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AI創作論  作者: 真義あさひ


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3/4

AI小説の商業化取り消し事件

エッセイジャンルの連載中日間2位、週間3位、月間、四半期もランクインありがとうございます。

短期で一気にまとめられればと思っております。

前回は、「創作とは体験である」という話をしました。


今回は、その話がそのまま通用しない場面の話です。



最近、AI創作に関して、ひとつ象徴的な出来事がありました。


アルファポリスの「第18回ファンタジー小説大賞」において、


コンテストの大賞と読者賞のダブル受賞作品が、後に大部分AI生成であると受賞後の運営への通報と作者ヒアリングで判明。


受賞自体は取り消されなかったものの、


副賞だった書籍化・コミカライズ化が取り消される、という対応が取られました。


参考:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD068900W6A400C2000000/



まず前提として。


これは「良い・悪い」で単純に切れる話ではないと思っています。


読者投票で上位に入っている時点で、その作品は一定の読者体験を成立させていたわけですから。


そう、つまりAIを活用した小説作品が、読者の反応を引き出すものだった。



一方で、商業として出版・コミカライズするとなると、また別の基準が入ってくるのも事実です。


作者本人も近況で経緯に触れていて、


コンテストでの受賞や、当時は書籍化・コミカライズが確約されていたこと、


その後、AI活用に関する規約変更に伴って企画が白紙に戻ったこと、

(注記:コンテスト公募時点ではAI作品の参加禁止ルールがなかった。本件は規約実装の時期がすごく微妙だった)


そしてそれを「失ったもの」とは捉えず、むしろ前向きに受け止めている、というスタンスが示されていました。


全体として、強い不満や怒りというよりは、状況を受け入れつつ、次に進もうとしている印象です。



一方で、アルファポリス側がどのような基準でこの判断に至ったのか。


どの程度のAI生成比率や制作プロセスが問題とされたのかについては、外から見える形では明確に示されていません。

日経新聞の記事にもそこまでは書かれていない。



そのため、今回の対応が


「AI使用そのもの」によるものなのか、


それとも


「作品の完成度や制御の問題」によるものなのか


は、外から見ている私たちの側からは判断しきれない部分があります。



実際、その作品のコメント欄を見ていると、


複雑な概念や用語の扱い

設定の細部での齟齬など


いわゆるAI生成作品で起こりがちなズレを指摘する声も見られました。



ここで重要なのは、

この出来事が「AIだからダメだった」という単純な話ではない、という点です。



前回書いた通り、

創作は本来「体験が乗っているかどうか」が本質です。


ただし、

商業の場になると、そこにもう一つ軸が加わる。



それが、

「その作品が安定して再現できるかどうか」

という視点です。



読者投票は、その時点での“結果”を評価します。


でも商業は、その結果を継続的に出せるかどうかも見られる。


そう考えると、今回の対応は、


読者評価と商業判断が分離されたケース


と捉えることもできると思います。



個人的な話をすると、私はアルファポリスでデビューしているので、この件について、強く批判的に書くつもりはありません。


出版社としても、かなり難しい判断だったと思います。



ただ、それでも正直な感想としては、少し残念だな、という気持ちはありました。



たとえば、


リライト前提での書籍化や

AI使用を明示した上での展開など、


別の選択肢もあったのでは、と感じたからです。



特に、読者投票で支持された作品が、そのまま商業に繋がらなかった、という事実は、今の時代の転換点を象徴している気がします。


(ただ、アルファポリスの受賞作あるあるではある)



この出来事は、AI創作が「個人の表現」の話から、


「商業としてどう扱うか」という問題に移行した、ひとつの記録すべきケースだと思っています。




じゃあ、この状況の中で、個人のクリエイターは、AIをどう使うべきなのか?


とその前に、そもそもAI生成の小説が問題視され、炎上スレスレまで燃えてきた状況を見てみましょう。




【補記】

2026年4月現在、アルファポリスの小説賞コンテンツにはAI使用について、下記の規約がある。


※AI生成作品はエントリーできません。

 AI生成作品の範囲としては、作品の大部分において文章(漫画や絵本の場合は画像を含む)の作成を主目的として生成AIツールを利用して作られた作品が対象となります。 プロットの検討や文章の校正など、補助的な利用にとどまる場合は「AI生成作品」の対象外となります。



個人的には、「AIを補助的に使用」に留めてるのに、「AIに大部分を生成させてる!」と言われる危険性があるよなあと曖昧さを感じる規約ではある……


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