【魔法少女#14】悪魔ウルの力…
俺達が認識できないほどの速度で、ウルは立ち上がり銃を構えていた。
「もうHPもない」
その刹那、撃鉄が落ちる。
まさに次元が違いすぎる速射は避けるので精一杯。
「ふん」
鬼島の腕が削れた、だが、鬼島も猛者、それは浅い。
「死因は私と戦ったこと、悲しいね」
流れるような動きで鬼島の暴風域に入り込む、ここに来てキレが増し始めた。
「ならてめぇの死因も俺と戦ったことだよ」
爆発したかのような戦力のスイングがウルに向かって繰り出される。
「オラ!!」
全てを砕くその剛撃をウルは簡単に掻い潜る。
「まぁまぁかな」
奴はすでに再び拳銃を握っていた、もう避けられない!
「脳筋タイプは読みやすくて助かるよ」
「舐めんなよ」
ウルの凶弾を鬼島はサイドステップでかわす…
はずだった。
「もう、動けないよね」
「何が…起きてやがる」
飛び出したはずの鬼島が、突然動きを固められたかのように止まってしまった。
「影踏み、子供のことやらなかった?」
拳銃はフェイク、もう刃が一直線に向かっている!
「ミリアの友達の鬼さん、まぁそれなりだったよ」
「くそったれ!!」
殺意が強烈に乗った刃が鬼島の胴を完全に切り裂いた。
ここまでの攻撃は…いくらなんでも鬼人族でも耐えられない。
「くそが…」
鬼島が片膝をつく、もはやなんで死んでいないのかわからないぐらいだ。
「お、鬼島さん!!」
俺は影から飛び出した、ウルの言葉通りなら、まだこの負傷者達には猶予がある、あとは鬼島の舎弟を信じる。
「ねぇ、そこの男子」
「呼び方がクラスメイトの女子すぎるな」
俺のことを見る顔は笑顔、だが、変わらずに目だけは笑ってない。言葉も軽い。
「あんたの狙いはなんだ?なんで全助を、ミリアを狙う」
「あんた最近ミリアから魔道具系で助けてもらってんでしょ、なら大体わかるでしょ」
ミリアはかつて、魔女の組織に属していた、だが、なんらかの理由で抜けたことは少しだけ知っている。
(鬼島さんはもう戦えそうにない…俺はどうすればいい)
俺に突き付けられた絶望の現実、もう悩むことすら無意味なほど追い込まれてる。
だが、その時だった___
俺の胸が、”あの日”と同じく白く光り始めた。
「おっと、これは悪魔的な展開だ!!」
ウルが強烈にバックステップ、白い光が路地を照らす。
幾何学的な魔法陣から繰り出されたのは、閃光のような槍の突き。
「速い、久々にもらっちゃたなぁ、ミリアちゃんの攻撃」
ウルの肩を掠めた槍が、魔法陣と共に消えていく。
「私は、あんたみたいなゴミとは会いたくなかったよ」
”あの日”と同じく、空から現れたのは、白銀に包まれた槍の魔法使い。
「宗次郎、あと柊、ごめん遅れた!」
「ミリア…ごふぁ…俺はまだ」
満身創痍な鬼島を俺は抱えて横に逃げる。
「鬼島さん、いったんここは退避しましょう!」
分厚すぎる体、貧弱な帰宅部ではなんとか引っ張るので精一杯。
(ミリア…あとは頼む)
ここでミリアが来なければ、鬼島を抱えた瞬間に俺達の命は消えていた。
その頃、ミリアとウルは向かい合っていた。
「真打の登場、この主役を待ってたよ」
「私の仲間と冥王の人々を傷つけた、あんたはここで私が殺す」
超一流の戦闘者が睨み合い空間、比喩ではなく空間が歪みそうだ。




