ヒルダ、悪魔になる
自身が担当してある二つ目の畝への種まきを終わらせたヒルダは、自身が使った負荷増大魔法の影響で息も絶え絶えになっているレベッカに声援を送りながらその種まきを見守っていた。
「頑張れ頑張れレベッカさん!」
「ひい、ひい……ヒ、ヒルダ様……お願いします、少しだけで良いので、負荷を軽くしていただけませんか……この通り、頭を下げて頼みますから……」
「駄目ですよ。そんな事をしたらレベッカさんが強くなる速度が遅くなってしまうではありませんか」
「そ、それはそうなのですが……このままだと私が強くなる前に……力尽きてしまって、二度と動けない体になってしまう気が……しているのですが……!?」
「仕方ないですねぇ。それでは、はい! 治癒魔法発動!」
「……え? 完全回復?」
「はい。これでまだまだ負荷増大魔法を使ってままの状態で種まきが出来ますね!」
レベッカの懇願に対して、負荷増大魔法を解除するのではなく、治癒魔法を使ってレベッカの疲労を解消する、という方法でレベッカの手助けを行っていったヒルダ。
このヒルダの行いを受けたレベッカは、ヒルダに対して初めて恐怖を感じる事になった。
「……ヒルダ様……状況によっては、とんでもない悪魔のような所業をされるんですね……」
「甘やかしてはいけない時期、というのは見極めているつもりですからね。そして、今がその甘やかしてはいけない時期だと判断しました」
「……甘やかしてはいけない時期……それが、よりによって今、ですか……でもヒルダ様、それは、どういった判断基準でそうなったのですか……?」
ヒルダの悪魔のような所業が、ヒルダ本人曰くレベッカを甘やかしてはいけない時期、それが今だと思ったからだと聞かされたレベッカが、どういう基準で今がその時期だと判断したのか? と尋ねていく。
このレベッカの質問にヒルダは、自身がどういう基準で考えたのかをレベッカへ正直に答えていったのである。
「どういう基準で、ですか……とりあえずは、周囲に敵がいない事、いつ倒れてもすぐに誰か
が気付いて助けに行ける事、この二つは絶対条件ですね」
「……はあ……それじゃあ、安全に体を鍛える事が出来る状況になっている事が絶対条件だという事ですか?」
「ええ、その通りです。見事な正解、おめでとうございますレベッカさん」
ヒルダの返答で、ヒルダが考えている安全にな状況というものが、どういうものなのかを理解していったレベッカ。
このレベッカの言動を見たヒルダは、拍手をしながら合格点をレベッカに与えていった。
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