昼休憩の提案
ヒルダとレベッカがこの日の修行を始めてからすでに五時間が経っていた。
ここまでで四十体以上の魔物を倒し、良い感じにお腹が空いていた二人はお昼休憩をとる事にしていく。
「……ふう、今日はもうかなりの修行になっていますよ、ヒルダ様!」
「そうですね、レベッカさん。はい、飲み物をどうぞ」
「あ、ありがとうございます、ヒルダ様……ゴクッ、ゴクッ……プハーッ!」
「……はい、昼食のパンと昨日のステーキの残りです。遠慮なく召し上がってください」
「何から何までありがとうございます、ヒルダ様。それでは、いっただっきまーす! ガブッ! ……モグモグ……モグモグ……」
「……」
昼食として手渡された飲み物とパンとステーキを、次々と胃袋に放り込んでいくレベッカ。
そんなレベッカの豪快な食べっぷりを少しの間眺めていたヒルダだったが、レベッカがある程度落ち着いたところで午後からの予定をどうするかについて質問をしていった。
「……モグモグ……ゴクン! ……あの、ヒルダ様? さっきからどうしたんですか? あたしの顔をじっと見つめて……?」
「ごめんなさい、少しどうしても聞いておかなければいけない事があったものですから……」
「聞いておかなければいけない事? それって、なんですか?」
「今のこの休憩が終わった後も、このまま第一階層で修行を続けていくのかな? と思いまして……」
「……それはつまり、修行場所を第二階層にしてみよう、という事ですか……?」
ヒルダの質問内容からある程度ヒルダが言いたい事を察したレベッカが、恐る恐るその予想を口にしていく。
これにヒルダは、とても良い笑顔をしながら頷いていくと、改めてレベッカに第二階層に降りてみないか? と問い掛けていった。
「ええ、その通りです、レベッカさん。よく私の言いたい事を察してくれましたね?」
「……あ、あはは、ははは……」
「……レベッカさん。改めてお聞きしますが、第二階層に降りていってみませんか?」
「……う、う~ん……」
「危ないと思ったらすぐに第一階層に戻ればいいですし、最初は負荷増大魔法を解除して支援魔法だけを使って状態で修行していけば良いですから」
「……そうですねぇ……」
「……時には自分に厳しくならないと、修行にはなりませんよ、レベッカさん?」
「……そうですねぇ……そうなんですよねぇ……」
「……レベッカさん……」
「……わかりました! ヒルダ様の提案通り、午後からは第二階層で修行する事にします!」
「……はい、了解です、レベッカさん」
ヒルダの言葉に押され、遂に第二階層に降りて修行する事に決めたレベッカ。
そんなレベッカの決断にヒルダは拍手を送っていった。
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