ヒルダとレベッカ対スモールトレント その一
自身の声掛けに少しだけ驚きながら振り返ってきたレベッカに、軽く頷いていったヒルダが、スモールトレントにお試しの意味で威力を抑えたファイアレーザーを発射していく。
この一撃が着弾した時にスモールトレントがどれだけダメージを受けるかでこれ以後の魔法威力を決めようと考えたヒルダだったが、この後起こる予想外の光景にその考えを見直す事になる。
「……え!? ヒ、ヒルダ様!?」
「……。いきます、ファイアレーザー!」
「えっ!? いきなりファイアレーザーなんですか!?」
「心配ありませんよ、レベッカさん。威力は抑えていますから」
「……うん? 威力を、抑えた……? なんの為に……?」
「これからどれだけの手加減をすればいいのかを確認する為に、ですね」
「……ほう、なるほど……?」
「ええ。さて、どうなりますかね……?」
「……ギッ!? ……ギ、ギギッ!」
「……うん?」
「……あ、あれ? ス、スモールトレントは、あの鞭のような枝で、ファイアレーザーを防いだ……?」
ヒルダとレベッカが驚いたスモールトレントの行動は、攻撃手段にしていた枝と、枝に生えている葉でファイアレーザーを防ぐ、というものだった。
この防御行動にヒルダとレベッカが驚いているところにスモールトレントは、ファイアレーザーを防ぎきって自由になった枝で二人への攻撃を再開させてくる。
「……ギ、ギギッ!!」
「……防ぎきりました、か……なかなかやりますね……」
「そんな……ヒルダ様のファイアレーザーが……?」
「そんなにショックを受けなくても大丈夫ですよ、レベッカさん。威力を抑えていたのですから」
「そ、それはそうですけど、でも……」
「ギ、ギギッ!!」
「……うん?」
「えっ? あっ!?」
「おっと! ……あまりのんびりしている暇は無さそうですね!」
「そ、そうですね、ヒルダ様! くっ!?」
再開されたスモールトレントの攻撃を、ヒルダとレベッカそれぞれが剣で弾いていく。
そんな二人の姿を見たスモールトレントは、枝での攻撃を続けながら二人への目眩ましとして木の葉を撒き散らしてきた。
この妨害行動にレベッカは慌てながら、ヒルダは冷静に落ち着いて対処していく。
「……ギギッ!」
「……へっ? えっ!? 葉っぱが!?」
「なるほど、目眩ましですか。なかなか有効な作戦ですね!」
「ちょっ、敵を褒めてる場合ですか!? ヒルダ様!?」
「レベッカさん、目を離してはいけませんよ? やられてしまいます」
「そ、それはそうですけど、くうっ!?」
「いきます、ファイアレーザー! ウインドレーザー!」
「ギギッ?」
レベッカが枝と木の葉への対処に苦戦するなか、ヒルダはファイアレーザーとウインドレーザーの連続使用でスモールトレントの葉を吹き飛ばしていった。
閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねよろしくお願いします!




