【魔法少女#15】最強対決…ミリアVSウル
「ミリアちゃん、かわいらしいあんたの人生もおしまいだね」
「私の幸せはここから続いていくだよ」
向かい合う両者のオーラは途轍もない、触れてしまえばこちらが溶けそうなほど。
「ミリアちゃん、組織を裏切ったらだめだよ?戻ろうよ、そして皆を不幸にしない?」
「私の信念とは真逆、もう戻ることは無い」
ミリアは異界出身の魔女の一族。その組織を裏切り、現在は便利屋 全助にいる。
「魔法とは生物を豊かにして、生物が成しえなかった不可能を可能にする技術、それを魔女だけのものにして世界を牛耳るなんていう幼稚な思想にはついていけいない」
「は?ミリアちゃん、流石に勘違いが過ぎるよ、それ」
その言葉を聞いたウルの声が地を這うように低くくなる。
「うちらは魔女一族の為に産まれて、魔法を取り戻すために力を与えてもらった…その大義も果たさず自分勝手な奴…死んでいいよね」
「まぁウルの言い分も正しいよ、でも、私にはやらなきゃいけないことがある」
同じく、ミリアの声も低くなる。
「私を育てた一族には感謝してる、でも、それじゃ全員は幸せにはできないんだよ」
ミリアの構える槍上のステッキ、白い魔力が籠っている。
「幸せ…?笑わせないでよ、結局ミリアちゃんが勘違いしてるだけ、地獄で反省してね」
言い終わるよりも早く、ウルが飛び出した、その速度はとんでもない。
「超近距離戦、ミリアちゃんの魔法的に苦手だよね」
「私を知ったように語らないで」
異界の最強戦闘者同士の途轍もない攻防戦、ナイフと槍が暴風のように交錯する。
「悲しいことに、私には勝てないよ」
「そっちこそ、ナイフで勝てるとでも?」
閃光のような連撃の中で、ミリアの刺突は凄まじい威力、まともに食らえば簡単に命に届く。
「長いだけの武器は距離さえ詰めちゃえば意味ないよ」
「私のセンスを舐めた奴はみんな死んだよ」
そんな槍の刺突さえやナイフで軽々と捌く…こいつの戦闘力のそこが見えない…
だが…俺はどこかミリアの戦闘に違和感を覚える…
(なんでだ?あの白い魔法陣でウルを飛ばしたり、槍で変則的に攻撃しないんだ?)
ミリアの白い魔法陣は移動魔法、あらかじめ俺の胸や予測地点に陣を____
”あらかじめ”…まさか!
その時、俺が抱えていた鬼山が語りだす。血の量がヤバい。
「ミリアの魔法は強力だが…事前に位置を計算して距離や魔力量の繊細な操作がいる、あんだけの接近戦の間じゃクオリティーが下がる」
「ウルはそれを知ってるからあえて近距離に飛び込んでるのか」
拳銃ではなく敢えての接近戦にはこの作戦があったのか…
口で簡単に言うが、身長よりも巨大な槍を裁けるものなのか?
「でも流石にミリアちゃんは強いなぁああ!!」
戦局が変わり始めたのか、ウルから一歩的に刻まれていく。
「私の弱点をそれでついたつもり?舐めないでよ」
突き、薙ぎ、石突によるカウンター。ミリアも槍の達人、近距離でも負けてない。
直後、ウルが強烈に下がる、しかも手には銃!
「舐める…?私に油断という概念はないよ」
下を巻くほど正確な速射、動作が速すぎて追うことができない。
「珍しい、ウルも焦るんだ」
ミリアの前にはすでに白い魔法陣、幾何学の紋様が弾丸を吸い込んだ。
「そのままお返しするね」
直後、ウルの前にも魔法陣が展開!
「これは悪魔的だ!!」
直後、自信が放った数発の弾丸がそのままウルに戻ってくる。
ウルも一流の戦闘者、当たり前のように凶弾を掻い潜り態勢を整えた。
だがこの隙ができれば、うちの魔法少女は止めれられない。
「私の強さ、見誤ったね、ウル」
ミリアの前には同じ魔法陣が展開。同時ウルを覆うように白き死の門が開く。
次の瞬間、魔法と融合された回避不可の突きが走る。
ミリアが突いた槍は魔法陣を通り、離れたウルの眼前に飛び出す。
「これはなかなかお目に掛かれないな」
ウルが回避しても次の魔法陣を通り再び死の刺突が迫る。
一方的…あれだけ強かった悪魔ウルを急激に追い込んでいく。
「私には届かないんだよ、ウル」
「いや、そっちこそ私を知らないんだ」
次の瞬間、ウルが再び照準を合わせる。
「悪魔的に殺すよ」
「まずい!!二人とも!」
照準は…ミリアはではなく、俺達二人を捉えている。
「やべぇぇえぇ」
「クソ悪魔がこの」
乾いた音が響く前に俺はさらに物陰に飛び込む!鬼島が際でバットを振った。
金属音が路地に木霊した。それは弾丸を弾いた音。
鬼島が降ったバット、それが弾丸を正確に弾いていた。
しかし、それすらもあの悪魔の計算通り。すでにウルは飛び込んでいた。
「ミリアちゃんの弱点その2」
なんと、白い魔法陣に飛び込み、ミリアの眼前に迫った。
「隙ありだね」
紫の一閃が魔法少女の首元に迫る。こいつは隙を作るのがうまい。
「いや、無理だね」
ミリアは際で後ろに飛ぶ、その瞬間。
「ほら!!隙ありでしょ!!」
ミリアがさっきの鬼島同様、空で停止した。まるで何かに縛られたように。
「だから、私には無理だよ」
「おっと!!」
突如としてミリアが急に動き出し、槍の逆袈裟が昇る。
「痛いのは悲しいから嫌い」
ウルの顔には薄い赤の線、危険地帯を抜けやがった。
「影を踏む、あんたの影の能力の一部か」
「まぁ幼馴染にはばれちゃうね」
ウルの足に合ったのはミリアの魔法陣、足首からその先は2m離れた場所にある。
「あの状態で魔力をこんなにも正確に操作できる…やっぱミリアちゃんは特別だ」
「ウル…ここで降参すれば命は取らないよ」
その問いを聞いたウルは足元に何かを落とす。
「まぁ今日はあいさつしただけだから」
その落下物が急激に白煙を巻き上げる、視界が急激に白に染まる。
(銃撃の可能性!!)
俺は鬼島を抱えて地に伏せる。
「じゃあね、ミリアちゃん、次はちゃんと殺しにいくから」
その言葉を残し、白煙と共にあの悪魔のJKは姿を消していた。
「なんなんだよ…まじで」
「とにかくみんな私が病院に運ぶ、全員絶対助ける」
俺達全助を狙ってきた、悪魔ウル…その強さの底は見えていない。
そして…この時は知らなかった。俺達はもう地獄に片足を入れていることに。




