない。


俺が言うよりも先に、となりの魔法少女は立ち上がっていた。


「そんなことないよ、私が紫崎さんを助ける、絶対に」



絶対の自信家、それでいて一切過信ではないのが彼女の凄いところ。


「そんな…助けるはオーバーですよ」


そんな彼女をみて、紫崎さんの空気がほどけた。



「でも紫崎さん、俺の個人的な感想だけど、別に中のいい女子多そうに見えるよ?」


そう、彼女が求めるのは”友達”。


中のいい友達はいるように見える、それが若干気になった。



「そうですね…それは」


紫崎さんの目に影が映ったその時。


「じゃぁ私がなるよ、親友」


「は?」


立ち上がったままの魔法使いの魔女は元気よく叫ぶ。



「えっと…ミリアさんが?」


「私じゃダメ?」


「いや、ミリア、彼女が探したいのは多分学校に通ったりする友達だろ?ミリアは学校通ってないじゃん」


そう、彼女は異界出身の異界人、歳は同じだが人間の教育は受けていない。


「なら私、入学するよ!二人のいる学校!」


「入学!?」


その時、掃除がひと段落突いたおじさんこと玄さんが書類を持ってやってきた。



「俺、校長と昔から知り合いだし、ミリアもまだ人間的にな年齢ならJK、高校に行かせようとは思ってたんだよ」



いきなり話が進みすぎだろ…これ、紫崎さんの依頼を受けることが今回のメインだよね?



「じゃぁ紫崎さん、これからよろしく」


「は、はい…」


いきなりの展開に紫崎さんはついてこれていない。



「全部助ける、それの為ならマジでめちゃくちゃだな」


でも、俺はそんな彼女おもしろいから、”普通”から抜け出せた。


今回の依頼、がっつり学園ものかよ…


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