リビングアーマーと村人達
村人達が混乱しながら行ってきた質問に対して、ヒルダが穏やかに笑いながら一つずつ返答していく。
「ふふ……このリビングアーマーが私とレベッカさんを襲わずに私とレベッカさんの後をついてきているのは、私がこのリビングアーマーの製作者だからですね」
「……製作、者……? ……え、ええ!? こ、この魔物、ヒルダ様が作ったのですか!?」
「ええ、そうです。ただし元になる鎧はお師匠様に作っていただいたもので、完全に私が最初から作った、というわけではないのが悲しいところなのですけどね……」
「……はあ……」
「……この、えぇと……魔物、が……ヒルダ様の指示を、その……無視して暴れる、というような事は、起こるのでしょうか? それとも、起きないのでしょうか……?」
「起きませんよ。ですから安心していてください」
「ほっ……」
「……ヒルダ様の指示に従って動き、我々に危害を加えないこの、魔物が、害獣達を追い払ってくれる、と……つまりそういうことなのですね、ヒルダ様?」
「はい、そういうことです」
「……わかりました」
ヒルダの説明を聞いた村人達が、まだまだすべてを納得して受け入れることが出来ていない状態でわかったと、頷きながら答える。
そんな村人達にヒルダは、何かあったらすぐに調整するから、もし自分がいない時に問題が起きた時は遠慮せず知らせてきてほしい、と、このように話していった。
「ははは……まあ、このリビングアーマーに何か問題が起きた時はすぐに私へ報告してきてください。急いで調整しますから」
「……わかりました」
「……では、何か問題が起きた時には、真っ先にヒルダ様へ連絡しますからね?」
「ええ、よろしくお願いします」
「……ふむ。それではヒルダ様からの害獣対策を聞いて、その害獣対策を試しに使ってみる事が決まったところで、いよいよ今日の農作業を始めていきましょうか?」
ヒルダからリビングアーマーに問題が起きた時はヒルダがなんとかする、という確約をもらった村人達が、今日の農作業を始めようとする。
これにヒルダとレベッカも反応してそれぞれがそれぞれの了承の声を上げていく。
「ええ、そうしましょう」
「了解だよ、おじさん」
「……レベッカ、おじさんは余計だ」
「あはは、ごめんごめん、おじさん」
「……おじさんは余計だって言ったそばからこれか……はあ……まあ、もうどうでも良いか……よし皆!」
「はい!」
「作業開始だ! いくぜ!!」
「おおーーー!!」
レベッカの声に呆れる村人達が続出したのだが、いちいち反応していては農作業を始められない、という事で、レベッカの声は半ば無視される形でこの日の農作業が始まる。
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